呼吸が小さいといろんな悪影響が出てくる理由について
呼吸の重要性
日々の生活の中で、自分の呼吸を意識することがあるでしょうか?
ヨガや瞑想法などで呼吸法を知っている方ならば、自分の呼吸に意識を向けることがあるかもしれませんが、普通の方はあまり呼吸を意識したことはないと思います。
呼吸は酸素を取り込むために必要不可欠なものですが、それだけに意識しないでも自動的に行えてしまうことから、わざわざ意識するということがそれほど頻繁には行われないものです。
しかし、酸素を取り込むことができなければ、人はすぐに死んでしまいます。
食べ物や水などは、なくてもすぐに死ぬことはありませんが、呼吸が止まってしまうと、すぐに死んでしまいます。
そこから考えると、呼吸ほど重要なものは他にはない、ということも言えそうです。
外呼吸と内呼吸
呼吸には大きく分けると2つの種類があります。
まずは外呼吸。
一般的に呼吸は、身体が必要としている酸素を取り込んで、不要になった二酸化炭素を排出するものと考えられていますが、これが外呼吸です。
そしてもう一つが内呼吸です。
これは、取り入れた酸素を使ってエネルギーを作り出す意味の呼吸です。
呼吸は吸って吐くという動作でしかありませんが、目的は大きく二つあって、酸素と二酸化炭素を交換すること、そして酸素を使ってエネルギーを生み出すことになります。
呼吸で取り込まれた酸素は、肺から血液のヘモグロビンによって身体の隅々にまで届けられます。
そして、赤血球を除いたすべての細胞には、ミトコンドリアと呼ばれるものがあり、そこでエネルギーが作られます。
ミトコンドリアは、細胞の中にある発電所、エネルギープラントと言える重要な器官です。
その働きは本当に複雑なのですが、難しいことは省いてエネルギーが作られる場所と理解すれば十分でしょう。
そこでは、糖や脂質などの栄養素を燃料として、酸素と水素が反応することで燃焼し、エネルギーを作り出します。
呼吸の重要性
ミトコンドリアは、酸素を使ってエネルギーを作り出すということが分かったところで、呼吸の重要性にも自動的に気が付かれたのではないでしょうか?
酸素を取り込むのは呼吸ですから、如何に呼吸でたくさんの酸素を取り込むか、ということは本当に大切なのです。
人間は平均すると、1日に25000回ほど呼吸をすると言われています。
1回の呼吸で500ミリリットルの空気が入ってくる、と言われているので、1日に吸い込む空気の量は12500リットルくらい空気を吸っているということですね。
かなりたくさんの量だということがわかると思います。
そして、大気には酸素が約20%程度含まれているため、2500リットル前後の酸素を吸い込んでいるということです。
これもまた、かなりたくさんの量ですよね。
それだけの量を吸い込んでいる呼吸ですが、実は効果的に呼吸ができていない可能性が高いのです。
それはなぜかというと、やはり姿勢が悪くなっているからです。
最近の生活を思い浮かべると、頭が前に傾くような姿勢が多くなっているのではないでしょうか?
特にスマホを使っていると、頭が前に倒れてしまっている姿勢を長時間続けることになります。
またデスクワークなどでパソコンを使うと、これまた頭が前に倒れる姿勢になってしまいます。
頭が前に倒れている姿勢は、猫背になってしまうため、肩も前に出てしまっている状況となり、肺が自由に動けるスペースが本当に少なくなってしまうのです。
その結果呼吸が浅くなるわけですが、その量は半分ぐらいまで小さくなると言われています。
半分になるということは、酸素の量が1250リットルになってしまうということですから、当然エネルギーを生み出すミトコンドリアにも酸素があまり届かなくなります。
結果としてエネルギーを生み出すことができなくなってしまって、疲れやすくなってしまったり、病気になりやすくなってしまいます。
呼吸を大きくすることはとても重要なのですが、姿勢が悪いと効果的に呼吸を大きくすることができません。
ですから、姿勢を正すということがとても重要になってきます。
姿勢を正すことができれば、呼吸も大きくなり酸素もたくさん取り込むことができるようになります。
ミトコンドリアを増やす
そして、呼吸を大きくすることと並行して重要になるのは、やはりミトコンドリアを増やすということですね。
ミトコンドリアは、エネルギーを作り出すところですが、それがたくさんあればより多くのエネルギーを作り出すことができるわけですから。
そこでミトコンドリアを増やすためには、何をすればよいのかということになります。
しかし、ミトコンドリアを増やす方法はそれほど難しいことではありません。
金繊維の中にはミトコンドリアがたくさん存在しているのですが、それは筋肉がよりたくさんのエネルギーを必要とするからです。
ですから、運動することで筋肉を鍛えることで、ミトコンドリアを増やすことができるのです。
お勧めの運動は有酸素運動です。
筋トレももちろん良いのですが、ミトコンドリアを増やすという観点から言うと、有酸素運動の方が良い、ということになります。
筋肉には赤い筋肉である「遅筋」と、白い筋肉である「速筋」があります。
遅筋が赤いのは、ミトコンドリアやミオグロビンというものがたくさん含まれているからです。
ミトコンドリアにはチトクロームと呼ばれる赤い色素が多く含まれており、ミオグロビンは鉄分を含んでいるため、これまた赤く見えるのです。
遅筋はミトコンドリアが多く含まれているわけですが、酸素を使ってエネルギーを作り出すため、たくさんのエネルギーを作ることができるのですが、収縮運動に時間がかかってしまいます。
そのため遅筋と呼ばれるのです。
逆に白い筋肉である速筋は、酸素を使わないで糖からエネルギーを作り出して素早く反応することができますが、酸素を使わないためエネルギーの量も少なく、長続きもしません。
そのため速筋と呼ばれるのですね。
瞬発力を必要とするウェイトリフティングなどは、速筋が鍛えられるのに対し、持久力を必要とする有酸素運動は遅筋を鍛えることができる、と言われています。
つまり、ミトコンドリアを増やしたいという場合は、遅筋を鍛えるのが効果的であり、それは有酸素運動だということですね。
インナーマッスルにも、たくさんの遅筋があるのですが、インナーマッスルを鍛えるためには、正しい姿勢をキープすることでも鍛えることができます。
つまり、正しい姿勢を維持することは、呼吸を大きくすることができるとともに、ミトコンドリアを増やすことができるという、ものすごいメソッドということになりますね。
まとめ
呼吸を大きくすることは、集中力や記憶力を高くするために重要なことですが、それには姿勢を正すことがまずは第一歩ということになりそうですね。
それによって、体内のエネルギーを作る場所であるミトコンドリアも増えていくことになりますので、日ごろのパフォーマンスを向上させることが可能になります。
エネルギー不足では、集中力も途切れがちになりますし、パフォーマンスも向上しようがありません。
どんなことでも構いませんが、何か目標を達成したいと思うのであれば、まずは姿勢を正して呼吸を大きくして、ミトコンドリアを増やすことから始めることです。
お金もかからず、誰にでも取り組めることですので、ぜひ今から取り組んでいただきたいですね。