「一流の達成力」(原田隆史 , 柴山健太郎 著)を読んだ感想
一流の達成力を知りたい
一流の達成力とはどのようなものか、おそらく一流の人たちが目標を達成していくための力のことだろうと思います。
どんな困難な目標でも達成していく、いわゆる一流と言われる人たちの秘密を知ることができれば、これほど力強いものはないです。
それをこの本で知ることができるのだとすれば、読まない理由はないということで、興味深く読んでみました。
その結果、得られることは本当にたくさんありました。
原田メソッドには「オープンウィンドウ64」というものがあるということは、以前から知っていました。
マンダラチャートとも呼ばれるようですが、本書を読むと、それは達成力のごく一部にしか過ぎないことがわかりました。
曼荼羅のように、自分の夢や目標を書いていく、ということはいろんな方が本で紹介していますが、それを作り上げるための前提条件のようなものをしっかりと理解しておくということが、目標達成の力を強くするということが紹介されています。
心のケア
心のケアというと、精神的に傷ついているような人を、誰か別の人がケアするかのようなイメージがあります。
もちろん、それは大切なことですし、なんでも一人で解決しようとしてもなかなか難しいものです。
ですから、心のケアを利用するということも、選択肢として考えることは大切です。
そして、それに加えて自分自身の心のケアも十分に行えるようにする必要があります。
まずは、夢や目標を掲げる前に、私たちには心のケアが必要です。もっと自分自身を愛したり、認めたり、許してあげることから始めなければならないと思っています。
(36ページ)
自分に対して疑いや、嫌悪感などがあったりすると、どう考えても目標達成にはマイナスの効果しかなさそうですよね。
「私にそんなことができるのだろうか?」
こんな疑いの気持ちがあるだけで、目標達成は遠のきそうな気がします。
ですから、やはりまずは自分を愛せるように、自分自身をケアしていく、ということが目標達成には重要になっていくのですね。
目標達成を加速させるもの
目標達成には、やはり努力をしなければいけないものですし、行動しなければ叶わないものですが、できれば最短距離を最速で行きたいものです。
少々欲張りな考え方のような気もしますが、私たちは誰もがそう考えているはずです。
しかし、なかなか目標達成できない人が多いのが事実です。
さて、この日本一となった生徒との出来事から、私は目標を達成することの意味についてあらためて考えさせられました。それは現状を把握、反省し、反省したことをもとに行動を変えるだけでは、けっして結果は得られないということです。
(25ページ)
目標を達成するためには、現状を把握して反省して、行動を変えていく、といういわゆるPDCAサイクルと呼ばれるようなことが不可欠だと考えられていますが、それでは目標が達成されない、結果が得られないというのです。
多くの方が目標を達成できない現実があるのは事実ですが、それはしっかりと反省して行動につなげていないことが原因だと考えられているものです。
私もそう考えていました。
しかし、実はそれが原因ではない、ということがここに書かれています。
もちろん反省しないで、行き当たりばったりで行動していても、目標達成にはなかなかつながらないのは事実ですが、反省して行動を変えていくことも、結果を得る事につながらない、としたらいったい何をすればよいのでしょうか?
実は夢や目標の達成に必要な要素とは、「自分自身に対する目に見える夢や目標」と「他者や社会に対する目に見えない夢や目標」があり、この2つがあって初めて相乗効果を生み出すからです。
(46ページ)
自分の目標設定を決める際には、多くの方が自分の目標だけを決めるものです。
年収を1000万円にしたい、というようなものが具体的な例になります。
そして、その目標に向かっていろんな行動を起こすことになりますよね。
今の職場で1000万円を超えるためには、どのような役職にまで昇進しなければならないとか、どんな資格を取る必要があるか、というようなことを考えます。
今の職場では1000万円を超えることは不可能だ、ということになれば転職や企業などを視野に入れるかもしれませんね。
そして、日々努力しつつ、反省して改善しながら目標に進んでいく、ということが通常の取り組み方ですが、それでは不十分だということです。
「他者や社会に対する目に見えない夢や目標」が足りていない、というのが先ほどの引用の中にある指摘です。
第一章で、砲丸投げで日本一になった中学生の話をしました。あのとき、「目的は親孝行。目標は日本一と学費免除で高校進学」と言ったのを覚えているでしょうか?
これは目標を2つ立てたのです。
1つは「砲丸投げ日本一で、学費免除で高校進学」という「自分自身に対する目に見える夢や目標」=「私・有形」の目標、もう1つは「親孝行」という「他者に対する目に見えない夢や目標」=「社会、他者・無形」という目標。
(48ページ)
私たちが目標を達成しようとする場合には、半分の目標しか設定していないことが多いわけです。
一生懸命やっても、半分しか目標設定していないとなると、やはり達成は難しくなりそうだ、というのは感覚的にわかりますね。
逆に、社会や他者に対する目に見えない目標だけを目標にする、ということも目標達成には足りないということになります。
ボランティアなどを行うことはとても素晴らしいことなのですが、やはり有形の目標がないとそこで終わりになってしまう、ということですね。
目標設定のためには、有形無形すべてを設定しなければ、効果的に達成することができない、ということを認識しておく必要があります。
なぜ両方の目標設定が必要なのか?
ここで疑問が出てくるのではないでしょうか?
「なぜ、自分自身のための目に見える目標だけではうまくいかないのか?」という疑問です。
それに対する答えはラグビー日本代表を例に出して説明されています。
2015年のラグビーワールドカップで、南アフリカを破った日本代表。
この勝利によってラグビーの人気に火が付いたことを記憶している方は多いのではないでしょうか?
日本代表は、他国の選手よりも体格的に恵まれているわけでもない状況で、南アフリカという強豪を破りました。
その際に、日本代表が目標として設定したことに、以下のようなものが含まれていたそうです。
これらは、「社会、他者・無形」の目標として機能したのです。
このように、あるべき姿「BE」が生まれると、おのずと行動すべきものも見えてきます。世界に比べて圧倒的に体格差の劣る日本人が、ラグビーで勝つために死ぬほどの練習に耐えられたのも、彼らの目指す「BE」があったからなのです。
(80ページ)
他者のためにこうあるべき、という目標があれば、自分自身の目標達成のために相乗的な効果をもたらすということなのでしょう。
まとめ
目標設定ということは、簡単に捉えていましたが、「社会、他者・無形」の目標を同時に設定することが重要、ということは多くの方が知らないことでしょう。
それがゆえに目標達成を困難にさせていたということは、多くの方が目標を達成できない、という事実が証明しているのかもしれません。
しかし、この2つの側面からの目標設定ということを知った今、目標達成に近づけたような気がしています。
そして、原田メソッドである「オープンウィンドウ64」に取り組めば、目標達成をより具体的に描くことが可能です。
オープンウインドウ64については、本書に詳しく解説されていますので、一読されることをお勧めします。