海運業の各社が決算を上方修正している理由とは?
海運業が好調
海運業に異変が起こっているようです。
どんな異変かというと、海運業を営む企業はかなり利益を伸ばしているのです。
海運業とは、簡単に言えば船に積み荷、コンテナを積んでいろんな国に荷物を運んでいく仕事です。
利益が出ているということは、おそらく積荷が増えてたくさん運ぶ必要が出てきたから利益を出すことができているのだろうと思いきやそうではないようです。
海運業の利益はどこから?
海運業は様々なことで利益を上げているのですが、やはり一番大きな割合を占めるのは、積荷を運ぶときの運賃です。
コンテナをこれだけの運賃で運びますよ、ということでコンテナを受け取って運んで運賃で利益を上げるわけですね。
海運業の利益が伸びているのは、この運賃が値上がりしているからです。
ではなぜ運賃が値上がりしているのでしょうか?
新型コロナウイルスの影響
利益を出すことができている理由は、新型コロナウイルスの流行が原因のようです。
コンテナを運ぶ海運業と新型コロナウイルスには、あまり関係を見出すことができない、と考えてしまいますよね。
実は大きな関係があったわけですが、それは以下のような理由からです。
新型コロナウイルスによって、各国で起こったことはロックダウンでした。
ロックダウンが行われると、やはり港の機能も制限されてしまうことになります。
港はいろんな国から物資や人が入ってくるわけですから、やはり厳重なチェック体制が必要になりますよね。
さらにロックダウンによって、港の職員も少なくなっている状況で、コンテナが運ばれてくることから、たくさんのコンテナが処理しきれずに溜まってしまうことになります。
また、港自体がロックダウンによって機能を停止しているところも出てくることによって、その近くの港に船を移動させることになるわけですが、そこでたくさんの船が一つの港に集まることになります。
その結果コンテナの処理のスピードが遅くなってしまって、コンテナ不足が加速してしまうことになります。
さらにコンテナは、港に置いておくだけでは意味がなくて、トラックなどで運ばれなければならないわけですが、ロックダウンでトラックで運ぶ人も少なくなってしまうことから、処理できないコンテナがどんどん港に積みあがります。
このように様々な要因が複合的に重なって、海運業を営むコンテナ船が各国の港に停留してしまうことになり、コンテナが足りない、という状況を生み出してしまったわけです。
コンテナが足りない、ということが何を意味するのかはすぐに理解できますよね。
物流はAmazonなどインターネットによって活発になっているため、世界中でやり取りがされるようになっています。
そのため、物資を運ぶコンテナは以前にもまして必要になってきているわけですが、そのコンテナが足りない状況を生み出してしまっているわけです。
足りないコンテナを使いたい、という人が多いわけですから、運賃が上がっていくことになります。
コロナ以前と比べてなんと運賃は4倍にもなっているようです。
この結果、海運業は以前とはそれほど変わらない量のコンテナを運んでいるのですが、運賃の値上がりによって決算で上方修正を連発しているのです。
株価にも影響している
海運業の好調さは当然ですが、株価にもしっかりと反映されています。
海運業の株価は軒並み上昇している状況ですので、新型コロナウイルスの流行から何が起こるのかしっかりと予想できた方は、かなり利益を出すことができたのではないかと思います。
やはり投資というのは、世の中がいかに変化していくかということをしっかり理解しつつ割安な企業を探すということがとても重要になります。
割安な企業を探すことは重要なのですが、さらに株価を押し上げる原因となるものを予測することも同時にとても重要です。
株価を押し上げる原因となることをカタリストと呼ぶのですが、カタリストを予測することはかなり難しいものですが、その予測が当たるとかなり嬉しいものですよ。
まとめ
海運業は今現在好決算を発表していて、株価もかなり上昇しています。
ここから海運業に投資すべきかどうかは自己責任ですので、状況をしっかりと分析して決めていただきたいと思います。
コンテナ不足というのは、新型コロナウイルスによって引き起こされたことであり、いつまでもコンテナ不足の状態を続けるとは思えず、コンテナを作る企業も今が稼ぎ時とたくさん作っています。
そのため当然ですが、運賃の値上がりがこのまま続くことは考えづらいです。
もちろん明日から運賃が適正価格に下がる、という休息な下落は考えられませんが、数年後はどうなるかわかりませんね。
将来を見つつ、現状を把握していくことに投資を成功させる秘訣があるのであり、それがまた面白い部分でもあります。