「普通の主婦が東大大学院に合格して自分の人生を見つけた超勉強法」(ただっち 著)を読んだ感想
なかなか勉強できない
大人になって勉強をやり直したい、と考える方は大勢いらっしゃるはずです。
私もそう思っています。
しかし、大人になってからの勉強というのは、かなり高いハードルがあるように感じるものです。
勉強を始め、目標を達成した自分を想像してみてください。なんだかワクワクしてきますよね。けれども、大人になってから勉強を始めるというのは、学生の頃と違って様々な障壁があります。お金、家族、仕事、時間、自分の性格、考えれば考えるほど「できない理由」が頭に浮かんできて、諦めモードに入ってしまい、結局行動にうつさずじまい。これが普通の大人だと思います。
仕事や家事をしていると、学生と違って疲れがかなり溜まってしまうことで、何もしたくない、という気持ちになってしまいますよね。
ストレス、お金など学生自体には考える必要があまりないことも、真剣に考えなければならないため、勉強できないということもあるでしょう。
そのような一般的な社会人にとっては、仕事もバリバリこなして、いつも勉強したり読書をしている、というようなスーパーマン、スーパーウーマンのノウハウというのはあまり役に立たないということになります。
そうではなくて、日ごろは仕事に追われて時間がなくて、休日はグータラしていて勉強しない、というような一般的な社会人と考えられる人が、一念発起して勉強を始めた方法、というような内容が役に立つはず。
と思って本を探していると、本書「普通の主婦が東大大学院に合格して自分の人生を見つけた超勉強法」を見つけたのでした。
著者であるただっちさんは、アラサーの主婦で、漫画やイラストを描く仕事をされているようです。
ある意味情報発信の仕事をされているわけですが、東大大学院に進もうと決意された理由は「人に何かを伝えたいから」だそうです。
すでに漫画やイラストを描いているということは、伝える仕事をされているわけですが、こう書かれています。
けれども、私より絵や文章が上手い人は数えきれないくらいたくさんいますし、私自身に何か特別な能力があるわけではありません。何かを机ても、誰にも見てもらえなければ意味がありません。
だったり、いっそのこと「研究者」になって、何か人々の役に立つような研究をして自分で発信していこう、と思ったのです。
そして、どうせなら日本で一番の環境で、最高の教授に指導してもらおうと、東大大学院に進学を決意されたそうです。
そして、その決意をされたのが東大大学院受験の3か月前だったということで、如何に短い期間で準備されたのか、ということが気になるところでした。
如何に勉強をするか
3か月という短い準備期間でどのような準備をされたのか、いやそもそも頭が良いのではないか、とかいろんなことを考えました。
しかし、著者のただっちさんは、本を買っても途中で読むのをやめてしまうし、加齢による記憶力の低下を感じていたということで、勉強は自分には向いていないと、負のレッテルを貼っていたそうです。
ここを見ると、一般的な社会人が感じる気持ちを、しっかりと感じていらっしゃったということで、共感が持てる気がしますよね。
そして、こう書かれています。
勉強は自分には向いていないと、負のレッテルを貼っていました。
しかし、それはただの勘違いでした。
単に、「勉強の方法」を知らないだけだったのです。
勉強の内容自体は、いろんなところ、塾や予備校などで教えてもらうことができるのですが、如何に勉強していくか、というところはあまり教えてもらえないものです。
ですから、多くの人がどう勉強するかという「勉強の方法」を知らない、という状況の中でいかに勉強を進めていくか、ということが書かれている本書は、多くの方が参考にできるのではないかと思います。
計画の立て方
勉強を進めていく、特に効率的に勉強を進めていくためには、やはりいかに計画を立てて進めるか、ということが重要なわけですが、ここにも落とし穴があります。
それは、計画を立てるときには気分が上がっているために、わくわくしているために、不可能なほどの量を計画に盛り込んでしまうのです。
冷静に見れば無理だよね、というような計画を気分が高揚しているときには作ってしまいます。
小学校の時の夏休みのスケジュールを考えると、同じような経験を誰もがしていると思います。
なんだかワクワクしてきて、なんでも達成できような気さえしてきて、気が付けば一流の学習計画が完成している。
そんな経験は誰でもしているわけですが、その計画がその通りに進んだことなど、ほとんどないでしょう。
私は一度もありません。
私たちはどうやら未来に過剰な期待をしていて、なんでもかなえられるような気がするという性質を持っているようですね。
しかし、数日たつとそれを継続することが困難になってきて、自分に嫌気がさしてしまう。
そしてひどくなると、自分は何をやってもダメだ、というような事故嫌悪感のようなものを持ってしまうのです。
ネガティブな思考を持っていると、勉強にしても仕事にしてもうまくいかない、ということは誰でも知っているのですが、計画に何度も失敗してしまうと、どうしてもネガティブな気持ちになってしまうものです。
ですから、計画を立てるときには、その高揚感はとりあえずおいておいて、これでもかというほどに少ない量の計画を立てるべきなのです。
いわばリハビリのようなものですね。
スポーツを考えてみると、マラソンを走ろうという場合、いきなりフルマラソンを計画したりはしないものです。
1キロから始めたり、場合によってはウォーキングから始めたりするはずです。
それは、勉強においても同じなのですね。
あらゆるものを盛り込んだ計画を立てるのは、いきなりフルマラソンを走るようなものです。
それは絶対に挫折しますので、最初はウォーミングアップ程度の量を計画することが大切です。
加えて、もう一点大事なポイントがあります。それは、目標達成できた自分を思いっきり褒めてあげることです。
少ない計画だからと、自分を褒めないというのは良くないことです。
ネガティブな思考をしないようにするためには、小さなことを達成していくこと、そしてそれを継続していくことです。
そして、いくら小さいことであろうと、達成したことはしっかりと褒めることで、ポジティブな思考を作っていくことができるわけですね。
復習の重要性
そして、復習の重要性についても解説されています。
復習というのは、どうしても新鮮味がかけてしまうために、あまりやりたくないという気持ちがはたらくかもしれません。
しかし、あらゆる試験に言えることは、如何に復習を効率的にやるかが全てだということです。
著者や記憶力が落ちてきていることを感じていたようですが、暗記のコツなども解説してくれていますので、かなり参考になります。
やはり重要なことは、アウトプットをいかに効果的に行うか、なのですが、参考書を使った方法なども解説されているため、昇進試験や資格試験などにも役立つのではないでしょうか。
まとめ
いくつになっても勉強を続けることは重要です。
とはいえ、やみくもに進めていても効率が悪く、できれば効率的な方法で勉強を進めていきたいですよね。
そんな方には、本書はかなり役に立つ内容になっています。
一度勉強から離れた人が書いた本ですので、参考になることがたくさん見つかるはずです。