読書好きけんの雑記ブログ(ヘルシー志向強め)

日々思いついたことをシェアしたいと思っています。読書で得た知識も備忘録を兼ねて、わかりやすく感想をアップしようと考えています。

都会に暮らす30~40代の女性はトランス脂肪酸に要注意

トランス脂肪酸の摂取目安

 

トランス脂肪酸は、私たちの身体にたくさんの悪影響を与えることは以前お話させていただきました。

 

healthyounger.hatenablog.com

 

 

トランス脂肪酸の悪影響のわりに、日ごろの私たちの食事から減ってはいないようです。


日本人は1日平均で、1.7gのトランス脂肪酸を摂取しているといわれています。

 

全エネルギーに占めるトランス脂肪酸の割合は男性で0.8%、女性で0.7%です。

 

平均ですから、およそ半数はそれ以上となります。


たとえば、朝食にドーナッツ (3g)、昼食にフライドポテト(3g)、パンにマーガリン (1g)、クッキー2つ(2g)を摂れば、合計9gのトランス脂肪酸を摂ることになります。

 

もちろん、絶対にこれだけのトランス脂肪酸が含まているというわけではありませんが、コンビニやファーストフードなどで購入した場合の平均的な数値です。

 

脂肪1gは9kcalですから、81kcalをトランス脂肪酸から摂取することになる計算です。


仮に、この人の1日摂取エネルギーが2400kcalだとすれば、全エネルギーの3. 4%はトランス脂肪酸から摂取することになります。

 

想像するに、この程度のトランス脂肪酸を摂っている日本人は珍しくないのではないでしょうか。

 

WHO(世界保健機関)は1日に摂取するエネルギーのうち、トランス脂肪酸の割合を1%未満、飽和脂肪酸を10%未満に下げよと啓蒙しています。

 

日本人の平均値であれば合格ですが、実はそこには隠された真実があるのです。

 

平均というのはたくさんトラン脂肪酸を摂る人がいても、あまり摂らない人がたくさんいれば、平均値は下がっていくものです。

 

そのため、平均だけを考えることは不十分であり、その内容を詳しく見て対策を考える必要があるのですね。

 

その結果、男性の6%、 女性の24%がトランス脂肪酸の摂取割合が1%以上だったという報告があります。


その中でも最も数値が高かったのが、都会に住む女性たちのトランス脂肪酸の摂取量です。

 

都会に住む女性たちの35%がトランス脂肪酸を1%以上摂取しているということが分かったのです。

 

さらには、その女性たちの中の30代の33%、40代の38%が1%以上でした。


つまり、日本全国の平均値は決して高いほうではありませんが、都会に住む30~40代の女性はきわめて多くのトランス脂肪酸を摂取しているようです。

 

その理由は、いくつかあるのですが、やはり環境の違いが大きいようです。

 

都会ではどこに行っても、トランス脂肪酸を使った食事を簡単に摂ることができます。

 

ファーストフードやコンビニの食事を続けていると、特に簡単に摂取できますが、そのような店舗は、都会に入ればすぐに利用できますからね。

 

忙しくて食事もとれない、という状況ではお菓子だけを食べる、という方もいらっしゃいますし、仕事中は常にスナック菓子のようなものを食べている方もいらっしゃいますよね。

 

仕事のストレスから、お菓子を食べたくなると、すぐに買いに行けるというのも都会の特徴なのかもしれませんね。

 

このような状況ですので、都市部で仕事をがんばっている女性たちが50~60代に達したころには、心筋梗塞や大腸ガンが増える可能性があると、警鐘を鳴らす方もいらっしゃいます。

 

さらに、トランス脂肪酸をたくさん摂っていると、60~70代になったときに認知症に陥りやすくなるおそれもあるという研究報告もあります。

 

日本には、トランス脂肪酸の規制が何もない


アメリカでは1990年代から、トランス脂肪酸を多く摂取することによって心筋梗塞が増えることが疫学研究により指摘されています。

 

アメリカ政府は2006年1 月から、すべての食品にトランス脂肪酸の含有量の表示義務を課しました。

 

アメリカから輸入された食品に、「trans fat」と書かれているところがあります。

 

それがトランス脂肪酸の含有量を示しています。

 

このような動きが始まる前のアメリカでは、全摂取エネルギーに占めるトランス指肪酸の割合は2~3%でした。


この数値は日本よりはるかに高いですよね。

 

トランス脂肪酸の危険性を指摘する研究がたくさん出てきたため、それを受けてニューヨーク市では、 レストランでのトランス脂肪酸の使用を規制しました。

 

その結果、ニューヨーク市民のトランス脂肪酸摂取量が規制前に比べて半分以下になったのです。

 

つまり、昨今のトランス脂肪酸摂取量は、日本とアメリカで同程度になったと思います。


国によりますがヨーロッパでも、こうした動きは活発になっています。

 

トランス脂肪酸の含有量の表示だけではなく、全面的な規制を行う国も出てきています。


さらに2013年1月には、FDA(アメリカ食品医薬品局)は、トランス脂肪酸を「安全とはみなされない」として、食品に用いることを原則禁止する規制案を示しました。

 

FDAトランス脂肪酸の使用禁止によって、年間2万人の心筋梗塞の発生 を予防し、心臓疾患による死亡数を7000人減らすことができるとしています。

 

一方、日本ではなんの規制もありません。

 

理由は、日本人はもともとトランス脂肪酸の摂取量が多くないため、規制の必要がないということのようです。

 

実際にはトランス脂肪酸を作っている企業の利権にある、とも言われていますが。

 

日本では、表示義務がないため、自分がどれくらいのトランス脂肪酸を摂取しているのかさえも知ることはできません。


農林水産省による、各食品のトランス脂肪酸の含有量調査によれば、食パンには100g中0.03~0.32g、クロワッサンには100g中0.29~3.0gのトランス脂肪酸が含まれているということです。

 

先ほども見た通り、「食事、栄養、及び慢性疾患予防に関するWHO/FAO(国連食糧農業機関)合同専門家会合」は、トランス脂肪酸の摂取量を総エネルギー摂取量の1%未満にするよう勧告しています。

 

日本人が1日に消費するエネルギーは平均で約1900mmですから、平均的な活動量の人の場合、1人1日約2g未満が目標量になります。

 

しかし、クロワッサンの場合、ものによってはたった2つで2gを超えてしまうことになるわけです。

 

つまり、動脈硬化を避けたいのであれば、あなたは明日の朝、クロワッサンではなく、食パンを選ぶべきなのです。

 

そして、体重を増やしたくなければ、食パンでも白いものではなく、茶色い全粒粉のパンを選ぶべきでしょう。

 

全粒粉のパンを選ぶ理由は、血糖スパイクを防ぐためです。

 

healthyounger.hatenablog.com

 

まとめ

 

特に都会の生活では、トランス脂肪酸が簡単に摂取できる環境にあります。

 

トランス脂肪酸を使った食べ物は、サクッとしておいしいため、習慣化しやすいとも考えられています。

 

お菓子などを考えてみるとわかると思うのですが、サクッとした食感がなければ、それ以上食べたいとは思わないですよね。

 

そのサクッとした食感を作り出すためには、トランス脂肪酸を使うことが安価で手っ取り早いということで、お菓子などにはたくさん使われています。

 

今までのデータから考えると、都会の女性は、トランス脂肪酸を含んだ食品が好きなようですね。

 

しかし、アンチエイジング、美容、健康のためには、トランス脂肪酸は避けるのが賢明です。