持ち家か賃貸かに対する世間の考えは鵜吞みにできないかもしれません
持ち家か賃貸かの答えは人それぞれ
持ち家か賃貸かという議論は長く続いていますね。
多くの方が持ち家よりも賃貸の方が良い、という回答をするようです。
しかし、住宅事情というのは個人個人で違いますので、はいこれが唯一の正解ですというものはありません。
賃貸が良いという場合は、賃貸の方が自由度が高いということ、給与事情に合わせて住む場所を変えることができる、というようなことが理由になるでしょうか。
持ち家のデメリットの一番大きな理由は、持ち家は資産ではなく負債であるということでしょう。
これは有名な本「金持ち父さん貧乏父さん」の中で紹介されているため、多くの方が疑問も持たずに納得している節がありますが、持ち家を買うと通常は住宅ローンを組んで毎月返済していきますので、持ち家はお金を生み出すのではなく、お金を奪っていくものだから負債と考えるのです。
持ち家を資産として考えて購入するのであれば、これらの議論は正しいことになります。
持ち家は買った瞬間に価値が下がり始めるわけですから、資産としてはあまりよくないかもしれませんね。
しかし、持ち家を資産として考えることはもちろんですが、それだけを目的として購入するわけではありませんよね。
一番重要な理由は、「住む」ということのはずです。
この理由を考える場合には、持ち家であろうと賃貸であろうと、最大のリスクは「そこに住めなくなる」ということなのです。
このリスクは個別に考える必要がある重要なことです。
持ち家で住めなくなる場合
持ち家で住めなくなるという場合は、自然災害や火災で家が破壊されてしまうこともありますが、一番深刻な問題はやはり住宅ローンが返せないということでしょう。
人生ではいろんなことが起こりますので、給料が一定であるという保証はありません。
新型コロナなど誰も考えなかったようなことも起こります。
その結果給料が減ったりすることも当然あるわけです。
そのような場合は、持ち家に住み続けることができなくなりますね。
ですから、住宅ローンを組む場合には、返済が給与の多くを占めないようにしておく必要があります。
一般的には給料の30%以下を住宅ローンに当てることが良いとされています。
賃貸で住めなくなる場合
賃貸が優れているのは自由に住む場所を決めることができることだと言われます。
しかし、本当に自由に住む場所を決めることができるのでしょうか?
賃貸であれば死ぬまで自由に住む場所を決められる、という考えは少々甘いのかもしれません。
65歳以上になると、賃貸の場合は非常に住む場所を見つけにくくなると言われています。
不動産業者の方に話を聞いてみると、やはり年齢が上がるごとに健康不安が問題になるそうです。
孤独死などのニュースが時々報道されますが、そのような状況になった場合、大家さんとしては原状回復のためにかなりの費用がかかり、通常は100~200万円が必要になると言われています。
そのようなリスクを取りたくないため、高齢の方には不動産を貸したくないわけです。
ですから、年齢が上がっていくと賃貸できる不動産を見つけることが非常に困難になっていきます。
住む場所がなくなる、というリスクは実は賃貸の方が深刻なのかもしれません。
持ち家であれば、それを維持している限り住む場所がなくなることはありませんが、賃貸では年齢が上がると住む場所が見つからない可能性がありますから。
賃貸でずっと行くと決めた場合は、年齢が上がっても問題ないという状況を作るためには、現金を十分にためておく必要があります。
有名人が賃貸を薦めることが多いですが、彼らがそれを進めるのは十分に現金を持っていることが理由でもあります。
一般の私たちはその言葉をうのみにするべきではないかもしれません。
まとめ
持ち家にしろ賃貸にしろ、同じリスクを持っていることはあまり理解されていないようです。
しかし、住む場所がなくなる、ということを考えずに賃貸や持ち家を選ぶと、大変なことになる可能性があることは、人生のできるだけ早いうちに理解しておくべきことではないでしょうか?