脂質は悪者ではない。重要なのはその質とバランスにある。
栄養の質について
私たちが摂らなければならない三大栄養素というと、
- 炭水化物
- タンパク質
- 脂質
の三つですね。
この三大栄養素は、バランスがとても大切ですので、毎日気を付けているという方も多いのではないでしょうか。
しかし、その質に関してはあまり考えたことがない、という方も多いような印象を受けます。
この3つのバランスが整っていれば、あとは何を食べても大丈夫、ということではないので注意が必要です。
(とはいえ、三大栄養素のバランスを日ごろから考えている人は、やはり健康志向が高いと思いますので、バランスを考えているから、このポテチとコーラを食べても大丈夫、というような人はいないとも思いますが。)
まず最初に質を考えるべきなのは、脂質だと私は考えています。
その理由としては、脂質にはできるだけとるべき脂質と、できるだけ摂るべきではない脂質とが存在しているからです。
脂質のイメージ
脂質というと、どうしても悪者のようなイメージがあるのではないでしょうか?
- ダイエットの敵。
- 身体によくないもの。
- できるだけとらないほうが良い。
代表的なイメージとしてはこのようなものが多いのではないかと予想していますがいかがでしょうか?
ダイエットの敵ということで、脂質、つまり油をできる限り控えている方で、肌がカサカサになってしまっている人もいらっしゃるようです。
脂質は三大栄養素という、とても重要なグループに属しています。
それは身体にとても重要な栄養素だからなのですが、まず私たちの細胞は脂質も使われています。
その細胞に脂質が送られなくなれば、細胞は当然元気がなくなってしまい、ダイエットの結果、肌がカサカサになってしまったり、という残念な結果をもたらしてしまうことになるのですね。
まず、脂質についてイメージを改める必要があります。
悪い脂質とは
悪い脂質というと、一般的にはバターやラードなどの動物性の脂質を上げる方がいらっしゃるかもしれません。
以前は、動物性の脂質よりも植物性の脂質をたくさん摂るべきと考えられていた時期もありましたが、今では脂質のとらえ方が大きく変わってきているようです。
まず、バターやラードなどの動物性の脂質は、大量に食べなければ健康に悪影響はそれほどないと考えられています。
もちろんとんでもなく大量に食べれば健康に影響が出てきてしまいますので注意が必要ですが、それはどの油でも同じことです。
バターやラードなどは控えるべき脂質ではない、ということをまずは頭に入れる必要がありますね。
リノール酸
動物性の脂質よりも避けるべきと考えられているのが、植物性の脂質に含まれているリノール酸です。
さて、リノール酸がたくさん含まれている油と言われて何か思い浮かびますか?
一般的な家庭で一番よく使われているであろう油です。
それは、サラダ油です。
サラダ油は、植物由来の脂で健康によさそうだから使っている、という方も多いのではないでしょうか?
バターやラードを使うのを控えて、サラダ油を使うようにしていたという場合は、脂質の考え方を少し改める必要があるかもしれませんね。
とはいえリノール酸も必要な脂質、必須脂肪酸ですので全くとらないというわけにはいかないところがわかりにくいところです。
リノール酸はなぜ身体によくない
リノール酸の大量摂取は善玉コレステロールを低下させることが報告されています。
その理由は、リノール酸の代謝の過程で作られるアラキドン酸が炎症を引き起こすエイコサノイドをたくさん佃してしまい、それががん発生に結びつく可能性があるという観察や動物実験の結果が報告されたからです。
リノール酸はたくさん摂ると健康に悪影響があるということを覚えておく必要がありますね。
トランス脂肪酸
トランス脂肪酸については、その健康への悪影響はすでに常識になりつつあるような気がします。
トランス脂肪酸対策を行っている、という企業が増えてきていることから、トランス脂肪酸の危険性を知っているという方も多いでしょう。
トランス脂肪酸については、こちらを参考にしてみて下さい。
トランス脂肪酸はできる限り避けるようにするのが一番良い方法です。
どの脂肪酸を摂ればよいのか?
脂肪酸のバランスを考えるときに重要になるのは、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスであるといわれています。
オメガ6脂肪酸は、先ほどのリノール酸のほかにたくさんの脂肪酸が含まれています。
実際の脂でいうと、大豆油、ゴマ油、ヒマワリ油、コーン油、紅花油などです。
そして、このオメガ6脂肪酸の特徴は、身体に必要な脂肪酸なのですが、大量に摂ると体内に炎症を引き起こしてしまう可能性があるのです。
オメガ6脂肪酸が体内にたくさんありすぎて、炎症が常に起こってしまっている状態は、とても健康とは言えないのは言うまでもないですよね。
対して、オメガ3脂肪酸は炎症を抑える効果があると言われています。
ですから、オメガ3脂肪酸をできるだけたくさん摂る必要があるわけです。
オメガ6脂肪酸は、普通の生活をしていれば、十分に摂取することができるので、気を付けるべきなのは、摂りすぎないことになります。
なぜなら、オメガ6脂肪酸が含まれる油を先ほどご紹介しましたが、どんな料理にも使われる油だったと思います。
誰もが毎日食べているものに使われている植物油は主にオメガ6脂肪酸のため、足りないことはまず考えられないというわけです。
それに対して、オメガ3脂肪酸はどうでしょうか?
オメガ3脂肪酸は、魚に含まれるDHAやEPAなどが代表的な油です。
また、アマニ油やエゴマ油などもオメガ3脂肪酸に含まれると考えられています。
いかがでしょうか、オメガ3脂肪酸を毎日十分に摂れていると言えますか?
多分言えないと思います。
なぜなら、最近の食生活は欧米化されているため、魚を食べる機会がどんどん減っているからですね。
魚を食べたのは、2週間前だった、というような人は最近はざらにいるのではないでしょうか?
ファーストフードや外食でも、選ぶメニューは肉料理ということが多い人も、オメガ3脂肪酸が圧倒的に足りていないはずです。
オメガ3脂肪酸を摂るために
今の私たちが心がけるべきことは非常に簡単です。
毎日魚を食べましょう。
ただこれだけで、オメガ3脂肪酸の摂取量を増やすことできます。
外食が多くて、なかなか自炊ができない、という場合も外食でメニューを選ぶときには、魚のメニューを選ぶようにすることです。
こうすることで、毎日魚を食べるという目標はクリアしやすいのではないでしょうか?
まとめ
オメガ3脂肪酸の摂取は意識しないと、すぐに不足してしまうのが今の私たちの生活かもしれません。
どこでも簡単にお肉を買うことができますし、外食でも肉料理を簡単に食べることができますから。
しかし、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスを考えると、その食生活は少し改める必要がありそうですね。
オメガ3脂肪酸は、積極的にとろうとしなければ、すぐに不足状態になってしまうものです。
何せオメガ3脂肪酸に属するものの種類が圧倒的に少なかったですよね。
まあ、魚の種類を考えればオメガ3脂肪酸の方が圧倒的に数が多くなりますが・・
ですから、日ごろから努めて魚を食べるなどで、オメガ3脂肪酸をしっかりと摂るようにする必要がありますね。