より効率よくスキルを習得するためにはインターリービング学習
勉強などの効率を高くしたい
仕事や勉強においては、集中力を高めるということがとても大切なことは異論がないと思います。
どうも集中力が続かない、注意力散漫だという場合は、集中力を高めるような工夫が必要になります。
そうすることで日ごろのパフォーマンスを高めることができるからですね。
しかし、集中力を高めようとして、同じことをずっと続けている場合は、効果が低くなります。
集中力が高い状況というのを維持しつつも、その集中力を効果的に使うためには、インターリービング学習という方法で物事に取り組む必要があります。
インターリービング学習の「インターリービング」は「インターリーブ」と呼ばれることもありますが、多くの場合はインターリービングと呼ばれることが多いようです。
今までの一般的な学習方法
インターリービング学習について考える前に、今までの学習法について少し見ておきたいと思います。
勉強しているときや、スポーツの練習をしているとき、仕事をしているときなどには、何か一つのことをある程度行ってから、次のことに取り組もうとするのが今までの学習法だと思います。
英語の学習を考えてみると、単語をある程度覚えて、それから文法に取り組み、そこから英文の読解を始めて、リスニングを行う、というような感じである程度集中してそのことを学ぼうとするのが普通だったと思います。
これをインターリービングとは逆の勉強法や練習法ということで、ブロック学習、ブロック練習と呼ばれます。
今まではブロック学習のような方法が王道として考えられていたのですが、実はこれは効率が悪いということが分かってきています。
効率的に学ぶためには、インターリービング学習を行わなければならない、ということが研究によって報告されています。
インターリービング学習とは
では、インターリービング学習とはどのように行うのかというと、英語の場合でいうと1日の中で英単語→文法→リスニングなどのように、1回の勉強や練習の中に複数のスキルを交互に学べるようにスケジュールするのです。
インターリービングの効果が確認された研究としては、南フロリダ大学の実験があります。
この実験では126人の学生を対象に、ピタゴラスの定理を用いて解くことのできる数学の問題12問を解いてもらうのですが、その結果を調べたものです。
実験参加者は2つのグループに分けられ、問題に取り組む前に、問題を解くための解法を学びます。
1つのグループは、1つの方程式の使い方をマスターしたら次に進むというブロック学習を行いました。
そしてもう一方のグループは、1回の授業で様々な方程式の使い方を学ぶという、インターリービング学習を行いました。
そして、問題を解く機会は2回与えられ、翌日にテストされたのと、1か月後にもう一度テストされました。
その結果は、インターリービング学習を行ったグループは、翌日のテストでは25パーセントも高い成績だった上に、1か月後のテストでは、インターリービングのグループは、そうでないグループよりも倍近い成績を取りました。
つまり、インターリービング学習が圧勝しているのですね。
インターリービングはあらゆる分野で利用できる
これだけ効果が高いインターリービング学習ですが、勉強にしか使えないのかというとそうではありません。
ブロックに分けることができるものであれば、応用して利用することが可能です。
スポーツの練習などにも使うことができますよ。
良く例として出されるのは野球の練習です。
例えば投球練習でストレート、カーブ、スプリットと言った球種でインターリービングを作って練習することができます。
バッティングも同じですね。
素振り、ティバッティング、フリーバッティングなどを交互に行っていくことで、インターリービング練習が可能です。
そのほかのスポーツも、どんどんインターリービング練習を取り入れていくことで、より高い練習効果を実感できるのではないかと思います。
ちなみに、脂肪燃焼でよく言われるHIITというトレーニングは、高強度インターバルトレーニングのことです。
インターバルトレーニングとは、高負荷の運動と低負荷の運動を交互に入れることですが、それをさらに負荷を強くしたものです。
高負荷の運動と、低負荷の運動を繰り返すことで、より脂肪燃焼を効率的に行うことができる、ということでこれもインターリービングの効果と言えるのかもしれません。
HIITに関しては、厳密なことはわかりませんで、私個人の意見であるということを添えておきます。
仕事にも応用したい
これだけ効果が高いインターリービング学習ですので、できれば仕事にもどんどん活用していきたいですよね。
仕事によっては、ブロックに分割できるものがあると思いますので、それを交互に行うようにすることで、より仕事を効率的に行うことができるはずです。
仕事内容については、いろんなものがありすぎるために、これといった方法を示すことができないのですが、個人個人でインターリービングが使えるところを探して、どんどん活用していくことで、より仕事もスムーズになっていくのではないかと思います。
まとめ
インターリービング学習や練習を取り入れないと、かなり損だということが分かったのではないでしょうか?
方法としては難しくないと思いますので、今からでも取り入れていただきたいです。
しかし、一定の時間にたくさんのことを詰め込みすぎると、取り組む時間も短くなって効果がなくなってしまう可能性があります。
そのため、3つ程度のことを作って取り組む、というのが良いようです。
こんな簡単なことで効果が圧倒的に変わるのですから、人間の脳や身体というのは不思議ですね。