やる気、モチベーションを奪ってしまう行動とは?
立つことの重要性は知っているけれど
座ってばかりの生活は健康に良くないということは、多くの方が知るようになってきているようです。
座り続けることは、喫煙と同じぐらい健康に良くないですよ、という研究報告があるということもまた常識になりつつあるのではないでしょうか?
しかし、その座ってばかりの生活をやめようとしている方が少なく感じるのはなぜなのでしょうね?
座ることで不健康になる、ならば立って生活しようという気持ちになかなかならない方が多いようです。
その理由を少し調べてみると、興味深いことがわかりました。
座り続けるとモチベーションが低下する
なんと、座り続けるとモチベーションが低下するということが研究によって明らかになっているようです。
座っているのですから、体内のエネルギーを温存している状態になっていそうですし、疲れてもいないため、モチベーションが上がるように感じるかもしれません。
モチベーションが上がらないまでも、下がる理由にはなりそうにない、とも考えられるかもしれませんね。
しかし、ディーキン大学の研究によると、座ることでやる気が激減するということが判明しているようです。
人は狩猟などを行いながら食べ物を得てきたわけですが、その行為は当然動いて行うものであり、動かなければ死を意味しますね。
ですから、動きながら何かを考えたり、探したりするように私たちの身体は作られているようです。
逆に座っていろんなことを考えることは、意外と不得意なようです。
運動不足が引き起こすエネルギー不足
そして、座ってばかりいると、当然運動不足になってしまうのですが、これもさらにメンタルに悪影響を与えることになります。
私たちは、食事で栄養を取り入れたり、呼吸で酸素を取り入れてエネルギーを作り出しているのですが、そのエネルギーを作り出しているのが、細胞の中にあるミトコンドリアです。
ミトコンドリアは、特に筋肉や脳の細胞の中にたくさんあるのですが、栄養や酸素を使ってエネルギーであるATPを作り出します。
このATPが作られなくなると、人はすぐに死んでしまうと言われています。
ドラマの殺人現場で良く青酸カリが使われて殺されているシーンがありますが、青酸カリはミトコンドリアのATP生産を止めてしまうことで、人を死へと追いやってしまうそうです。
ATPがどれほど大切かということが、ここからわかるのではないでしょうか?
そのATPを生み出すミトコンドリアですが、筋肉や脳の細胞の中にたくさんある、ということをお伝えしました。
筋肉は、加齢や運動不足などで減少していくことはご存知だと思いますが、それに伴ってその中にあるミトコンドリアも減っていくことになります。
エネルギー生産工場ともいえるミトコンドリアが減っていくのですから、当然エネルギー不足になってしまいますね。
ミトコンドリアが減っている状態は、例えば運動を行ってすぐに息切れをしてしまうような状況です。
運動不足によって、筋肉が減ることにより、ミトコンドリアも減ってしまいエネルギー生産が運動に全く追い付いていないため、すぐに意気が切れてしまうわけです。
運動を習慣にしていくと、徐々に運動を息切れすることなく続けることができるようになりますが、それは筋肉が増えるとともにミトコンドリアも増えていくため、エネルギー工場の稼働が上がった状態と言えますね。
ミトコンドリアで生産されるATPですが、体中で使われるものですので、当然脳などでも使われるものです。
そのATPが減ってしまえば、脳の活動も落ちていくことになりますので、結果としてモチベーションの低下や、やる気が全くなくなるような、精神への影響も出てきてしまいます。
座りっぱなしでいることで、健康への悪影響が出てきてしまうのは、いろんな理由があるわけですが、このミトコンドリアの問題はかなり致命的だということがわかると思います。
アンチエイジングへの影響
ミトコンドリアが減ってしまうことで、アンチエイジングへの影響があることは、すぐに理解できますよね。
アンチエイジングは、肌や内臓、筋肉、髪など様々な部分の新陳代謝を促して、加齢を遅くして、若々しさを保つことです。
それを実現するためには、やはりATPが十分に存在していることが前提になります。
しかし、座りっぱなしてミトコンドリアが減ってしまって、ATPが減ってしまうとどうでしょうか?
アンチエイジングも全く効果を発揮しない、という悲しい状況になってしまうでしょう。
座りっぱなしを改善する方法
座りっぱなしの状態を改善するためには、立てばよいだけなのですが、デスクワークなどでどうしても座りっぱなしの状況を続けなければならない方も多いでしょう。
できれば1時間以上は座り続けない、ということを意識していただきたいのですが、それができない、という場合、よく言われることは貧乏ゆすりをしなさい、ということです。
貧乏ゆすりは確かに、座りっぱなしの状況を改善するためには、とても有効な手段です。
一人だけでいるような場合は、遠慮なく貧乏ゆすりをすればよいのですが、実際のところ貧乏ゆすりできる環境にある方は少ないのではないでしょうか?
どうしても、周りの人に迷惑をかけてしまいがちなのが、この貧乏ゆすりの特徴ですから、無理に行って周りのひんしゅくをかわないようにしないといけません。
そこで、私がお勧めしたいのは、片足を10秒程度上げて維持していく、ということを交互に行うことです。
これならば、周りに迷惑をかけることもありませんし、仕事の邪魔にもならないのではないでしょうか?
また、両足を床から少し浮かして維持する、ということも効果的ですね。
時間は長くキープできればよいですが、それは体力に合わせて決めていくとよいと思います。
立って作業できるのであれば、それが一番良いのですが、それができない場合は、何とか身体を動かせる方法を見つけていく、という認識があるとよいと思います。
疲れたら歩く、動く、走る
ここまで見てきたことを総合して考えてみると、私たちの身体はエネルギー不足で疲れた場合は、座って休むのではなく歩いて、または動いて休む必要があるようです。
もちろん、くたくたに疲れているような場合は、しっかりと休息が必要になるのですが、なんとなく疲れた、というような場合は、むしろ歩かなければエネルギーがさらに不足するということになります。
海外ドラマなどで、スーパーエリートが仕事の前に、まずはジムに行って身体を鍛えてから仕事を始める、ということはまさに理にかなった方法ということが言えそうです。
まとめ
モチベーションがない、やる気がなくてミスが増えてきた、歩くのも面倒だ、というような感覚がある場合は要注意です。
体内のミトコンドリアが減って、エネルギーであるATPが十分に生産されていない可能性が大きいです。
エネルギー不足になっている場合、一番感じやすい感情が「面倒くさい」なのだそうです。
例えば、今からウォーキングをしようと言われて、「面倒くさい」と感じた場合は、ミトコンドリアの量がかなり減っている可能性があります。
その場合は、日ごろの生活を見直してみて、座りっぱなしの状況が長く続いているようならば、できるだけ日ごろの生活で動くことを意識して、改善していく必要があります。
座りっぱなしの状態は、その後でジムなどで運動しても相殺されないことがありますので、常に動くことを意識しておくことが大切です。