「年収3万円のお笑い芸人でも1億円つくれたお金の増やし方5.0」(井村俊哉 著)を読んだ感想
売れない芸人の年収
年収3万円から1億円を作ったという、なんとも刺激的なタイトルの本です。
著者である井村さんは、テレビなどで何度か見たことがあったのですが、家電量販店でいかに安く購入するか、というようなことを紹介されている番組だったので、お金を貯めることが得意なのだろうなと思っていました。
その井村さんが著者になっているので、興味を持って読んでみました。
私は失礼ながら、井村さんを芸人として見たことがないため、どのような芸風だったのかということは知りません。
芸人というと売れるまでは、かなり貧乏生活をされている方が多いため、井村さんもそうなのだろうなと思いました。
何せ年収3万円ですからね。
ところが、このタイトルは実は間違いだったということを、本のプロローグの中で話されています。
この本のタイトル「年収3万円のお笑い芸人でも1億円つくれたお金の増やし方5.0」ですが、一部誤りがございます。
芸人年収は3万円もなくて、2万6850円でした。
ちょっとサバを読んでいたようです。
ちなみに、これは芸人として組んでいたトリオ「ザ・フライ」が、日本一のコントを決める「キングオブコント2011」で準決勝まで進んだ翌年の年収だそうです。
ということは、いつもよりも少し多めの年収ということになるのでしょうか・・・
ひと月2000円強というところですので、生活はできないですね。
ちなみに今は芸人は引退されているようです。
子供のころからお金を稼いでいた
お金を稼ぐ能力、増やす能力が高い人というのは、概して子供のころからお金を稼ぐことに興味を持っているものです。
著者もその一人です。
そんなある日、何気なくTVゲームの折り込みチラシを眺めていたら、不思議なことに気が付きました。あるゲームソフトが、A点が販売する価格より、B店の買い取り価格の方が高かったんです・・・!
半信半疑で試してみましたよ。A店で「ときめきメモリアル3」を購入し、B店で売ってみたら、1500円も手元に残ったんです!
これは「せどり」という方法になり、昔から差額を抜くという方法は行われていました。
投資の世界ではアービトラージという取引になるでしょうか。
あまりよくないイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、よく考えればこれはビジネスの基本ですよね。
安く仕入れて高く売る、ということがビジネスの基本です。
その意識を子供のころから持っていれば、それはお金を増やす能力につながりますよね。
株式投資に手を出す
お笑い芸人ですから、芸を磨く時間が必要であったり、ライブやオーディションは不定期に行われることから、アルバイトも続かないことがあるようです。
そのような芸人ですが、生活のためにお金が必要になります。
そこで井村さんは、株式投資に手を出します。
まあ、時間を作りたいという場合には、株式投資で稼ぐことができれば、というような考えは誰もが持つものですよね。
井村さんもその一人だったわけですが、株式投資はそんなに簡単に稼げるものではありません。
私も株式投資を行いますが、株式投資で重要なことは、その企業が持つ本来の価値に対して、現在の株価が安い、きわめて安いというときに買う、ということだと考えています。
そして、その場合意識しておかなければならないことは、割安だということは人気がない、ということです。
その企業の本来の価値に多くの人が気が付けば、株価が上がっていくわけですが、それがいつになるかは、全くわからないわけです。
ですから、よほどの資金があるのならば別ですが、生活のためのお金を株式投資で稼ぐということは、かなり困難なわけです。
井村さんも株式投資で、最初は痛い目を見ています。
コスパを意識して生活する
井村さんが本書で強調していることは、一言で言ってしまえば「コスパを意識する」ということです。
そもそもコスパとは「コスト」と「パフォーマンス」を組み合わせた略語。このコスパを構成する要素は2つ、①価格と②質です。僕がよく言う「コスパがいい」とは、①価格が安い割に②質がいい、という意味で使っています。
コスパを考えると、単なる節約の状態でなくなります。
コスパが良い物とただ安いだけのものを買っている状態を比べてみましょう。
カップラーメンが安いから、毎食カップラーメンを食べている節約志向の人がいるとしましょう。
(私はカップラーメンが安いと感じたことがありません。安くても一つ100円ぐらいしますので、どう考えても安いとは思えないです。ただ、多くの方がカップラーメンで節約というイメージを持っていると思うので、あくまでもたとえとしてです。)
そんな場合はコスパは低いと言えそうですね。
なぜなら、栄養などの質を考えると、質が良いとは言えないためコスパが良いとは言いづらいです。
井村さんは、そのような状況では、バナナ、納豆、卵を進めています。
これらの商品は、確かに激安で購入できる食材ですが、栄養面でもかなり充実していますよね。
私はこれに、もやしなども加えていくことで、充実した食事を摂りつつ、安くコストを抑えることができると思います。
本書では、もやしはあまりよくない感じで書かれていますが、私はとても良い食材だと思います。
栄養もしっかりと補給しつつ、コストダウンしていくということが重要なことです。
コスパを極めれば極めるほど、生活の質も向上していきます!はやりのQOL(クオリティー・オブ・ライブ、生活の質)とでも言いましょうか、少ないお金やリソースで最高に効果的に生活を豊かにしようというのがコスパの考え方なんです!コスパでは極力我慢しません。
生活を豊かにするために
生活を豊かにするためには、我慢をできる限り少なくするべきだと、私は常々思っています。
我慢をしなければならないことは、どうしても継続できないからです。
コスパを意識した生活というのも、我慢をしなければいけないというイメージがどうしてもついて回ってきます。
しかし、その意識は捨てるべきだと思います。
コスパを意識した場合は、欲しいもの、それが生活の質を豊かにしてくれるのであれば、買うことでパフォーマンスが上がったりします。
例えば食洗器、自動掃除機などがあれば生活の質が上がって豊かになる、というのであれば買うべきだろうと私は思います。
しかし、それを買うときにはコスパの意識をしっかりと持たなければなりません。
どういうことかというと、どんなものでも買うときには、普通よりも圧倒的に安く買うようにすることです。
最近では、激安でいろんなものを購入するための情報が、インターネットで簡単に手に入るようになっています。
ですから、そのような情報をしっかりと調べて、激安で目的のものを購入するように努力するわけです。
激安で購入する方法や手段は、意外と頻繁に変わっていますので、都度チェックすることが必要ですが、それが節約につながるのならやるしかありませんね。
それができれば、コスパ最高の生活、つまり満足度は落とすことなくお金も上手にためていくことができるわけです。
まとめ
本書で書かれていることは、魔法のように一気に大金持ちになる方法ではもちろんありません。
日ごろの生活の質を下げることなく、お金を上手にためていく方法が書かれています。
書かれていることは、そんなに難しいことではないのですが、大切なことは実践しているかどうかです。
我慢したくないけれどお金は貯めたい、というような少々わがままに感じる考えを持っている人は、参考になることがたくさんかかれていますよ。