JR西日本が10月からダイヤ改正で本数削減することについて
JR西日本が経費削減?
JR西日本はダイヤの改正は通常春に行うのですが、前倒しで2021年10月から普通電車127本を削減すると発表しました。
127本というとかなりの本数が削減される気がしますが、JR西日本はかなり広い地域になりますので、一か所だけ集中的に減らすというわけではないです。
利用者が少ない昼間の時間帯が中心であり、近畿エリアの京都線や神戸線などの6線区から60本、西日本エリアの67本を削減するとのことです。
JR西日本が考えるのは、新型コロナウイルスが終息しても利用状況が以前の9割程度しか戻らないだろうということです。
そうなると当然経費削減を行う必要が出てくるわけで、本数削減も当然と言えば当然ですね。
公共交通機関ですので、周辺の自治体や関係機関などと密接に連絡を取りながら、最適な状況を作り出す必要があるため大変です。
自治体としては、新型コロナ終息後には経済の活力を取り戻すために、JR西日本は通常の本数を保ってもらいたいという要望書を提出しています。
その気持ちも十分にわかるのですが、JR西日本も赤字を垂れ流すわけにはいきません。
JR西日本の2020年度の連結決算は約2400億円の赤字となっていて、経費削減が急務になっている状況です。
この状況はJR西日本だけではなく、鉄道各社が同じような苦しい状況に置かれています。
利用者が戻らない理由
新型コロナウイルスが流行していることによって、ステイホームが求められ、人との接触を減らす政策を国や地方自治体が行っているのですから、鉄道の利用者が減るのは当たり前です。
そして利用者が戻らないその他の理由としては新型コロナウイルスの流行によって、在宅ワークが増えていることが一因ということは明らかですよね。
政府が在宅ワークを推進している状況ですから、当然在宅ワークが増えて電車を利用する人が減っているわけです。
そして、在宅ワークで十分に会社を経営していくことができる、ということが分かった今では新型コロナウイルスが終息した後も、引き続き在宅ワークを続けるでしょう。
在宅ワークを増やすことで、オフィスを借りる必要もなくなりますから、家賃の支払いも減りますし、社員に交通費の支払いもしなくてもよくなりますから当然の選択です。
その状況を考えると、JR西日本の判断も致し方なしと言わざるを得ないでしょう。
新型コロナウイルスが終息するか?
そもそも新型コロナウイルスが終息するかという問題もあります。
誰もが終息することを望んでいるのはもちろんですが、首都圏の感染者数がまた急速に増え始めています。
その状況では、まだしばらく終息しないのではないか、という感じもしてきますよね。
そのような状況では、やはり本数削減をして経費削減をしなければ、JR西日本自体を維持することができない、ということもあり得るかもしれません。
ワクチンの効果もあり、少しずつ元に戻ることを期待しつつも、企業を経営するためには最悪の状況でも盤石の経営を行う必要があります。
終息すれば収益回復するのでは?
私の個人的な感想ですが、新型コロナウイルスが終息すれば、JR西日本の収益はかなり急速に回復するのではないかと考えています。
その理由は、ステイホームでストレスを抱えて生活している人たちが、ストレス解消のために一気に旅行に行くのではないかと考えているからです。
国内海外問わず、たくさんの人が旅行を楽しもうとすると、JR西日本の利用客も激増するかもしれません。
航空業界を見てみると、アメリカの航空業界の決算がかなり好調であり、それはワクチンの効果により多くの人が国内旅行に出かけようとしたからです。
アメリカは広いので飛行機がとても重要ですが、日本で同じような状況になった場合は、おそらく鉄道を利用する人が増えるでしょう。
そうなれば、JR西日本のダイヤも元に戻るのではないでしょうか。
まとめ
JR西日本の本数削減については、不便になる部分はあるにしても理解すべきところが多々あるように思います。
新型コロナがいつ終息するかは、今でも全く分かりませんが、終息すれば活気を取り戻す希望もあります。
ステイホームを続けた人が、新型コロナウイルスが終息した後も家に引きこもるとは考えづらく、旅行に行く人は確実に増えることは簡単に予想できますよね。
逆に在宅ワークについては、そのまま維持される可能性が高いので、如何に経営していくかということが重要になりそうです。
そのような状況を総合的に判断して、投資すべきかどうかを考えていくこともできます。
もちろん投資は自己責任ですので、旅行客が増えるだろうという予測だけで投資することはしないで、財務状況などあらゆる側面を考慮して決めていく必要があります。