仮想通貨の取引は投資ではなく投機
仮想通貨が熱い?
仮想通貨の取引が益々ヒートアップしているようです。
バブルだと言っている人も多いようですが、バブルなのかどうかもよくわからないというのが現状だと私は思います。
仮想通貨にもいろんな種類があるようで、世界中に3000種類以上の仮想通貨があるようです。
有名なのは、次の3つでしょうか。
多くの方がこの3つの取引を行っているようです。
私は、仮想通貨を取引することは、投資ではなく投機だと考えています。
投資と投機なんて同じなのではないか、と考える方もいらっしゃるかもしれませんが、実は違うものです。
買おうとしている資産の将来の利益ではなく、価格変動に注目しているならば、それは投機です。それも間違いではありません。ただ、私は自分が投機で成功できないことはわかっていますし、投機で成功し続けることができると主張する人は信用できません。コイン投げでも、半分の人が一回目は当たります。しかし、その中に、その先も勝ち続けることが期待できる人は1人もいません。また、検討している資産が最近値上がりしたという事実は、買う理由にはなりえません。
(バフェットからの手紙 第4版 167ページ)
私は、ウォーレン・バフェットの投資方法が素晴らしいと考えているのですが、そのバフェットが価格変動に注目することは投機だと言っています。
仮想通貨に関しては、それを裏付ける価値がわからないため、価格変動だけを追いかけることになり、それは投機ということになります。
それ自体は間違いではない、ということも述べていますし、価格変動だけで株式や通貨を取引して成功している方もいるため、自信がある方はそれを行えばよいのだと思います。
私自身は、価格変動だけで取引すると失敗することがわかっています。
価格変動だけで取引した場合、価格の動きが常に気になるために、業務時間であろうと休憩時間であろうと、常に取引しているものの価格をチェックしてしまうからです。
そして、少しの変動で売ってしまったり、買ってしまったりを繰り返した結果、孫だけが膨らんでいく、という結果が見えているのです。
なぜ価格変動だけに注目すると失敗する?
先ほど私は価格変動だけでは失敗するタイプの人間だとお話ししました。
その理由は、先ほど少しお話ししていますが、もちろん理由はそれだけではありません。
最大の理由は、価値が計算できないと、どこまでそのポジションを持ち続けるべきかがわからないからです。
ある企業の株式の妥当な金額が100円だと計算したとしましょう。
そして今現在の株価が10円だったとしたら、そこでその株式を購入して、100円になるまで保有すればよいだけです。
ですから、そこに達するまでの価格変動は無視してしまえばよいということになります。
この投資であれば、保有している時間は何もしなくてもよいため、仕事をしている人は集中できますし、リラックスすべき時にはしっかりとリラックスできます。
重要なのは価格ではなく、価値であるということを、多くの偉大な投資家が話していますが、それはこのことを言っているのですね。
しかし、価値を正確に計算できる必要がありますので、それがわかるまで徹底的に調べます。
それは、ジム・ロジャーズも話しています。
そしてバフェットも次のように話しています。
マンガーと私が株を買うときは、会社の一部分を所有するつもりで買い、会社ごと買う場合と同じような分析を行います。まず、その会社の5年後以降のおおよその利益を無理なく予想できるかどうかを考えます。もしそれができて、価格が予想利益の下限と比較して妥当ならば、その株(または会社)を買います。しかし、もし将来の予想ができなければ(その場合が多い)、次の候補に移ります。マンガーと働き始めて54年がたちますが、魅力的な買い物をマクロ経済や政治状況や他人の見方に影響されて、見送ったことは1回もありません。実際の判断を下すときに、このようなことが話題になったことすらありません。
(バフェットからの手紙 第4版 171ページ)
会社、企業が将来にわたって利益を生み続けるかどうか、ということが重要であり、そこから株式の価値を計算していく、ということですね。
投資を決める際には、その企業の価値だけを考えているようで、マクロ経済や他人の考えなどは参考にしないということも重要です。
これはつまり、日経平均がどう動くとか、景気判断がどのようになるか、というようなことは判断に含まない、ということですね。
価格変動ではなく、その企業が持つ価値について徹底的に調べて、妥当な金額で変えるのであれば投資を行う、ということが徹底されているのです。
偉大な投資家の心理
ここから、偉大な投資家がどのような心理で投資を行うのか、ということを考えてみたいと思います。
とはいっても、非常に簡単なことです。
一般的な投資家というのは価格が下がると青ざめてしまいますが、偉大な投資家は価格が下がると笑みがこぼれるということです。
価格が下がるということは、投資のタイミングがたくさんあるということになりますね。
なぜなら、企業の本当の価値よりも下がっている株が、市場のそこかしこに存在するようになるからです。
ですから、暴落時には偉大な投資家はどんどん投資を行って、市場が回復するのを待つだけという状況を作り出すのです。
偉大な投資家というのは、他の人とは違った考え方で行動しているということがここからわかります。
仮想通貨取引について
仮想通貨取引については、価格の変動だけが材料ですので、投資ということができず、投機と考えるしかないものです。
仮想通貨の価格を決めるものは、その根拠となる価値が決めるのではなく、取引を行っている人々が決めるものです。
つまり、買う人が多ければ値段が上がり、売る人が多ければ値段が下がる。
そのような状況で取引できる、という自信がある場合は取引することも選択肢に入ると思います。
本当かどうかは定かではありませんが、有名な投資家である、スタンレー・ドラッケンミラーや、ポール・チューダー・ジョーンズが、仮想通貨取引を行っているという報道もありました。
まとめ
仮想通貨に限らず、投資や投機はすべて自己責任ですので、何を取引すべきかということも自分で決める必要があります。
私はバリュー投資やグロース投資のように、明確な基準を自分で設定できるような取引が良いと考えていますので、仮想通貨には手が出せません。
いつか仮想通貨の裏付けとなるものがわかり、しっかりと価値が計算できる状況になったときに、投資すべきかを考えたいと思います。