読書好きけんの雑記ブログ(ヘルシー志向強め)

日々思いついたことをシェアしたいと思っています。読書で得た知識も備忘録を兼ねて、わかりやすく感想をアップしようと考えています。

「TED TALKS スーパープレゼンを学ぶTED公式ガイド」(クリス・アンダーソン 著)を読んだ感想

TED TALKSのスピーチの秘密が知りたい

 

TED TALKSは、YouTubeにもたくさん動画がアップされているので、いつでも見ることができます。

 

TED TALKSのスピーカーは、すごくプレゼンが上手で、本当に伝えたいことがすぐにわかって、聞いている私たちを共感させる話し方をしています。

 

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私自身は、プレゼンテーションと言われることだけではなく、単純に数人の前で話すというだけでも緊張してしまうタイプの人間ですので、TED TALKSのようにとてつもなく大勢の人たちの前で話すなんて、考える事すらできません。

 

しかし、TED TALKSの動画を見ることは好きなので、どうしてあのような見事なスピーチができるのか、ということには興味がありました。

 

そんなときに、本書を見つけることができたので読んでみたのです。

 

読んでみて感じたことを少しお話ししてみたいと思います。

 

スピーチの力

 

言うまでもないことですが、見事なスピーチができるということは、それだけで人生の成功者になれる、と言えるほどに重要な能力ですよね。

 

スピーチが上手な有名人の名前を上げようと思えば、いくらでも上げることができるのではないでしょうか?

 

いくらでもは言い過ぎかもしれませんが、一人か二人は確実に名前を上げられますよね。

 

私が一人を上げるとすると、世界一の投資家であるウォーレン・バフェットになると思います。

 

彼は、毎年バークシャー株主総会で何万人の前で話をするのですが、落ち着いた話しぶりがとても印象に残っています。

 

きっと、生まれ持った才能なのだろうな、と思っていたところ、実はそうではないようです。

 

実際スピーチを死ぬほど恐れていた人が、努力の末に達人になったという話にはことかかない。エレノア・ルーズベルトも、ウォーレン・バフェットも、ダイアナ妃もそうだ「恥ずかしがりやのD」と呼ばれ、スピーチ嫌いで有名だったダイアナ妃も、そのうちに自分自身の言葉でかしこまらずに語るようになり、世界に愛された。

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多くの偉人は、スピーチが苦手だった人が多く、それを努力で乗り越えていったようです。

 

ウォーレン・バフェットは、大勢の前で話すときには足が震えてしまって話せなかったために、有名なデール・カーネギーの講座を受講したそうです。

 

投資の神様であるウォーレン・バフェットもスピーチの重要性を認識してトレーニングしたということは、それがどれほど重要な能力なのか、ということがわかるというものですね。

 

TED TALKSのスピーカーの準備の方法

 

TED TALKSでスピーチをするほどの人は、さぞかしスピーチの能力が高いのだろうな、という印象があると思います。

 

私も本書を読む前まではそう考えていました。

 

しかし、TED TALKSのスピーカーであっても、実は私たちと同じように本番では緊張するし、スピーチがずば抜けて得意という人もあまりいないそうです。

 

ではなぜあのようなすごいスピーチができるのかというと、秘密の一つは準備期間にあありそうです。

 

トークのための準備期間はなんと数か月かけるのだそうです。

 

ビル・ゲイツもTED TALKSでスピーチしていますが、彼ですら準備に数か月かけたというから驚きです。

 

そして、リハーサルの回数は100回以上行う、ということですから準備に恐ろしいほどの時間をかけることになります。

 

プレゼンが上手だったスティーブ・ジョブズもプレゼンの準備のため、100回ぐらい練習していたという話を聞いたことがあります。

 

感動させるようなスピーチを行うためには、やはりそれなりの準備が必要なのですね。

 

かく言っている私は、リハーサルなんてほとんど行わず、数回程度でプレゼンに望むことが多く、これを知り激しく反省いたしました。

 

組織のリーダーでなくても、トークは新しい扉を開き、キャリアを180度変えることができる。

(18ページ)

 

それだけの準備を必要とするトークですから、人生を変える、新しい扉を開ける可能性は十分にありそうだと感じますよね。

 

どのようなスピーチの内容にすべきか

 

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どれほどスピーチが上手にできると言っても、内容が全く響いてこないものであっては、まさしく宝の持ち腐れというものです。

 

ですから、どのような内容を話すのかということも、当然重要になってくるわけです。

 

認識すべき重要なことは、優れたスピーチが盛りだくさんの情報を伝えているわけではない、という事実です。

 

伝える情報は基本一つだけ、というのがすぐれたスピーチです。

 

パブリックスピーキングで本当に大切なのは、自信でも、存在感でも、口のうまさでもない。「語るべき価値のある何か」を持っていることだ。

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語るべき価値のある何か、を持っていてそれをスピーチで伝えるためには、その語るべき価値だけを語る必要があるわけです。

 

大切なのは限られた時間で、できる限り隅々まで完全に一つのアイデアを紹介することだ。話が終わったときに、一点の曇りもなく理解してほしいのはなんだろう。

(53ページ)

 

このように考えることで、あれもこれもと情報を詰め込むことがなく、相手に伝えるべきことをしっかりと伝えることができるスピーチを作ることができます。

 

スピーチを響かせるために

 

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スピーチを響かせるためには、語るべき何かを伝えることでした。

 

しかし、それが決まったとしても、どのように伝えるかという戦略がなければ、やはり相手には伝わらないものですよね。

 

情報を箇条書きのように話していっても、ビジネスの伝達事項のようなものなら伝わりますが、スピーチとなると大勢の人の心に届くように話す必要があります。

 

そのためにTED TALKSのスピーカーが話すのは、ストーリーです。

 

伝えたい価値のあることを、ストーリーにして相手に伝えるわけですね。

 

私たちは基本的には人の話を聞いていないものですが、ストーリーがあると比較的簡単に話を聞くことができるものです。

 

そして、そのストーリーも相手に伝わるように組み立てる必要がありますね。

 

ストーリーを語るときには、次の4つのことが大切だ。

・観客が共感できるような登場人物を主人公にすること。

・好奇心、社会的な関心、実際の危険を通して緊張を盛り上げること。

・適度な量のディテールを盛り込むこと。

・最後に笑いや感動や驚きできちんと締めくくること。

(94ページ)

 

このようなストーリーはなかなか完成しないと思われるかもしれませんが、先ほど準備やリハーサルに数か月かけるということからもわかる通り、時間をかけてストーリーも組み立てられていくわけです。

 

TED TALKSを見ていると、即席で語られているかのように自然に聴くことができますが、そうなるまでに驚くほどの時間をかけて作られているのですね。

 

全てをシンプルにすること。でも必要以上にシンプルにしなくていい。

(118ページ)

 

人に伝えるためには、やはりシンプルであればあるほど良いわけですが、必要以上にシンプル過ぎると、逆に伝わりにくくなる、というのが厄介なところです。

 

そこも時間をかけて、一番伝わるシンプルさが追及されて、トークが作られていくのですね。

 

まとめ

 

トークの重要性はわかりますが、そんな才能が私にはないと思っていました。

 

しかし、本書を読んでわかったことは、トークは才能ではなく努力、そして徹底した準備によって作られるということです。

 

TED TALKSほど見事なトークは、私たちは必要ないかもしれませんが、如何に相手に伝えるかという準備や努力は常に行う必要があるのかもしれませんね。

 

それが新しい人生の扉を開いてくれたら、最高の結果になるのですが。