読書好きけんの雑記ブログ(ヘルシー志向強め)

日々思いついたことをシェアしたいと思っています。読書で得た知識も備忘録を兼ねて、わかりやすく感想をアップしようと考えています。

コミュニケーションを上達させるために「1冊のノートが「あなたの言葉」を育てる(川上徹也著)」

コミュニケーションが下手?

 

コミュニケーションを上手にできるようになるためには、いったい何をすればよいのでしょうか?

 

私がコミュニケーションについて思うことは、芸能人、特にお笑い芸人の伝え方のうまさです。

 

テレビなどでお笑い芸人の方々が、自分の経験したエピソードを語る場面を見ると、本当に上手にしゃべるな、という印象があります。

 

もちろんそれが商売ですから、洗練されたスキルということになるのだと思いますが、それにしても上手ですよね。

 

彼らのコミュニケーション能力を得ることができれば、生活でも相当上手にコミュニケーションができそうな気がします。

 

コミュニケーションとは

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コミュニケーションというのは、そもそも何を目的にしているのでしょうか?

 

それはもちろん考えやアイデア、アドバイスなどを相手に伝えるということですよね。

 

ですから、コミュニケーションで重要なことは、誤解なく正確に情報が相手に伝わるかどうか、ということです。

 

コミュニケーションはキャッチボールなどに例えられることが多いですが、その例えは正しいと私は考えていて、如何に相手が取りやすいボールを投げられるか、言い換えればいかに理解しやすい言葉で伝えることができるか、ということがコミュニケーションの基本です。

 

先ほどのお笑い芸人の話でいうと、彼らは誰にでも理解できるように状況を説明している、ということが基本になっています。

 

そのうえで笑わせる技術があるということですね。

 

コミュニケーションでの言葉の選び方

 

コミュニケーションでは、相手が理解できるかどうか、それも理解しやすいかどうか、ということがとても大切です。

 

そこで前提として考える必要があるのが、相手に応じて適切に語彙を選ぶことができるかどうか、ということです。

 

頭を良く見せたいと考えているのかもしれませんが、必要以上に横文字を使って話している人がいますよね。

 

そして、必要以上に難しい言葉を使って話している人もいます。

 

この場合、コミュニケーションの相手は無視されているような状況ですので、個人プレーの状況になってしまいます。

 

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誰にでもわかる言葉で話すということが、本当に頭の良い人の話し方ですし、コミュニケーションが上手な人になりますので、誤解しないようにしたいですね。

 

言葉、語彙のチョイスは難しいもので、専門用語を使った方が逆に相手に伝わるという場合もありますから、ケースバイケースで適切に選択できるというのが理想です。

 

この本が教えてくれること

 

今回この本を読んだのは、コミュニケーションについて必要なこと、コミュニケーション能力を改善して、上達させていくための方法が書かれているからでした。

 

本書で強調されることは、簡単な言葉を使うだけでは、コミュニケーションは上達しないということです。

 

発する言葉は、木の葉の部分という例えがされているのですが、その葉が見事に茂るためには、木の幹の部分、根の部分がとても重要になるわけで、コミュニケーションにおいても、発する言葉には含まれていない部分を鍛えていくことが重要であると書かれています。

 

確かに、簡単な言葉しか知らない人と、たくさんの語彙を知っていてその中から適切に言葉がチョイスできる人とでは、コミュニケーションの深みがまるで変ってきそうですよね。

 

そして、そのようなコミュニケーションができるようになるために、どのようにノートを使っていくのか、ということが解説されています。

 

著者の川上さんは、気になることはどんなことでもノートに書くそうです。

 

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そのノートを「日気ノート」と「記」ではなく「気」という言葉を使って表現しています。

 

日記は日ごろの出来事などを綴っていくものですが、日気ノートは響きになったことを綴っていくノートになります。

 

少々面倒に感じるかもしれませんが、本書では以下のように書かれています。

 

このように「言葉の木」を育てていくためには、いろいろな対象から、日々の「気づき」「疑問」「言葉のストック」「コンテンツの要点」「トピックス」等を地道に蓄積していくことが、遠回りのようで一番のようです。

(76ページ)

 

当然と言えば当然ですが、それがなかなかできないのが現実ですよね。

 

重要なことは、気が付いたこと、気になったことはすぐにノートに書けるように、筆記用具やノートを持ち歩いているということです。

 

私たちの記憶は本当にはかないもので、覚えておこうと思っても、何か別のことを考えると、覚えておきたいと考えたことがトコロテンのように、スルッと脳から押し出されて見事に忘れてしまいます。

 

これはあなたが頭が悪いからではなくて、誰の脳もそのようになっています。

 

ですから、覚えておかせようとするのは、脳にではなくて外部記憶媒体に覚えさせる必要があって、それはスマホなどでも良いのですが、私は手で書くノートが一番効果的だと思います。

 

その場にノートがない、という場合はスマホのメモの機能やカメラを使ってもよいですが、時間ができたらノートに書くことを本書でもお勧めしていますよ。

 

スマホやパソコンでは、ボタンを押すだけですから、脳が働く場所がかなり限定的です。

 

それに対して紙に書くという行為は、どんな文字だったか思い出したり、ノートのどの部分に書こうか考えたり、というように単純に見える行動も実はかなり複雑に脳が働いているものです。

 

ですから、ぜひ手書きのノートを取り入れることをお勧めします。

 

ネタを使えるようにするために

 

そして、本書が面白いのは、その日気ノートをネタのように使えるようにするために、アウトプットの方法について解説されていることです。

 

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それを「出言ノート」として活用していきます。

 

せっかく日気ノートで、気になる事柄をメモしているにもかかわらず、それを使わないということは、ちょっともったいないですよね。

 

そうしないと、コミュニケーションを実りあるものにすることも難しいものです。

 

逆に、いろんな情報をアウトプットできるようになれば、コミュニケーションも楽しくなっていくものです。

 

アウトプットしていくことで、徐々にあなたのオリジナルのネタが増えていくことにもなりますので、それらを自由に語ったり書いたりできるようになれば、あなたの言葉は他にはない唯一のものになっていきますので、コミュニケーションの深みも出てくるはずです。

 

本書では、そのような「あなたの言葉」を作る7つの切り口が紹介されています。

 

  1. 「体験」や「ミニエピソード」を語る
  2. 「比喩」を使い「たとえ話」をする
  3. 「言葉の発見」を伝え「知識から知恵」を導く
  4. 抽象化して「法則」にする
  5. 「オリジナルの単語」を作る
  6. 教訓風名言を作る
  7. 勝手に「新定義」する

 

この7つを使いながら出言ノートを作っていくことで、どんどんあなたオリジナルの言葉ができていくのですね。

 

そして、著者はこのように述べています。

 

せっかく気づきがあっても、アウトプットに用いなければ宝の持ち腐れです。どんどん「ネタ」にして話し、書くことをしていくのが大切です。

(164ページ)

 

メモをとること、ノートに書くことは記憶の補助として考えている方が多いですが、アウトプットに使うことの重要性を説いていることに、この本のすばらしさがあると思います。

 

まとめ

 

コミュニケーションは、相手にいかにわかりやすく伝えるか、ということが重要ですが、それは難しい言葉を知る必要はない、ということではありません。

 

むしろ、相手にわかりやすく伝えるためには、語彙、知識、知恵などをどんどん増やしていく必要があるということが、この本で伝えたいことであり、それを実現する方法が丁寧に解説されています。