ターメリック(ウコン)が脳に与える素晴らしい効果とは?
記憶力をアップさせるために
脳に良いことは、きっと記憶力をアップさせるためにも効果があるのだろうと考えられます。
もちろん記憶力だけではなく、様々なことを向上させてくれる効果があるわけですが、脳と言われると、真っ先に記憶力という言葉が思い浮かびます。
私も、記憶力をアップさせる方法については、いつも興味がありいろんな方法を調べています。
私がそのようなことを調べる理由は非常に邪道なもので、一度読めばすべて記憶できるような記憶力であり、簡単に言えばサボりたいという気持ちからでした。
しかし、いろんな記憶を高めるテクニックのようなものを試しても、当然劇的な変化はなく、地道な努力をしながら勉強や読書をするしか方法がない、ということを身をもって知ることができました。
そういう意味では無駄なことではなかったのかもしれません。
劇的な変化は期待できない、ということはわかりましたが、脳を健康に保つことは記憶力を高めるために重要ですし、痴ほう症やアルツハイマー病を予防するためにも重要なことです。
脳が不健康だと、何も覚えられないということもあり得ますし、病気になる確率もぐっと上がってしまいます。
ですから、テクニック的なことはあまり効果がないとしても、脳を健康に保つということは重要なことであり、そのアプローチは続けるべきだろうと思います。
脳の炎症などを防ぐ
身体の不調というのは、いろんな理由や現象があるわけですが、脳にもやはり同じようなことが起こってしまいます。
脳に炎症が起こってしまうと大変なことですので、できれば予防した方が良いわけですが、ひどい炎症でなく、ちょっとした炎症というのは頻繁に起こっているようです。
脳は目に見えないため、あまり注意しないものですが、脳のケアをしっかりと行うことがとても大切だということが、この炎症一つとってもわかると思います。
皮膚などに炎症が起こると、痒かったり痛かったりしますよね。
それが脳に起こっているのだとしたら、記憶力なんて当然下がってしまいますし、それ以外の機能も低下してしまうことは明らかです。
そして、脳の炎症が痴ほう症やアルツハイマー認知症などの、深刻な脳の病気にもつながっていると言われています。
これを聞いてしまうと、益々脳の炎症は防がなければなりませんね。
炎症とアルツハイマーとの関係について
炎症とアルツハイマー病の関連性が初めて見つかったのは、関節炎患者の方を調べる中で判明したとされています。
ブリティッシュ・コロンビア大学のパトリック・マクギアとアリゾナ州サン・ヘルス・リサーチ・インスティテュートのジョージ・ロジャースが、過去10年間の病院の薬剤記録を調査しています。
その調査によると、強い抗炎症薬を日常的に投与されていた関節炎患者は、そうでない人に比べてアルツハイマー病の発症率が7倍も低いという事実を発見したそうです。
関節炎というのは、当然炎症によるものですが、強い抗炎症薬を使うことで関節の炎症を予防するだけでなく、身体の他の部分、脳の炎症も抑えたことが理由だと考えられたのです。
ターメリックが炎症を防ぐ!
しかし、強い抗炎症薬というのは副作用があるために、普通の人が使うことができる薬ではありません。
そこで注目されたのが、カレーに含まれているスパイスの一つ「ターメリック」です。
ターメリックはウコンと呼ばれることもありますが、カレーの黄色を出すために使われています。
ターメリックが炎症を抑えるのは、ターメリックに含まれるクルクミンなどの成分が、体内で炎症の原因となる化学伝達物質の働きを抑えてくれるからだと言われています。
さらに嬉しいことに、ターメリックはアルツハイマー病の原因の一つと考えられているアミロイドβの脳への蓄積を抑えてくれる効果もあります。
これは、金沢大学大学院の研究チームが実施した研究によって報告されています。
他の研究では、実際にアルツハイマー病を発症している方々を対象にしたものもあります。
その絵研究では、認知症、過敏性、興奮、不安、無関心を含む重度の症状を有する3人のアルツハイマー患者の方々に、ターメリックのサプリメントが与えられたそうです。
その後12週間にわたり毎日ターメリックを764mgとクルクミン100mgを摂取した方は、臨床症状や検査データに悪影響を生じることなく、症状から回復し始めたそうです。
そして、治療開始から3ヵ月後、患者の症状と介護者への依存度が目に見えて減っていたそうです。
さらに治療開始から1年後になると、3人の患者の方のうち2人が家族を認識できるようになったというのです。
3人という非常に限定された人数ではありますが、悪影響は全くなく改善の方向に向かうということが示されていますね。
アルツハイマーの症状が改善するということは、とても素晴らしい結果です。
しかし、アルツハイマー病を防ぐという意味では、発症しないようにできればそれを予防するような形で、ターメリックを使うということが一番効果的ですよね。
さらにこれだけ脳への良い影響があるということは、日ごろの記憶力、さらには仕事やスポーツなどのパフォーマンスを向上させる効果も期待できそうですよね。
歯周病菌を抑える
さらにターメリックに含まれるクルクミンは抗菌作用があると言われているのですが、その効果によって歯周病になるのを防いでくれると言われています。
歯周病は、これまた痴ほう症やアルツハイマー病の原因になると言われています。
アルツハイマー病になった方の脳を調べてみると、歯周病菌が脳に入り込んでいることが多いそうです。
そのため、歯周病も脳に悪影響を与えるのですが、それをクルクミンが防いでくれるということになりますね。
ターメリックを食卓に
これだけの効果が期待できるターメリックですので、できれば毎日食事として取り入れていきたいですよね。
しかし、先ほどのようなアルツハイマー病を改善させるほどの効果を期待する場合は、かなり大量のターメリック、そしてそこに含まれるクルクミンをとる必要があるそうです。
先ほどの研究では、12週間にわたり毎日ターメリックを764mgとクルクミン100mgを取っています。
そのため、サプリメントを使う方も多いようですが、私は自然のものから食事としてとるのが安全でよいと思っています。
ですから、スパイスのターメリックを買って食事に使うようにすることをお勧めします。
ターメリックを使って本格的な料理をすると、東南アジアの料理のような味付けができて、料理の幅が広がります。
そこまでは面倒だという場合は、市販のカレールーでカレーを作るときに、少しターメリックを入れると、カレーが本格的な味になるのでお勧めです。
シチューやスープに入れるという方も多いですが、味にバリエーションができるため、お勧めですよ。
まとめ
ターメリックの効果は、かなりすごいことがわかりましたよね。
脳の健康のため、そして身体の健康のためにも、炎症を抑えるということはとても重要なことです。
それをターメリックを食事に使うことで期待できるのですから、今日から取り入れていきたいものです。
私はターメリックティをたまに飲みます。
香りに少し癖があるため、飲めないという方も多いですが、問題ないという方は、簡単にターメリックを生活に取り入れることができるためお勧めですよ。
「女子高生と魔法のノート 大人も知らない夢の見つけ方」(角谷ケンイチ 著)を読んだ感想
魔法のノートの意味を知りたい
角谷ケンイチさんは、ブルーベリーアイで有名な株式会社わかさ生活の創業者です。
本書に出てくるのは、タイトルにある通り女子高生である紫藤結月が主人公です。
この主人公を中心とした小説のようになっているため、手軽に読むことができます。
しかし、簡単だからと言って、侮ってはいけない内容が書かれていると感じました。
タイトルにあるように「魔法のノート」ということですから、如何にノートを活用していくのか、ということが書かれているのですが、特別新しいテクニックのようなものが書かれているわけではありません。
また、魔法のノートだから、書くだけで願いが叶うのか、という期待を抱いていると見事にそれは打ち砕かれます。
しかし、小説の中でどうノートを使うとよいのか、ということが書かれているために、非常にわかりやすく、すぐに実践できる内容になっていると思います。
ノート術が書かれている本は、どのようにノートを使うかということが詳しく書かれているのですが、実際の生活の中でどう使われているかということがイメージしづらく、実際にその方法を試してみる人は、意外と少ないようです。
これは、学校などで習ったことを、実際の生活で活かしていくことがむずかしい、ということと似ていますね。
ところが、小説のようなストーリーの中で、如何に使うかということが解説されている本書は、実践することが容易だろうと思います。
むずかしい用語が使われていないのも、ありがたいところです。
悩みを整理するために
主人公は女子高生ですから、学校での悩みを解決するために魔法のノートを使うのですが、ブルブルくんというキャラクターがナビゲーターとしていかにノートを使うのかを解説しながら進んでいきます。
ブルブルくんは、ブルーベリーアイのキャラクターですので、よく知っている方もいらっしゃるかもしれませんが、知らない人は良くわからないため、何のためのキャラなのかわからないかもしれません。
著者の角谷さんが、わかさ生活の創業者ということを考慮して、意味が分からないと言わずに読み進めていくことをお勧めします。
さて、女子高生に限らず、生きている以上は、誰もが悩みを抱えているものです。
そして、その解決をどのようにすれば良いのかわからずに、ずっと悩み続けているという方もいらっしゃるかもしれませんね。
そのような場合には、悩み自体を理解することが、まずは重要なのですが、理解しようとしていない方が多いのもまた事実です。
自分が体験しているときは、それがすっごい大きなことに感じるもんや。でも、後からちゃーんと向き合って、ノートに書けば、大きな悩みもたった一つの文章になる。意外とシンプルなものだったりするしな。
(29ページ)
悩みに押しつぶされそうになるときは、その悩みがどのようなものなのか、やはり紙に書いてみるということがとても重要です。
ノートに書くことで、頭の中にあることを文章として見ることができるため、自分の悩み、問題を客観的に見ることができます。
客観的に見ることができるため、より冷静な判断も可能になりますし、より合理的な解決方法を見つけるスタートにもなるわけです。
そして、どのように行動すべきか、ということも見えてくるようになります。
行動を起こすと、こうやって次のヒントが見えてくるねん。
(36ページ)
悩んでいるだけだと、悩みに押しつぶされたり、不安になったりで、何も行動を起こすことができないことがあります。
しかし、ノートに問題を書き出したり、嫌なこと、嬉しいことなど、いろんなことを書き出すこと、それ自体が行動になるわけです。
その行動から、自分の気持ちに気が付いたり、次に行うべき行動がわかるようになる、というように、次へのヒントも得られたりします。
問題をシンプルする
シンプルにできることから始めれば、次のヒントが出てくるねん。
(39ページ)
ノートに悩み、問題を書き出すことは、その事柄をよりシンプルにするという意味もあります。
問題が解決できずに押しつぶされそう、というような場合は、その問題がいろんなことと複雑に絡み合っているために、解決策が見えなくなっていることが多いです。
そこで、問題をよりシンプルにする必要があるのですが、頭の中だけで考えていても、やはり効率的に問題をシンプルにしていくことができません。
よりシンプルに考えるためには、問題を小さく分解していくなどの作業が必要になりますが、そのためにはやはりノートに書くという作業は避けられません。
細かくシンプルにしたものを頭の中で覚えておくことは無理ですし、情報が頭の中にたくさんあると、集中して物事を考えることができなくなってしまいます。
悩んでいること、心配事はシンプルにしていくと、なんだこんなことだったのか、というように感じることが多くあります。
悩んでいることも、文章にすれば1行程度のことですので、難しく考える必要がないことも多いのですね。
そうして、どのように対処すべきかということもわかるわけです。
何の準備もせずに目の前にあることとか、やりたいことを一気にバーンとやってもうまくいかへん。
(43ページ)
悩みや心配事には、このように考えなく一気にやろうとする方が多いのですが、当然解決することができないことが多いです。
悩みの理由、心配事の原因などをシンプルにしていくことで、有効な対処法が見つかりやすくなるのであり、何も考えずに一気にやろうとすると、その解決法が正しい場合も正しくない場合もあり、うまくいったりいかなかったりするわけですね。
ノートをとるということが面倒だということで、一気にやってしまう方も多いようですが、面倒なノートをとることが結果的に一番省エネな方法であることが本当に多いですよ。
どこまで準備するのか
そして、どこまで準備するのか、ということも大切なところですが、学校の勉強などとは違って、人生の悩みなどには100%正解というものはないですよね。
できる限り準備することは必要ですが、完璧な準備というのもまた不可能です。
結月、よー覚えときや。何かをするときはな、<100%でなくていい>んや。
(164ページ)
問題が十分にシンプルになれば、それを試してみるというような気持ちで、解決策を行うという感覚も必要なのですね。
相手の気持ちを考える
自分の悩みや心配事を考える中では、自分のことだけを考えてしまいがちですが、それでは解決策が見つからない可能性があります。
私たちの生活は、いろんな人との関わりによってできているもので、他者との関係は避けては通れないからですね。
自分が暖かくなりたいなら、幸せになりたいなら、まず人を暖かくしてあげる。
(82ページ)
相手のことを想像するのが難しいかったら、まずその場に足を運んでみることや。
(116ページ)
相手のことを想像できるほどに問題がシンプルになればよいのですが、そうならない場合には、そこで終わってしまうという方が多いです。
しかし、そこで一歩踏み込んで行動できるかどうかが、結果に大きな違いが生まれてくるのですね。
まとめ
女子高生が題材になっていますが、社会人であってもこの内容はとても有益だと思います。
しかも、小説のようにスラスラと読むことができるのもありがたいところです。
悩んでばかりでなかなか前に進めない、というような方は特に一読されることをお勧めしたいですね。
「いまこそ知りたいシェアリングエコノミー」(長田 英知 著)を読んだ感想
シェアの現在、そして未来の姿を知るために
インターネットが普及して、ネットなしでは生きていけないような世の中になっていますが、それによって私たちの意識も大きく変わってきているところがあります。
様々なところで変化がみられるのですが、最近大きく変わってきているのは、物を所有するという意識ではないでしょうか。
ネットが普及する前は、物を使うためにはそれを買って使うか、誰かに借りて使うという必要がありました。
借りると言っても、親や親せきから借りたり、せいぜい友人から借りて使うということが一般的でしたよね。
しかし、最近は物の所有という意識が薄れてきているようで、それに合わせてシェアする、共有する意識が強くなってきているように感じます。
これは、インターネットの普及によって、様々なプラットフォームが利用できるようになり、さらに手数料も安くできるということが前提となって発達してきているようです。
インタネットを使えば、人件費も低く抑えることができるため、シェアするための手数料などを低く抑えることができるわけです。
そんな状況の現在、そして未来はどのような姿になるのか、ということを調べるために本書を読んでみました。
実際のシェアリング・エコノミーについて
インターネットを使って、所有しているモノや場所、さらにはスキルや時間などを共有する経済の形のことを、「シェアリング・エコノミー」と呼びます。
シェアリング・エコノミーには、様々なものがあるのですが、実際にどのようなものがあるのか見ておく方が、理解もしやすいと思います。
そこで、シェアリング・エコノミーをいくつか見てみたいと思います。
Airbnb
これは説明の必要もないほど有名ですよね。
民泊はホテルよりも安く泊まることができるため人気がありますが、Airbnbというプラットフォームができるまでは、なかなかできないことでした。
しかし、Airbnbができたことで、誰でも簡単に民泊ができますし、さらに使っていない部屋を民泊に貸し出すことも簡単にできるようになりました。
スキルのシェア
スキルのシェアも可能になっています。
ベビーシッターのスキルを持つ人が、それを必要とする人にスキルを提供するためのプラットフォーム「KIDSLINE」などがそれにあたります。
クルマ、自転車のシェア
自動車のシェアは、タイムズカーシェアなどが有名ですね。
タイムズはコインパーキングを運営している会社ですが、駐車場に止めてあるシェアカーを好きなタイミングで借りることができるため人気が高いようです。
シェア自転車は、ダイチャリなどが有名でしょうか。
町のいたるところで見つけることができますし、都内であればコンビニの前に行けばダイチャリが置いてあることが多いです。
シェア自転車は、電動アシスト付きなので、スイスイと楽に自転車に乗ることができます。
服のシェア
最近では服も買わないでシェアすることができます。
「Air Closet」というサービスは、スタイリストが選んだ服が3セット届くというサービスで、「返却期限なし」、「送料・クリーニング料不要」で新しい洋服との出会いを楽しめるため、人気が高くなっているようです。
シェアリング・エコノミーが与える影響
シェアリング・エコノミーが私たちの生活に与えるインパクトは、どのようなものがあるのでしょうか?
もちろん、あまり使わないものを買うことなくシェアできれば、かなり節約につながります。
さらに、考えるべきなのは、私たちが本業以外で収入を確保することができるようになるということです。
シェアが一般的になれば、会社に勤めている人も本業以外で収入を得られる選択肢を少ない投資コストで確保sるうことができます。
(7ページ)
使ってない部屋であったり、電化製品をシェアで貸し出すことができれば、簡単に収入源を増やすことができますよね。
そして、余っている部屋を貸し出すことができれば、これまた収入源が増える。
不動産投資というと、少なくともアパート1部屋を所有して貸し出すということが必要です。
そうなると、空室リスクなどがありますし、管理も大変な面があります。
しかし、自分が住んでいる場所を貸し出す民泊ならば、空室リスクもなく管理も住んでいる場所ならば、当然行うことですので負担にならないですよね。
収入源を増やすための障壁のようなものが、本当に低くなるのがシェアリング・エコノミーの特徴です。
シェアという形態になんとなく抵抗がある、という方はまだまだ多いかもしれませんが、スマホの普及などによって、そのような抵抗もますます低くなってきているということで、将来はシェアが当たり前ということになるかもしれません。
しかし、これからの時代の新しいシェアは「共有=共に所有する」ではなく「共有=共に利用する」というところに本質があると私は考えます。
(35ページ)
共に利用するということが普及すれば、物やサービスが余っているという状況が少なくなります。
誰かが所有し、普段利用しているモノが、利用されず「余剰」状態にあるときに、他の誰かがアクセスし、利用できる点が新しいシェアの大きな特徴です。
(47ページ)
このような状況は、環境問題を考えるようなときでも、とても有効な解決策の一つになるのではないかと思います。
無駄なものを作り必要もなくなり、資源を有効に使うことができますから。
副業としての可能性
これからは、人口が減っていく時代になっていくということもあり、会社の終身雇用なども崩れてきていますね。
そのような状況では、やはり収入源はたくさんあればあるほど良いわけです。
しかし、収入源を増やすために、初期投資が高い場合は、それ自体が障壁となってしまって、一般の人はなかなか取り組むことができない。
資本家や大企業だけがそのような取り組みができる、という状況だったわけです。
しかし、シェアが普及することで、物やサービスを提供する、しかもコストを低く抑えることができるようになってきているわけです。
収入源を増やしたいという場合は、何かシェアできないか、ということを考えることで、効率的に増やすことができるかもしれませんね。
シェアリング・エコノミーがさらに普及するために
シェアという概念が一般的になるためには、やはり前提条件があります。
しかし、新しいシェアのサービスは、見知らぬ企業、個人間の双方向のやり取りを「低コスト・低リスト」で実現しているところに、大きなイノベーションがあるのです。
(46ページ)
見知らぬ企業や個人間の双方向のやり取り、というところがポイントになるのです。
そこで重要になるのは、やはりシェアを行う上でのセキュリティ、安全性になります。
社会的共用としてのシェアを支えるもうひとつの大きな要素は、見知らぬ個人間の取引を安心・安全に行い、広げていくための制度設計とデザインです。
(62ページ)
シェアの意識が普及することで、それを悪用しようとする人が出てくる可能性がありますので、それをいかに回避するかということもシェアということを考えるときには、考慮しなければならないことですよね。
まとめ
シェアは、私たちの生活をより豊かにしてくれるものです。
高級品を購入することはできませんが、シェアなら気軽に利用できるかもしれません。
もちろん高級品はシェアの代金も高いものですが、購入するよりは安いですから。
しかし、本書でも指摘されていますが、シェアというのはそれに固執する必要はなく、必要もないのにシェアを利用したり、提供したりする必要はありません。
自分の生活をいろんな意味で豊かにしてくれるように、シェアを利用していくという意識が大切ですね。
「ブロックチェーン・レボリューション」(ドン・タプスコット 著, アレックス・タプスコット 著)を読んだ感想
ブロックチェーンに注目が集まる理由とは
ブロックチェーンについては、かなり注目されている技術のため興味を持っています。
この本は「ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか」という副題があり、ブロックチェーンはビットコインを支える技術ですが、それにとどまらず、様々な分野に応用されるであろうことが書かれています。
ブロックチェーンによって、どのような世界になるのか、便利になるのか、逆に不便になるのか、ということに注目して読むことができます。
ブロックチェーンはネット上で使われる技術です。
今の私たちが生活している社会は、インターネットがなければ成り立たないほどにネットが浸透していますよね。
そこにあまり不便を感じないという方の方が多いのかもしれませんが、まだまだ便利にできると考えている方は少なくないようです。
また、私たちがあまり気が付いていなけれど、重大な問題があるということも指摘されています。
ひと握りの企業が大量のデータを所有し、それをもとにさらなるデータを手に入れ、自らの帝国を拡大している。
(16ページ)
これは、GAFAと呼ばれる巨大な企業のことを話しているのですが、確かに私たちはそのような大企業を利用するしか現在は選択肢がなく、様々なデータを企業に渡している状態ですね。
そして、そのような企業にはビッグデータと呼ばれるように、大量の個人情報がストックされている状態になり、ひとたび漏洩してしまえば、大変なことになってしまいます。
そのような状況であっても、やはり私たちはそれを利用するしか手段がありません。
これまでのインターネットは、大企業の力が強すぎた。大きくて複雑で不透明な企業が、その立場を利用して過剰な利益を手中に収める。
(47ページ)
また、インターネットでは匿名でいろんなことを発信できてしまうことから、様々な問題が起こっていますね。
ネット上の評価が下がっても痛くも痒くもないので、掲示板やSNSでは、釣りや荒らしが横行していた。でもこれからはいいことをすると得をして、悪いことをすると損になるようなインターネットが実現するだろう。
(51ページ)
このような問題のある現状を変えてしまう可能性があるのが、本書のテーマであるブロックチェーンであり、それがゆえにタイトルは「ブロックチェーンレボリューション」になっているのです。
ブロックチェーンの可能性
ブロックチェーンには、たくさんの可能性があると考えられているわけですが、なぜそのような期待を抱かせるのでしょうか?
ブロックチェーンは、参加者によってデータの正当性が証明されるようになっています。
一定のアルゴリズムにしたがって、何が正しいかをみんなで投票するというようなイメージですね。
投票者はたくさんいるわけですから、分散されている状況になり、発言権は投票者にあるため、悪意ある個人やグループが乗っ取ろうとしてもできないことになります。
これは単純な多数決のように感じますが、それでは悪意ある個人が多数を得るためにいろんな悪事を働く可能性があります。
そこでブロックチェーンは、発言権を得るために様々な工夫がなされています。
セキュリティとも言えますね。
例えば、ブロックチェーンが使われているビットコインでは、ビットコインの取引があると、その取引が正しいのかということを、参加者が証明するためマイナーと呼ばれる人たちが計算します。
この計算はかなり難しく、高性能のコンピューターが必要なようですが、その労力が見合うように正しいと証明した人には、ビットコインが与えられるようになっています。
このような機能を備えることで、正しさを証明するのが、絶対的な権力を持っている人や企業ではなく、参加者であるということがブロックチェーンの大きな特徴になるわけです。
ブロックチェーンの主な特徴は、まず分散されていること。中心となるデータベースが存在しないので乗っ取ろうとしても無駄だ。
もう一つ大事な特徴はパブリックであること。
さらにブロックチェーンには暗号技術を利用した高度なセキュリティが備わっている。
(8ページ)
このブロックチェーンの特徴によって、今現在のインターネットのように巨大な企業による仲介を経ることなく、自由に価値を創造し、また交換することが可能になるということです。
ネットワークによって、取引の正当性が証明されるということがブロックチェーンの特徴になりますので、それによって様々な仲介者を減らすことができれば、手数料などがかなり割安になっていくことが予想できますね。
最初に期待されているのは金融機関、特に海外への送金のようです。
海外への送金には、いろんな手続きが必要であり、それに伴って手数料も高くなっていきます。
しかし、ブロックチェーンを使えば、瞬時に送金できるようになり、仲介者もいないことから手数料もぐっと割安になります。
金融機関は、かなり焦っているのかもしれませんね。
ブロックチェーンの価値
ブロックチェーンは、金融で活用されることが期待されているわけですが、何も金融だけで利用できる技術ではありません。
ブロックチェーンの核にあるのは、何らかの所有権を確実に取引するという考え方です。その対象はお金でもモノでも、アイデアでもいい。大事なのは単に土地を記録することではなく、そこに関わる権利を記録して所有権が侵されないようにすることです。
(24ページ)
そして、それを可能にするにも関わらず、データーベースが存在しないということが重要です。
現在のインターネットでは、外企業が膨大なデータベースを保有しているわけですが、そこに様々な問題があります。
まず、漏洩させると一気に大量のデータが公開されてしまいます。
その結果個人情報が公にされ、様々な弊害が生まれてしまう可能性があるわけです。
また、ハッキングによって内容が変えられてしまうと、所有権などが侵害されてしまう可能性も出てきます。
そのために、データベースを守るため、企業はコストをかけて守っているわけですが、ブロックチェーンを使えば、データベース自体が存在しないため、そんなコストも不要になってしまいます。
ブロックチェーンでは、取引データの正しさをネットワークが保証するため、取引相手が信頼に足るかどうかもネットワークが証明します。
信頼できない相手は、ネットワークから排除されてしまうため、公平な取引が可能になるということです。
掲示板やSNSで根拠のない誹謗中傷などをアップしている状況も、ネットワークによる信頼が得られなくなってしまう状況になれば、きっと減っていくと思われます。
発展途上国での活用も期待
ブロックチェーンは様々な仲介者を排除してしまうことができるため、発展途上国への援助がスムーズに行えるというメリットも指摘されています。
発展途上国では、汚職や賄賂などが横行しているために、援助が必要な人になかな援助が届かないという状況があります。
しかし、仲介者がないブロックチェーンを使うことができれば、スムーズに援助を届けることができるのではないか、と期待されています。
また、大企業が仲介しないため、発展途上国に住む人たちが、簡単にインターネットを利用できる状況を生み出すことも可能ではないか、と考えらているようです。
まとめ
ブロックチェーンは、私たちの生活を大きく変えてくれる技術である可能性が高いですね。
しかし、中央が存在しないということはデメリットもある可能性があります。
ビットコインを見てみるとわかりますが、投機対象となっているため、価格が大きく上下するため、通貨としての機能は今の状況では期待できないと言われています。
国家や中央銀行の必要性をそこからは感じる事ができますね。
ブロックチェーンと中央の権力とのバランスをいかにとるか、ということが重要な分野もあるということですね。
幸福になるお金の使い方がある!それは?
お金の使い方
日々生活するためには、お金を使う必要がありますね。
よほど山奥に引きこもって仙人のような生活をしていれば別ですが、それ以外の方は常にお金を使って生きています。
いや、おそらく仙人であっても、いくらかのお金は使っているでしょうね。
また、今日は何も買い物をしていない、という場合でも電気代やガス代、水道代などはかかっていますし、食べるものも以前に買っておいたものを食べているはず。
そう考えていくと、いつお金を使ったかというタイミングで考えないで、日割りのような感じで考えると、やはりお金を使っていない日はないということになりそうです。
そして、お金の使い方というのはあまり意識していないという方が多いのではないでしょうか?
お金については、無駄遣いは良くない、節約しないと、貯金が大切というように、お金を貯めるということについてはよく言われます。
おそらく誰もが子供のころから言われていることですよね。
しかし、如何にお金を使うか、ということがほとんど語られていない、というのが現状であり、上手にお金を使うということに関しては、よくわからないという方が多いです。
お金を貯めることは悪?
では、お金を貯金に回す、無駄遣いをしないということは良くないアドバイスなのかというと、もちろんとても良いアドバイスです。
お金を貯めるということにはいろんな意味があり、将来に備えるということも理由の一つでしょう。
そして、お金を貯めることが正しい理由は、お金の性質にもあります。
お金というのは、基本的に腐ったり、使えなくなったりすることがありません。
それがお金を貯めるべきという理由につながるのですが、そのお金の性質によって私たちはいつまでもお金を持っていることができるということになります。
ですから、使わない分はためておくことができるのですが、それは経済的にはあまりよくないことですよね。
経済を考えた時には、お金は常に動いているのが理想的な状況ですから、止まったお金というのはあまりよくないものです。
不況が起こるのは、将来の不安などから、人々がお金を使わなくなるということが理由の一つということを考えるとわかりやすいと思います。
魚と野菜を物々交換するような状況ならば、どちらも腐ってしまうため、ためておくことができず、いつかは動いてくれます。
しかし、お金は腐らないためいつまでもためておいてしまう。
そのため、例えば企業が設備投資しようとしても、たまっているお金は動かないことから、利子をつけて返すからお金を貸してくださいということになるのですね。
その結果、お金はためておけば増えていく、という性質を持つようになったわけです。
つまり、無駄遣いをしない、お金をためておく、というような行為はお金の性質からも正しいということですね。
私たちはお金を直接貸したり借りたりすることはあまりなく、基本的に金融機関が間に入って取引されることが多いです。
ですから、私たちはお金の貸し借りを直接行わなくても、私たちのお金を使って毎日誰かが行っています。
金融機関に預けることで利子が付くというのは、このお金の性質を使ったものということができますね。
お金をどう使うのが正しいのか?
お金をためておくことが正しいということは分かったけれど、お金を全く使わないで生活することはできない。
使うのであれば、正しく使いたい、正しいというのは自分が幸福になるように使うにはどうすればよいのかということになりますね。
お金の使い方は、学校などでは教えてくれませんし、親たちもお金は貯金しなさい、ということしか教えないというのが現状です。
というよりも、お金について積極的に話すことは悪いことだ、というようにイメージしてしまうような教育になっていると私は思っているのですが、間違っているでしょうか?
子供は親の手伝いをするときには、お金を要求することが悪で、ボランティアのように手伝いをするということが善というようなイメージがあります。
そんな状況で上手なお金の使い方を学ぶということは、おそらく不可能ですよね。
私も上手なお金の使い方については知らないことが多いです。
しかし、いくつかの研究から、どのようにお金を使うことが幸福につながるのか、ということはわかりました。
それは、お金を使って、自分の時間を増やすようにすれば、幸福度が増していくということです。
時間を買うということは難しく感じるかもしれませんが、実は単純です。
家事を自分で行わないで、家事代行をお願いするとか、歩く時間を節約するためにタクシーを使って、自分の時間を確保するなどということです。
仕事についても、自分でなくてもできることは、積極的にアウトソーシングしていくことで、自分の時間を確保するということもその一つですね。
しかし、自分が欲しい物、服などにお金を使うことは、人生の幸福度にそれほど影響を与えないということが報告されています。
ですから、お金を上手に使うためには、自分の時間をいかに増やすかということを考えながら使うことが大切ということですね。
レバレッジをかける
お金を使って自分の時間をさらに増やすということは、お金でレバレッジをかけて人生の密度を上げるというイメージになります。
自分でなくてもできる仕事を第三者にやってもらうということで、自分は別のことができるため、自分の時間が何倍にもなります。
1日は誰もが24時間だと言われますが、上手に使うことで48時間にしたり、さらには240時間にしたり、ということが可能になるかもしれません。
如何に上手に時間を使うか、ということを考えるときに、時間の節約を考えることは大切ですが、さらにお金を使って増やす方法がないか、ということも考える必要がありますね。
時間を買うお金がない
時間を買うお金なんてない、という意見が多いかと思いますが、たくさんのお金を使って時間を作るということでなくても、人生の幸福感が高くなるということが研究によってわかっています。
本当にたまにタクシーに乗っても幸福感を増すことができますし、家事代行をたまに頼んだとしても、幸福感は増えていきます。
また、日本人の特徴として、勤勉であるべき、自分でできることは自分で行う、というようなことが美徳のように考えられています。
それは素晴らしことですが、より効率的に行うことができるのであれば、お金で時間を買うということは悪いことではない、という意識も必要でしょう。
お金を使って、小さいながらも雇用を生み出すことができる、ということにつながるため、他者の幸福にも資する行為だということが理解できれば、時間をお金で買うという行為も積極的にできるかもしれませんね。
当然ですが、実の丈以上のお金を使って時間を増やそうとしても幸福感は上がりません。
後々返済などで時間のほとんどを奪われてしまって、幸福など吹っ飛んでしまいますので、身の丈に合わせて時間を買う、という意識が重要ですよね。
まとめ
お金の使い方というのは、もちろんこれが唯一の正解ですというものはありません。
また、絶対に使わなければならない、買わなければならないものもありますので、それを避けることはできません。
食べ物や服などは絶対に買わなければいけませんし、通信費などの目に見えないものも買わなければならない。
しかし、それに加えていかに自分の人生を幸福に、豊かにするかということを考えながらお金を使う、という選択肢も今後は加えていくべきではないでしょうか?
それは必ずしも贅沢をするということではない、ということが分かったと思います。
お金を自分の時間を増やすためにどう使うか、ということを考えるということが幸福感の増大につながります。
そんな考えはなかった、という方も少しだけ自分の時間を増やすようなお金の使い方を考えてみると、きっと楽しいと思いますよ。
手書きの手帳、ノートを使うメリット
手書きはしたくない?
私は手帳は手書きのノートを使っていますが、最近では少数派になってしまっているようです。
スマホやパソコンでスケジュールを管理したり、To Doリストなどもスマホで作ることができます。
そのため、手書きの手帳、スケジュール帳を使っているという方は、どんどん少なくなっているのが現状です。
確かにアプリなどを使ってスケジュールを管理することにはたくさんのメリットがあります。
ノートを持ち歩いたり、筆記用具を持っている必要もありません。
スマホは常に持ち歩いている人が多いですから、思いついたときに入力できるということもメリットですね。
また、スマホとパソコンを同期させておけば、どこからでも確認することができるというのもメリットになります。
スマホやパソコンには、そういったメリットがあるということは、私も十分に理解しています。
スマホは私も毎日使うため、スマホなしの生活というのはイメージすることがむずかしいです。
例えば、Ankiというアプリは毎日使っていますし、他にもたくさん必要不可欠なアプリ、サイトなどを仕事に使っているためです。
しかし、そんな私ですが、スケジュールやTo Doリストなどについては、手書きの方が良いと感じています。
というよりも、できるだけスマホやパソコンで処理することを少なくして、手書きで記録していくことを増やすことのメリットを感じているため、ますます手書きが増えているというのが現状です。
手書きすべき理由
スマホやパソコンというのは、切っても切れないものになっているので使う時間が長くなってしまいがちです。
しかし私は、それらのデバイスを使う時間は、できるだけ短くするべきだと考えています。
その理由はいくつかあるのですが、それらを使う時間が増えれば増えるほど、集中力などが阻害されるからです。
特にSNSのアラートがスマホで届くような状況は、集中力にはかなり悪影響を与えます。
集中力、注意力もそうなのですが、スマホが存在するだけで低下するということが研究で明らかになっています。
それらの研究では、スマホがミュートになっていたとしても、電源が入っていなかったとしても、集中力が阻害されてしまうと報告されています。
つまりスマホが目に入るだけで集中力が阻害されるということです。
ですから、仕事や勉強、その他自分のパフォーマンスを高くしようと思うのであれば、スマホはできるだけ使わない、見えないという状況を作ることが重要です。
手書きを多用すれば、スマホを使う時間も減るため、より良いパフォーマンスを心がけるならば、取り入れるべきですよね。
自分の時間を作る
手書きのノートなどを使うことで、自分の時間を作ることができる、ということも手書きを積極的に行うべき理由となります。
ノートに向き合って記録していく、手書きしていくという作業は思いのほか、集中できる時間です。
いわば強制的に、外界との関係を遮断するような状況を作り出すことができるのですね。
ノートには、自分の好きなことを書けばよいですし、使い方も自分の思い通りにすればよく、制約されることは何もありません。
思い存分自分の感情などをノートに書くことができるため、自分の時間を作ることができますし、自分の考えをまとめることも可能です。
集中力や注意力を存分に発揮するためには、今現在の自分に集中するということが最も大切で、いろんなことが気になって注意力散漫な状況では、到底集中力を最大限に発揮することができません。
過去のこと、心配事などいろんなことが気になっていると、やはり集中力が存分に発揮できないのですが、それらをノートに書き出してみると、自分の感情などが整理されるためか、気分もある程度すっきりします。
残念ながら、スマホやパソコンでは感情などを整理することができない、と私は感じます。
悩み事や心配事、ストレスを感じることなど、なんでもよいので書き出してみると、自分を整理することができるため、あまり手書きをしないという方も試してみられるとよいと思います。
手書きは脳への刺激が多い
手書きはスマホやパソコンなどに比べて、はるかに脳への刺激が多いと言われています。
スマホやパソコンは、キーボードを押すだけです。
いろんな場所にキーがあるため、それなりに刺激があるのですが、手書きに比べるとはるかに刺激が少ないです。
手書きの場合は、どんな文字だったかということを思い出す必要がありますし、どのように線を引くか、曲線を描くかというようなことも当然考えなければなりません。
さらに、どのように余白を残すか、ノートのどの部分に書くのか、など本当にたくさんのことを考えながら書かなければなりません。
これらの刺激は、ほとんど無意識で行われるものかもしれませんが、やはり刺激として脳に届いているものですし、やはり脳の活性化につながるものです。
ワシントン大学の研究では、手書きの効果について調べたものがあります。
その研究は小学生について調べたものです。
それによると、手書きでエッセイを書いている小学生の方が、そうでない小学生よりも完成された文章を書き、読み方を習得するスピードも早いということが報告されています。
その理由はいくつか考えられているのですが、手で文字を書くという行為が、当然文字を書く能力を高めるのですが、さらには文字を認識する能力なども同時に高めるからだと言われています。
なぜそのようになるのかというと、書くという行為は、脳にたくさんの刺激を与えるということをお話ししましたが、たくさんの刺激を与えるということが、脳の複数の領域を同時に活性化することにつながるからです。
頭が良い、仕事などでも成果を残す人は、脳の使い方が他の人と違うのですが、それは脳のいろんな部分の連結がスムーズであるということが特徴です。
いろんな動作を行うためには、脳の一か所だけが活動しているわけではなく、脳のいろんな部分が同時に活動するわけですが、その部分と部分の連結がスムーズであればあるほど頭が良いということになります。
別の研究では大学生を対象にして調査しているのですが、やはり手書きで授業内容をノートに書いている大学生の方が、キーボードで内容を記録した学生よりもテストの平均点が高い、ということが報告されています。
加えて、手書きの学生はより長くその情報を記憶していたそうです。
これらの研究からわかると思いますが、手書きが脳のいろんな部分を刺激することによって、脳の働きがより良いものになるということですね。
まとめ
ここまで見てきたことから、手書きの効果はすごいということが分かったと思います。
しかし、正直手書きというのは面倒くさいですよね。
キーボードやスマホで入力した方が速いという方も、最近では多いと思います。
しかし、その面倒くささというものも、脳にすごくよい刺激になるそうです。
例えば、メモを取りながら会議や授業を受けている場合、当然すべてを書きとるということはできません。
急いでメモをとるのですが、本当に面倒ですよね。
メモを取っている人のために、ゆっくりと話しているなら別ですが、そんな会議などは実際にはありません。
ですから、どこをメモするべきかということに集中して聞いていなければならず、それが脳にとても良い刺激になるのです。
手書きの効果を今一度考え直す必要があるのかもしれませんね。
鶏むね肉は安くてありがたいだけじゃない!疲労回復効果が凄い!
鶏のむね肉はなぜ安い?
鶏の胸肉は安いので、とてもありがたい食材ですよね。
私は、鶏もも肉が好きなのですが、やはりちょっと値段が高めですので、鶏むね肉を良く買います。
理由は安いからということもありますが、私は鶏むね肉も好きなので、もも肉よりも買う機会が多いというだけです。
もも肉がむね肉よりも安ければ、もも肉を頻繁に買うと思います。
ところで、むね肉はもも肉よりもどうして安く買うことができるのでしょうか?
むね肉はもも肉よりもパサパサしていてまずいから、もも肉よりも売れなくて安く売られているのでしょうか?
それも多少の理由にはなっているようで、もも肉には適度に脂肪が含まれているため、調理しても柔らかく仕上げることが比較的簡単です。
しかし、むね肉は脂肪があまり含まれていないことから、調理の過程で水分が失われてしまってパサパサの仕上がりになってしまいます。
日本人の多くは、牛肉ではさしがたくさん入っている、脂肪がたくさんあって柔らかい肉が好きなため、もも肉に人気が集まってしまうようですね。
理由は味の問題以外にも、取れる肉の量も原因になっています。
鶏一羽から摂れる量は、もも肉よりもむね肉の方が多いため、むね肉の方が安くなっているようです。
むね肉は100gが100円以下になっていることもあったりして、本当にありがたい食材ですので、私としてはありがたいです。
ちなみに海外では、脂ののった肉はあまり好まれないところもあり、そのような国ではむね肉の方がもも肉よりも高いところもあるようです。
むね肉に含まれるたんぱく質
鶏のむね肉は健康に良いということが、いろんなところでいわれていますが、やはり注目すべきは含まれているタンパク質です。
タンパク質は、私たちの身体を作る上でとても重要な栄養素であるということは常識です。
筋肉、髪の毛、内臓、血管など身体のあらゆる部分がタンパク質を材料として作られています。
それだけではありません。
身体を機能させるためには、様々な酵素やホルモンを作り出す必要がありますが、その材料としても使われています。
さらに免疫細胞の材料にもなりますので、タンパク質が不足すると、免疫がうまく機能しない可能性があります。
身体のありとあらゆるところでタンパク質は必要になるのですね。
そのタンパク質を鶏のむね肉はたくさん含んでいます。
むね肉100gに対して、タンパク質は22~23g含まれています。
ボディービルダーの方などは、タンパク質をたくさん含んでいるということから、ささみを良く食べますが、含まれるタンパク質の量は、むね肉とそれほど変わらない量です。
それほどむね肉にはタンパク質がたくさん含まれているのですね。
ちなみに、もも肉は100g当たり18~19g程度ですので、タンパク質はむね肉の方が効果的に摂れるということになります。
むね肉でタンパク質を補給するのは理想的
私は、鶏のむね肉でタンパク質をとることは、とても理想的な方法だと考えています。
その理由は、むね肉にはあまり脂肪が含まれていないことです。
タンパク質をたくさん摂ろうとすると、肉類で摂るという発想になるかと思います。
しかし、肉類をたくさん摂ってしまうと、タンパク質は確かにたくさん補給できますが、脂肪もたくさん摂ってしまうことが多く、結果的にカロリーオーバーとなって肥満につながってしまう可能性がありますね。
その点、鶏のむね肉には脂肪があまり含まれていないにもかかわらず、タンパク質は豊富にふくまれているという理想的な食材だと思います。
むね肉のタンパク質は良質
さらにむね肉に含まれているタンパク質は、とても良質なものです。
タンパク質は、たくさんのアミノ酸が結合してできているのですが、アミノ酸にはたくさんの種類があります。
そのため、タンパク質と言っても、私たちが吸収しやすいタンパク質、吸収しづらいタンパク質があります。
鶏のむね肉には、身体に必要なアミノ酸がバランスよく含まれていて、比較的吸収しやすいと言われいてます。
イミダゾールジペプチド
そして、鶏のむね肉に含まれていて、私たちの身体にとても有益な成分がイミダゾールジペプチドです。
あまり聞いたことがない名前ですよね。
この成分は特に渡り鳥が遠くに長い時間飛んでいくために、とても重要な働きをしています。
地球上で最も長距離を飛ぶといわれる渡り鳥は、キョクアジサシという鳥なのですが、なんと、1年間に8万キロメートルも飛ぶというから驚きです。
8万キロというと、地球の赤道がおよそ4万キロメートルですので、地球2周分も飛ぶことになります。
そんなことができるのは渡り鳥の翼の付け根に、このイミダゾールジペプチドが豊富に含まれているからだと言われています。
イミダゾールジペプチドという名前は長いためか、一般的にイミダペプチドと呼ばれているようです。
鶏は渡り鳥ではありませんが、むね肉にイミダゾールジペプチドが豊富に含まれています。
イミダゾールジペプチドは、人間の疲労の回復にも非常に効果的であることがわかっています。
ちょっと詳しく見てみると、イミダゾールジペプチドは、食事などで消化吸収されると体内で、β‐アラニンとヒスチジンの2つのアミノ酸に分解されます。
この2つのアミノ酸が血液によって体中に運ばれていきます。
イミダゾールジペプチドでなく2つのアミノ酸になって循環していくことが重要です。
なぜなら、疲れの現場である脳や筋肉にはこのアミノ酸を再合成する酵素がたくさんあるため、分解されているものを再びイミダゾールジペプチドに戻すことができるからです。
せっかく吸収したイミダゾールジペプチドは、必要のない場所で消費してしまわないで、必要なところにピンポイントで届けたいのですが、それが2つに分解されることで可能になっているのです。
イミダゾールジペプチドは、疲れた場所にピンポイントで効く、とても優れた成分ということが言えそうですね。
ですから、朝起きるのがつらい、休日にしっかりと休んだはずなのに疲れが抜けていない、というようなことがある場合は、イミダゾールジペプチドをとるためにむね肉を食べるというのが良いかもしれませんね。
抗疲労に関する研究を行っている大阪市立大学の研究チームの研究の結果では、イミダゾールジペプチドの疲労回復の効果が報告されています。
その研究では、イミダゾールジペプチドを4週間摂取するグループと、しないグループとに分け、4時間の自転車こぎ運動を行ってもらったそうです。
なかなか過酷な研究ですね。
その結果、イミダゾールジペプチドを取っていないグループは、摂取したグループよりも疲労感を1.5倍感じていることがわかりました。
さらに実験終了後4時間後には、なんと2倍も疲労感を感じていたそうです。
イミダゾールジペプチドは、今食べたからすぐ効く、という性質のものではなく、摂取後最も効果を発揮するのが2週間後だと言われています。
ですから、習慣的にむね肉を食べるようにすると、イミダゾールジペプチドの効果を上手く取り入れることができそうですね。
まとめ
鶏むね肉は、とてもお手頃な食材なのですが、そのパワーは侮れませんね。
お手軽なだけに、継続的に食事に取り入れることも難しくなく、またいろんなレシピに鶏むね肉を使うことができますので、ぜひイミダゾールジペプチドの効果を取り入れていきたいものです。
最近ではコンビニでもサラダチキンなど、むね肉を手軽に変えるのもありがたいです。