読書好きけんの雑記ブログ(ヘルシー志向強め)

日々思いついたことをシェアしたいと思っています。読書で得た知識も備忘録を兼ねて、わかりやすく感想をアップしようと考えています。

アメリカで議論されるテーパリングについて

各国の量的緩和の影響

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新型コロナウイルスに対応するために、各国では量的緩和を進めてきています。

 

量的緩和は、簡単に言ってしまえばお金をたくさん印刷して市場に供給することですので、お金の価値が下がることになります。

 

たくさんお金が市場にあれば、それが私たちのところに流れてきて、それを使うことで経済を刺激してさらに経済が成長するようになる。

 

それはとてもありがたい効果なのですが、それに合わせて悪影響はないのでしょうか?

 

量的緩和の悪影響は、やはりインフレです。

 

お金の価値が下がるということは、逆に物の価値が上がるということであり、買い物をするときにはよりたくさんのお金が必要になります。

 

これはすべての物に当てはまることであり、私たちが絶対に買わなければならない食料品もそうですし、住宅価格も上がることになります。

 

この2つの値上がりは、全世界で共通して大変な問題であり、革命や暴動が起こるのはこの2つの価格が上がった時だと言われています。

 

日本の歴史を見ても、やはり米の価格などが上がった時に暴動が起きていることがありますよね。

 

政府の税率の引き上げなどにも暴動が起こることがありますが、それはやはり日々の生活が苦しくなることが原因であり、根本は同じなのかもしれません。

 

量的緩和は素晴らしい効果がある一方で、如何にインフレを抑えて、物価の上昇を緩やかにするか、ということがとても大切なわけです。

 

そこで各国がインフレ目標を年2%程度にしているわけですが、新型コロナの影響でなりふり構っていられない状況で、量的緩和もなりふり構わず行ってきている状況です。

 

各国で行われている量的緩和で、インフレ率が2%を超えるようなところも出てきているようです。

 

経済成長のためには、緩やかなインフレが良いとされていて、その理由は値上げによって企業が利益を増やすことができ、それが人々の給料に反映されるからです。

 

そして、その緩やかな、マイルドなインフレというのが2%程度だと言われているのです。

 

つまり、2%以上のインフレ率になると、マイルドなインフレではなくなってしまって、経済に悪影響を与える可能性が出てくるため対策が必要になります。

 

テーパリングが行われる

 

量的緩和は永遠に同規模で続けることができない、ということは私たちの生活を考えるとよくわかりますよね。

 

給料の上昇はそれほどでもないのに、物価だけがどんどん上がっていく、という状況は迷惑以外の何物でもありません。

 

ですから、量的緩和も最適の場所で終わりにするということが重要です。

 

量的緩和を縮小していくことを「テーパリング」と呼びます。

 

テーパリングとは「tapering」という英語がそのまま日本語になっているもので、「taper」が先細り、という意味ですから、量的緩和を先細りさせていく、つまり縮小していくということになります。

 

アメリカのインフレ率が上昇

 

アメリカではインフレ率が予想よりも速いスピードで上がっていることが発表されています。

 

米連邦準備制度理事会FRB)のパウエル議長は14日に、下院金融委員会の公聴会で金融政策に関する半期に一度の証言を行っています。

 

そこでは、インフレ率が予想より速いペースで上昇していることを認める一方で、米経済への積極的な支援策を縮小するのは時期尚早と述べています。

 

アメリカでは現在、米金融当局による月額1200億ドル(約13兆円)の米国債住宅ローン担保証券MBS)購入と事実上のゼロ金利政策をとっています。

 

パウエル議長は、このインフレを一時的なものだと予想しているようですが、さらにインフレが持続して2%目標を著しく上回る場合には対応すると述べています。

 

そして多くの人が、年内にアメリカがテーパリングを開始するのではないか、と予測するようになっているのです。

 

アメリカのテーパリングに多くの方が注目するのは、その影響がアメリカの株式市場に影響するからです。

 

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テーパリングで資金供給が少なくなると、お金の価値は上がっていくことになり、その結果、株価が下落することになるからです。

 

株価は物ですから、インフレで上昇していく性質がありますので、テーパリングではその逆が起こると考えられるわけです。

 

アメリカの市場は世界に大きな影響を与えるものであり、その動きに誰もが注目するわけですが、とりわけFRBの発現には注目が集まることになります。

 

まとめ

 

すでにテーパリングを始めたと報告している国もあります。

 

日本ではまだテーパリングを始める段階ではなく、物価も0%に近いところで推移していると言われるため、量的緩和の継続を日銀の金融政策決定会合で発表されています。

 

しかし、アメリカの影響は日本にも当然ありますので、FRBの発現には注意が必要ですね。

 

株式相場が大きく動揺したとしても、正しく行動することが大切です。

 

そして、その動揺の原因を理解していれば、慌てることなく行動することができますね。