アンチエイジングのためには飲み物の選択が重要
甘いジュースとアンチエイジング、美容
甘いジュースをたくさん飲むという習慣がありますか?
例えば、勉強や仕事をしながら、コーラや缶コーヒーを飲む人って多いのではないでしょうか?
缶コーヒーは仕事をしながら飲むと、リラックスできるから飲むという方。
仕事や勉強で疲れた時には、甘いジュースでリフレッシュしている方。
中には、スポーツドリンクで水分補給することで、素早く水分を吸収することができるから、飲むようにしているという方もいらしゃるでしょう。
それを見越してか、街を歩いていると自動販売機やコンビニをすぐ見つけられる環境にあります。
「のどが渇いたな」と感じると自然に清涼飲料水に手を伸ばす人には最高の環境です。
しかし、血糖値に関して考えると、甘いジュースを飲むという習慣はかなりまずいですね。
血糖に関して一番悪影響を与えるのは甘いジュースを飲む習慣なんです。
甘いジュースのパッケージには「炭水化物量10g」などの表記があります。
「たった10gしか糖質が入っていないのか」と安心して飲むかもしれません。
しかしこれは「100%当たり10g」という意味です。
つまり、500mlのペットボトルで計算すると、ブドウ糖(グルコース)が50g入っているということになります。
しかも、甘いジュースの場合は、液体ですから当然、咀嚼する必要もなく簡単に飲めるものです。
その結果、一気飲みしてしまうこともあるでしょう。
その場合GI値が高い砂糖を、そのまま噛まずに一気飲みしているようなものです。
その結果はすぐにわかりそうですね。
そうです、血糖値は飲んだ直後に、瞬間的に飛び跳ねます。
血糖スパイクが起こってしまうということですね。
「よく噛んで、ゆっくり食べろ(一気飲みするな)」ということは、子供のころから言われたことがあると思います。
それは同じ糖質量であっても、食べる、飲むスピードが違えば、血糖値の値は大きく違ってくるということも理由にあるからです。
血糖値の値が食べる速度によって違う理由は、よく噛んで食べると食物を飲み込むための時間も増えるため、胃袋に食品が送られる時間も遅くなります。
その結果、少しずつ消化・吸収され、血糖もゆっくりと血管に送り込まれるからです。
ゆっくり食べ、ゆっくり飲むということは、食べものが胃から小腸に流れ、小腸で吸収されて血液に入る時間が「ゆっくり」になります。
ゆっくり入るということがとても大切で、吸収される糖質が同じでも、スピードがゆっくりであれば、血糖スパイクを防ぐことができるのです。
また血糖は、当然ですが、人が生きているだけで基礎代謝として使われます。
血糖がゆっくり少量ずつ血管に入ってくれれば、体のいろいろなところで使われます。
したがって、余って血管に残るような血糖はごく少量になるということです。
ところが、一気飲み、早食いなどで糖分が一気に血管に入ってきた場合はどうでしょうか?
余った血糖が血管の中からインスリンの作用で脂肪に取り込まれてしまいます。
脂肪にたまるということは、アンチエイジングにとって、美容にとってあまり良いことではないことはご説明してきました。
余った血糖を生み出すよりは、血糖はしっかりと脳で使われたり、筋肉の基礎代謝で使われる分としてゆっくり吸収されたほうがいいでしょう。
ジュースを飲むということを例えるなら、土砂降りの雨のようなものです。
土砂降りの雨が降ると、川ががあふれて氾濫してしまいます。
水路が氾濫すれば海も汚れてしまいます。
同じような現象が体内で起こるのです。
ジュースに関する研究
ここで、ジュースについてもう少しふれておきたいと思います。
甘いジュースに関する研究は、いろんな結果が報告されています。
ハーバード大学は過去に報告された11の研究を合算して31万人のデータとし、ジュースの健康への影響を分析しています。
毎日1~2杯のジュースを飲む人は、ほとんど飲まない人と比較して糖尿病になるリスクが26%、メタボリックシンドロームになるリスクも20%高くなると警告しています。
糖尿病、メタボリックシンドロームともに、アンチエイジングや美容の大敵と言えるものです。
また、オランダの研究チームは普段からジュースをよく飲む642人の小学生を対象に、10%砂糖を含むジュース250mを毎日飲むグループと、見た目も味も同じですが、砂糖を含まないニセのジュース同量を飲むグループを無作為に振り分け、1年半の間、体重の変化を観察しました。
その結果、砂糖を含む本当のジュースを飲んだ子どもたちの平均体重は、ニセのジュースを飲んだ子どもたちより2.3kg重くなりました。
実際の対象は小学生でしたが、 当然この結果は大人にもあてはまるものでしょう。
ハーバード公衆衛生大学院の研究チームは約9万人の看護師を対象とした調査を行っています。
その調査によると、1日1杯ジュースを飲む人たちは、ほとんど飲まない人たちに比べて、心筋梗塞などの冠動脈疾患の発症率が23%、1日2杯以上では35%上昇することを突きとめています。
一方、エネルギーゼロのジュースは、冠動脈疾患の発症率に影響を与えませんでした。
心筋梗塞などの冠動脈疾患は血管の老化などが原因と言われますので、やはりアンチエイジングや美容にはマイナスの影響があると言わざるをえません。
こうした研究を見てみると、ジュースを毎日飲むことは避けるべきです。
缶コーヒーは、できればブラックの缶コーヒーに変え、コーラを飲みたいときには、無糖の炭酸水を選ぶなど、糖分を含まないものに変更すべきです。
朝食や昼食時に、健康にいいと思って市販の100%フルーツジュースを飲む習慣がある人も多いかもしれません。
しかし、市販の100%フルーツジュースは食物繊維を含まず、摂取した糖分がただちに吸収されて血糖値を急上昇させます。
そのため、健康にいいと思っているジュースで太る可能性が高いでしょう。
そして、太るだけではなく、血糖スパイクを起こす可能性もあります。
血糖スパイクがアンチエイジングにマイナスなのは、すでにご理解いただいていると思います。
これは市販の100%野菜ジュースにしても同じことが言えます。
飲んでみると、どんな野菜よりも不自然に甘くなっているのが一般的です。
それだけ糖を含んでいるということで、こちらも血糖値を急上昇させ、太る可能性は高いと見るべきです。
日ごろ野菜不足のため、いつも野菜ジュースを飲んでいるという方は、注意が必要かもしれません。
いつも飲んでいる野菜ジュースが、甘くて飲みやすいという場合は、もしかすると血糖値を上げてしまうジュースかもしれませんから。
栄養ドリンク
栄養ドリンクは、栄養をたくさん含んでいるから、疲れているときなどに飲む方も多いのではないでしょうか?
栄養ドリンクは、ビタミンやタウリンなど疲れに効く栄養がたくさん含まれています。
しかし、同時にたくさんの糖質を含んでいるのが問題になります。
栄養をたくさん入れると、のみづらくなるのでしょうか、必要ないほど甘く感じてしまうのは、私だけではないと思います。
栄養ドリンクの飲みすぎで、糖尿病になったという報告もあるようですから、あまりたくさん飲むのは問題ですね。
そして糖質がたくさん入ってくると、身体もそれを処理するためにたくさんの栄養や酵素を消費するため、かえって疲れてしまうということも多いです。
まとめ
血糖スパイクという観点で考えた場合は、甘いジュースは避けなければなりません。
アンチエイジングや美容には、血糖スパイクは大敵です。
甘いジュースを飲みたくなった場合は、我慢するのではなく、お茶やブラックのコーヒー、水など代わりの物を飲むようにしましょう。
我慢するとストレスになってしまいますから。