横浜市長選の結果で菅首相はどう行動する?
横浜市議選から考えること
横浜市長選で、菅首相が推していた小此木八郎氏が敗北しました。
立憲民主党が推薦する元横浜市立大学教授の山中竹春氏が当選しましたが、ここから政局がどう変わっていくか、やはり注目が集まっているようです。
敗因として、新型コロナ対策がやはり大きいようです。
普通に考えれば、すべての選挙はその候補者の政策などを元に、自分に合った候補を選ぶべきであり、新型コロナウイルスへの対応については今回の選挙にはあまり関係ないはずです。
しかし、世間は新型コロナウイルスによる外出自粛が続いている状況であり、緊急事態宣言下でもあるということから、それを無視して投票することはできないというのが正直なところでしょう。
そこに菅首相が加わることで、争点が一気に新型コロナウイルスに移ってしまいました。
今のような状況で小此木八郎氏の応援を、菅首相が行った場合は新型コロナウイルスに争点が変わってしまうことは想像できたのではないかと思いますが、菅首相のお膝元である横浜ということで、絶対的な自信があったのかもしれません。
その結果、「ゼロ打ち」で勝負が決してしまったわけです。
ゼロ打ちとは、投票箱が閉まると同時に、メディアが当選者を発表することなのですが、獲得票数を争うことなく敗北が決定してしまうことです。
菅首相の求心力の低下
この敗北は、菅首相の求心力の低下が一つの要因だと考えられます。
現職の林文子氏と菅首相は良好な関係であったと言われていますが、その林氏を見捨ててしまったようです。
小此木八郎氏を菅首相が推したとなれば、自民党は当然小此木氏に投票すると思われますが、実際には自民党支持層の40%しか投票しなかったと言われています。
ちなみに小此木氏と林氏の投票数を合計すると、当選した山中竹春氏を上回っているようなので、菅首相の求心力の低下が露呈してしまったことになりますね。
自民党支持層をまとめ上げる力が無くなっている今、衆議院選挙に影響が出ることを懸念する人たちが増えてきています。
新型コロナウイルス関しては、誰が行っても同じ対策になっていたと思いますが、もう少し国民に説明して、寄り添う姿勢を示した方が良かったのではないかと思います。
私は、菅首相はしっかりと仕事をしていると思いますし、成果もたくさん出していると思っています。
そのような成果は素晴らしいのですが、やはり伝わらなければやっていないと思われてしまいます。
そのため、今のままでは衆議院総選挙を菅首相で戦うことが難しいと考える人が増えていたわけですが、今回の結果を受けてますます増えていくのではないかと危惧されています。
総裁選出馬に変わりない
この敗北を受けて、菅首相はこう述べています。
大変残念な結果だった。市民の皆さんがコロナ問題とか様々な課題についてご判断をされたわけだから謙虚に受け止めたい
そして、総裁選出馬には改めて意欲を示しています。
菅首相がどのような手を打ってくるのか、自民党から新たな動きが出てくるのか、注視する必要があります。
私が気になるのは、二階幹事長と東京都知事の小池百合子氏が会談を行ったという噂です。
国政に復帰するタイミングを話し合ったと言われているようですが、オリンピック・パラリンピックを成功させたことを手土産に、華麗に国政に復帰しようとしているのでしょうか。
しかし、新規感染者数が増加している中で、それはちょっと考えづらいのですが、総裁選に出馬となれば、少々の話題作りにはなりそうです。
自民党支持に対して野党の支持率が圧倒的に低いため、政権交代はおそらくないと思いますが、とにかくこのままでは議席を減らしてしまいます。
増税のない財政政策
私は、自民党をもう一度支持させるためには、増税のない財政出動を発表するべきだと思っています。
日銀と協力して国債を日銀が買い取ることで、増税のない財政出動は十分に可能です。
国民が新型コロナウイルスで経済的な打撃を受けている状況で、そのダメージを抑えることは政府にしかできないことです。
政府、国の借金が国民の収入を上げるということを理解していれば、その政策ができるはずですが、財務省の顔色を窺わなければならない議員が多い中で、それができるかどうかが菅首相の手腕を問われるところではないでしょうか。
まとめ
衆議院は今年の10月に任期を迎えますので、絶対に総選挙が行われます。
その総選挙までは時間が短いわけですが、まだまだ遅すぎるということはないと思います。
私自身は菅首相は、しっかりと仕事をされていると思っていますので、何らかの方法で支持率を回復してもらいたいと思っています。