読書好きけんの雑記ブログ(ヘルシー志向強め)

日々思いついたことをシェアしたいと思っています。読書で得た知識も備忘録を兼ねて、わかりやすく感想をアップしようと考えています。

遺伝子と老化について

遺伝子の「老化スイッチ」が入るとどうなるのか?

 woman wearing eyeglasses

 

遺伝子の働きは変わってくることは、以前にご説明しておりますので、ご理解いただいていると思います。

 

少しだけ解説したいと思います。

 

例えば、「親が太っているからオレも太った」と、体型の責任を親になすりつけている方いらっしゃいませんか?


実際に、親譲りの遺伝子による体型への影響はどのくらいだと思いますか?

 

じつは、いろんな研究がありますが、多く見積もったとしても、3割にすぎないのです。

 

10%という研究結果もたくさん発表されていますが、ここでは多く見積もっての数値をご紹介しました。

 

初めてこの話を聞いた方は、ちょっと驚きではないでしょうか?

 

では、残りの7割はいったい何なのか気になりますよね。

 

それは生活習慣によって決まっているのです。

 

つまり、アンチエイジングは生活環境に依存するということになります。

 

かんたんにいうと、「その人の心がけしだい」という部分がかなりあるということです。

 

精神論ではなく、科学的なお話ですよ。

 

遺伝子と老化について

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1つの細胞には、遺伝子が4万~5万個あると言われています。

 

しかし、それらの5万の遺伝子にすべてスイッチが入り、働いているというわけではないのです。

 

遺伝子にもいろんなものがあり、若いときに働く遺伝子もあれば、若い頃は休んでいて高齢になってから働き出す遺伝子もあります。

 

遺伝子の働きにも電気の配線基盤のように「オン/オフ」があって、働き方のパターンが、若い人と高齢者とでは違います。

 

遺伝子ごとに「若者パターン」と「老化パターン」があり、老化のスイッチが入ると、「老化パターン」になってしまいます。

 

ですから、アンチエイジングとは「いかに遺伝子の若者パターンを保つか」ということが重要になってきます。

 

老化パターンのスイッチをできれば、永遠にオフにして若者スイッチだけのスイッチを入れておきたい、というのがアンチエイジングのテーマということになります。

 

なぜ遺伝子のオンオフがあるのか?

 

いろんな研究によれば、遺伝子が働いたり働かなかったりするのは、体をそのときの生活に合った状態にするため、と考えられています。

 

たとえば、オタマジャクシがカエルになるときには、どのようなことが起こるでしょうか?

 

 

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そう、しっぽが切れますよね。

 

オタマジャクシのしっぽが切れるときには、コラゲナーゼというしっぽを切るための遺伝子が 発現(スイッチがオン)します。

 

そのときは、コラゲナーゼを産生するコラーゲン合成酵素をつくる遺伝子が発現します。

 

このように、生活に必要なときに発現するようにできているわけです。

 

カエルになって、水の中だけではなく、地面を歩くようになったときに、長いしっぽがあるのは困るため、遺伝子が発現するのです。

 

コラーゲン

 

さて、ここで先ほど出てきたコラーゲンについて考えてみましょう。

 

コラーゲンは肌を若々しく保つタンパク質です。

 

若いときには、このコラーゲンがどんどんつくられます。

 

しかし高齢になってくると、コラーゲンを壊す酵素であるコラーゲン分解酵素の遺伝子のほうが発現しやすくなってしまいます。

 

その結果、コラーゲンはどんどん壊れていきます。


肌は、「古い細胞が壊れ、新しい細胞ができる」というバランスで保たれています。

 

新陳代謝で古い細胞が垢となって脱落するサイクルは、若いうちは頻繁に起こります。

 

だから、フレッシュな肌がキープできるのですが、加齢とともに新陳代謝がにぶると、古くて質の悪い細胞が生き残ってしまいます。

 

その細胞も、やがて垢となって脱落しますが、歳を重ねると細胞のでき方が遅くなって きて、壊すほうが盛んになってくる現象が起きるため、肌の質は悪くなっていきます。

 

皺やシミ、たるみなどが気になるのは、遺伝子による老化パターンの現象です。

 

「痛い!」「かゆい!」も老化?

 

痛みについても、高齢になると遺伝子のスイッチが入ります。

 

たとえば、神経痛や関節痛を起こしやすくなります。

 

一日中、体のどこかが痛いと訴えている高齢の方を見たことはありませんか?

 

遺伝子の老化パターンによって、関節の痛み、筋肉の痛み、神経痛といった変化も出やすくなってきているからなのですが、それは高齢者になると、痛みを感じるシステムに関係する遺伝子が働き出すからなのです。

 

まず老化により、局所で炎症を起こしやすくなります。

 

これは、炎症に関係する遺伝子があって、 それが高齢になると発現して増えてくるからです。

 

炎症を起こせば、その炎症によって痛みを引き起こす物質が生まれ、それを神経がキャッチして「痛み」と感じます。

 

炎症の遺伝子が発現して、炎症たたくさんの場所で起これば、当然痛みをたくさん感じるようになります。

 

 


皮膚のかゆみも同様です。

 

老化パターンが活性化すると、少しでも肌が乾燥してくると、「かゆみ」として感じやすくなります。

 

高齢者になると、皮膚の水分量が減ってくるのですが、それとともにかゆみを感じるところが 増えてきて、そのような場所で少しでも炎症が起こると、痛みや痛がゆいという症状を訴えます。

 

年齢を重ねるほど、人はへこみやすくなる

man sitting on sofa against wall

 

ストレスに対する反応も若い人のほうが強くて、中高年になってくると徐々にストレス弱くなっていきます。

 

つまり、高齢になればなるほど、強いストレスにさらされることは危険なことなのです。

 

たとえば、社内で上司が部下に対して激しく怒られているとします。

 

何かミスをしたのでしょうね。

 

その場合、40歳の上司が30歳の部下に怒っている場合には、それほど大きな問題ではありません。

(ここではパワハラなどはないものとします。もちろんパワハラなど論外です)。

 

しかし、叱られる側の部下が30歳くらいではなく、60歳ぐらいの場合だとどうなるでしょうか?

 

60歳ぐらいの方は、ものすごく大きなダメージを受けます。

 

理由は、人は年齢を重ねるとストレスに弱くなるからです。


このため、若い人を叱るような感覚で60歳ぐらいの社員を叱ると、その社員は思いがけないほどの大きなストレスを受け、なかなか立ち直れないことがあります。

 

若い頃であれば、叱られてもすぐにケロッと立ち直れたのに、それができなくなります。

 

「いや、それは違うでしょ。ストレス耐性なんて医学的な問題ではなく、たんにプライドが傷つけられたことが原因ではないですか?」

 

そう考える方も多いでしょう。

 

しかし、違うのです。それは遺伝子のオン/オフの影響なのです。

 

年齢によって、少しずつストレスに対して弱くなっていくのは、ストレス応答に関係する遺伝子の発現が変わってくるのが一番大きな原因です。

 

それもたった1つの遺伝子が変わるだけではなく、たくさんの遺伝子が変わるので、へこみも 強く出てくるのです。

 

年齢が高い方を起こる、指導するときには、若い方と同じような方法で行ってはいけないということになります。

 

もちろん目上の方への尊敬をもって、指導を行うという姿勢があれば、そんなことは起こらないかもしれませんが。

 

まとめ

 

老化パターンの遺伝子が引き起こす不都合は、これだけではなく、ほかにもたくさんあります。

 

アンチエイジングを行う理由は、若々しくいつまでもいたいということもありますが、これらの不利益を起こさないためでもあります。

 

遺伝子のスイッチのオンオフは、環境によって違ってくるということは、老化パターンのスイッチを入れるような環境に身を置かないことがとても重要です。