読書好きけんの雑記ブログ(ヘルシー志向強め)

日々思いついたことをシェアしたいと思っています。読書で得た知識も備忘録を兼ねて、わかりやすく感想をアップしようと考えています。

アンチエイジングには食品のGI値よりもGL値を参考にしよう

食後の急激な血糖値の上昇は肥満を誘発する

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健康診断のときに、私たちは血糖値を測りますよね。

 

健康診断では、前日の午後〇時から、何も食べないでください、という指示があるはずです。

 

それは、健康診断の血糖値は「空腹時の血糖値」、つまり、「食べていないときの血糖値」を測る項目だからです。

 

ところが、最近、血糖値で話題になっているのは、血糖スパイクをもたらす「食後の高血糖」 のほうです。

 

私たちは食事をすると食べたものが体内で糖に変わり、それが血管中を流れます。

 

食事をした後は、糖に変えるものがたくさんあるわけですから、誰でも食後は血糖値が上昇します。

 

糖分は本来、私たちの体内でエネルギーとなるという意味では味方のはずです。

 

しかし食後、あまりに急激に血糖値が上昇すると(血糖スパイク)、体内で血糖値を抑えようとしてインスリンが大量に分泌されて、血糖値を下げようとします。

 

インスリンで抑えられた糖がどこに行くのか、消えてなくなればよいのですが、そうはいきません。

 

インスリンは脂肪を増やし、脂肪細胞の分解を抑える働きをするので、大量のインスリンの 分泌は「肥満」を誘発するのです。

 

インスリンで分解された糖は、脂肪に変わってしまうのですね。

 

GI値について

 

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食後に血糖値が上がるのは、どのような食物でも同じです。

 

ただ、食べ物によって、食後の血糖値を急に上げるもの、ゆるやかに上げるものがあります。

 

それを数値化したものが、食品のGI値 (Glycemic Index : グリセミック指数)と呼ばれるものです。

 

かんたんにいうと、GI値の低い食べ物を食べていると、食後の血糖の上昇をゆるやかにすることができ、肥満にもなりにくくなります。

 

GI値が高いものは、逆に血糖値を急激に高くしてしまう食べ物なので、食べすぎには注意が必要になります。

 

アンチエイジングを志すものとしては、ぜひ知っておきたいことです。

 

GI値の目安は?


GI値とは、食品が体内で糖に変わって、血糖値が上昇するスピードを計ったものです。

 

そのため、GI値の低い食品は血糖値が急激に上がることを抑制し、GI値の高い食品は血糖値を急に上げるものになります。

 

GI値は、食品の炭水化物50gを摂取した際の血糖値上昇の度合いを、ブドウ糖(グルコース) を100とした場合の相対値で表わしたものです。

 

GI値は、カナダ・トロント大学ジェンキンス博士が提唱しました。

 

何かを食べると血糖値が5分、30分と時間が経過するとともに上がり、そして徐々に下がっていきます。

 

その面積でGI値を計算しているのです。

 

これをIAUC (= Incremental area under the curve : 上昇曲線下面積)といい、「検査食と 基準食(ブドウ糖)のIAUCの面積」で比較します。

 

基準食のブドウ糖(グルコース)を50g摂ったときの面積(血糖値の上昇曲線面積)を100とし、一般に次のような区分を目安にしています。

 

  • GI値が55以下......低GI
  • GI値が56~69......中GI
  • GI値が70以上......高GI

 

GI値の見方は、値が低いほど血糖値の上昇スピードがゆっくりな(血糖値を急激に上げない)食品とされています。

 

つまり、血糖値が非常に上がりやすいブドウ糖を100としたときに、それに対して炭水化物を50g だけ摂ったとき、血糖値がどの程度になるかということです。

 

たとえば、全粒パンならブドウ糖100の面積に対し72%相当なので「GI値72」ですが、そら豆は「GI値29」と低めです。

 

この数値の違いを見れば、そら豆は血糖スパイクを起こしにくい食品ということになります。

 

全粒パンは、そら豆に比べれば、血糖値を早く上げてしまう食品になります。

 

日本のGI値について

 

日本では、ジェンキンス博士が行なったGI値の基準を使用していません。

 

「日本GI研究会」という組織でいろいろな基準を決めて、検査をした数値が使われています。

 

GI値というと、アルファベットだし世界共通の単位なのかと思いますが、世界共通規格ではありません。

 

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このため、日本の研究者や医療関係者は、日本GI研究会の基準に従って検査をしています。

 

違いとしては、たとえばブドウ糖(グルコース)50gではなく、サトウ食品が販売している電 子レンジで加熱して食べる「サトウのごはん」(200g) が基準になっているのが面白いところです。

 

「サトウのごはん」は私たち研究者にとっても実験しやすい材料なのだそうです。

 

「サトウのごはん」 (200g)を加熱して食べます。

 

実験においても、ふりかけや塩などはかけてもいいので、そうしたもので「サトウのごはん」(200g)を味付けして食べるのが基準です。

 

日本人にとって、やはりお米を基準にするのが、一番わかりやすいということかもしれませんね。

 

ところで現在は、「GI値は血糖をコントロールするための目安であって、絶対的な数字ではない」という考え方が主流になってきています。

 

GI値より現実にフィットする「GL値」とは?

 


絶対的な数値ではないのはなぜなのでしょうか?

 

それは、GI値を使う場合、注意すべき点があるからです。

 

それは、ニンジンのような野菜の値が、思っている以上に非常に高い値になってしまう問題です。

 

ニンジンのGI値は80~90と高い値になっています。

 

ただ、ニンジンには炭水化物がわずかしか含まれていませんから、基準(炭水化物50g)に合わせて大量にニンジンを食べることは考えにくいことです。

 

ニンジン嫌いが、GI値が高いから食べないという言い訳にも使われてしまいそうですよね。

 

やはりGI値は現実に合わない面がたくさんあるように思います。

 

GI値だけが独り歩きするように表示されると、弊害が起きてしまう場合があります。

 

ニンジンは栄養価も高く、栄養士さんはいろんな人に食べてもらいたいと考えている方も多いです。

 

しかし、その栄養士さんが病院食としてニンジンを食材に使いたくても、ニンジ ンのGI値が高いと表示されていると、ニンジンを使えなくなってしまうからです。

 

そうした現実との食い違いを改良するために、ハーバード大学の研究チームが 新しく考え出したのがGL値(Glycemic Load:グリセミック・ロード:負荷)です。

 

これはGI値に、その食材に本来含まれる炭水化物の量を掛けたものです。

 

食品に含まれる炭水化物の量は当然、食品によって異なります。

 

食品のGI値が高くても、含まれている炭水化物の量が圧倒的に少なければ、血糖スパイクにはならないはずです。

 

なぜなら、血糖スパイクを起こす十分な炭水化物の量が入っていなければ、血糖スパイクは起こらないからです。

 

その意味ではGI値よりもG L値のほうが現実的で、また理論的です。

 

ニンジンのGL値を計算すると、炭水化物が少ないのでGL値は低く出ます。

 

同じように白米のGI値は84ですが、GL値は29。

 

スパゲティはGI値65に対してGL値は22、そして問題のニンジンはどうでしょうか?

 

ニンジンのGI値は80と高GI食品でしたが、GL値で調べなおすと、たったの2です。

 

このようにGL値を使うと現実にも合い、みなさんが「なるほど!」と納得できるような数値が出るのですが、なぜか日本ではあまり使われていません。

 

日本の場合、GI値に「サトウのごはん」を使うので計測しやすいということがあるのかもしれません。

 

ブドウ糖(グルコース)を飲むより、「ごはんを食べたときと比べてどうか?」としたほうが 直感的にわかりやすい面もあります。

 

しかし、GI値は含まれる炭水化物の量だけでなく、人の年齢によっても全然違う値となります。

 

指標として考えると、GI値は参考程度にしておかないと対策を間違える可能性があります。

 

まとめ

 

アンチエイジングを効果的に行うためには、血糖スパイクを起こさない努力が必要になります。

 

そのため、食べる食材にも注意をする必要があることが分かったと思います。

 

GI値は参考程度にして、GL値を見ながら、日々の献立を考えると、アンチエイジングは効果的に行うことができるようになります。