アディポネクチンをダイエットに利用したい!
アディポネクチンで痩せる?
アディポネクチンというホルモンのことをご存知でしょうか?
何度かお話しさせていただいたことがあるのですが、アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるホルモンで、痩せホルモンと呼ばれるものです。
痩せホルモンという名前が示している通り、ダイエットやアンチエイジングにはとても重要なホルモンです。
その痩せホルモンが、脂肪細胞から分泌されるというのは、何とも皮肉っぽい気がするのは私だけでしょうか?
しかし、ここでちょっと疑問がわいてきますよね。
アディポネクチンは、脂肪から分泌されるということは、太っていれば太っているほど分泌されるのではないか?
だとしたら、痩せる効果なんて全くないのではないか?という気がしてしまうかもしれません。
しかし、痩せホルモンアディポネクチンが分泌されるのは、内臓脂肪が減ったときと言われています。
なぜ脂肪から分泌されるアディポネクチンが、内臓脂肪が減ったときに分泌が増えるのでしょうか?
肥満は脂肪細胞にもダメージを与える
脂肪細胞は、脂肪を細胞の中に蓄えるのですが、そうなると脂肪細胞が大きく膨張してしまいます。
肥満の状態は、脂肪細胞すべてが丸々と太った状態と考えてよいのですが、そうなると脂肪細胞は狭い場所にギュウギュウ詰めになっているような状態です。
ちょうど満員電車のような状態のため、脂肪細胞には大きな負荷がかかってしまいます。
その状態で長時間いるわけですから、脂肪細胞は負荷によって炎症を起こしてしまうと言われています。
炎症を起こしてしまうと、脂肪細胞は健康な働きができなくなってしまうことから、アディポネクチンのような良性の分泌物を出さなくなって、悪玉物質を出すようになってしまいます。
そうなると、アディポネクチンの量が減るとともに、悪玉物質が増えてしまうために、肥満が肥満を呼ぶという状態でダイエットの効果が減ってしまうわけです。
アディポネクチンを上手に利用しながら、ダイエットを進めていくということがとても重要になりますね。
アディポネクチンを上手に利用したい
アディポネクチンがたくさん分泌されれば、ダイエットの効果も高くなりそうなので、できればそれをうまく利用したいと考える方は多いでしょう。
なんとなく楽をして痩せることができそうな気がするのも、このアディポネクチンというホルモンのことを知ると、感じてしまいますよね。
アディポネクチンを上手に利用するためには、脂肪細胞を太らせないということが重要なのですが、特に内臓脂肪を減らすということが重要になります。
内臓脂肪を減らせばよいのだから、食べる量を減らしていけばよい、と考えるかもしれませんが、それは得策ではないかもしれません。
食べる量を減らすことで、内臓脂肪を減らそうとすると、身体は軽い飢餓状態になってしまうことから、より脂肪を蓄えようとしてしまう可能性があります。
そうなると、少し食べても効率よく脂肪に蓄えるような効果が働いてしまうことから、内臓脂肪をよりため込みやすい身体になってしまうわけです。
また、食べる量を減らすことで、食欲に火がついてしまうと、一気にたくさん食べてしまい、加えて身体は効率よく脂肪を蓄える状態になっていますので、食べたものがすべて脂肪になってしまう可能性もあります。
そのため、食べる量を無理に減らしたり、カロリー計算をしながら食事を摂るということは、逆効果になる可能性がありますので、注意が必要になります。
そこでアディポネクチンを効果的に利用するために必要になるのが、やはり運動です。
なぜ運動が必要なのか
私たちの身体には、脂肪が蓄えられているのですが、大きく分けると皮下脂肪と内臓脂肪に分けられます。
これらの脂肪の量が少なければ、アディポネクチンが効率よく分泌されるわけですが、特に内臓脂肪を減らすことが重要になります。
この内臓脂肪は、すぐにエネルギーになるように蓄えられている脂肪ですので、比較的簡単に燃焼すると言われています。
ですから、運動することで効率よく内臓脂肪を燃やすことができるわけです。
運動を習慣化することで、内臓脂肪を減らすことができるとともに、アディポネクチンの分泌も効果的になるということですので、やはりダイエットには運動が不可欠ということになりますね。
そして、運動は内臓脂肪を減らすという効果がありますが、加えてアディポネクチンも運動をしているほうが効果的に脂肪を燃焼できるという特性があります。
アディポネクチンは、運動をしなくても脂肪を燃焼させる酵素を活性化する作用があるのですが、運動をするとその効果がさらに高まると言われています。
ダイエットにアディポネクチンの力を最大限に利用したいというのであれば、やはり運動を積極的に行う必要がありますね。
アディポネクチンのその他の効果
アディポネクチンは痩せる以外にも、様々な効果を私たちの身体にもたらしてくれます。
いくつかをご紹介すると、このようになります。
- プラーク(動脈硬化巣)が形成されるのを防ぐ、血管壁の傷を修復するなどのはたらきで、動脈硬化を予防改善。
- 血糖値を下げるホルモンである「インスリン」の働きを良くして、糖尿病を予防改善。
- 脂質の代謝を促して、中性脂肪を下げ、HDL(善玉)コレステロールを増やす。
- 血管を拡張して高血圧を予防・改善。
- 筋肉での脂質代謝を促し、運動と同じ効果によりメタボリックシンドロームを予防・改善。
- 肝臓での脂質代謝を促進し、脂肪肝を予防・改善。
これはもう、アンチエイジングや美容には欠かすことができないホルモンということになりますね。
アディポネクチンを増やす食べ物
アディポネクチンを増やすためには、内臓脂肪を減らすとともに、アディポネクチンを増やす食材を食べることも重要です。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸を含んだ食材を食べることで、アディポネクチンの分泌を増やすことができると言われています。
そのため、肉類よりも魚を食べるように心がけると、効果的にオメガ3脂肪酸を摂ることができます。
また、ナッツ類にもオメガ3脂肪酸含まれていますので、お勧めの食材になります。
食物繊維
食物繊維を含んだ食材を摂ることもとても重要です。
食物繊維を摂ることで、腸内環境を整えることができます。
食物繊維は、腸内で善玉菌の餌となるため、善玉菌を増やす効果がありますし、さらに便の量を増やすことができるために、便通を整えることで腸内環境を整えることができます。
腸内で善玉菌がたくさん増えると、腸内の日和見菌が身体に良い働きをしてくれるのですが、その中に痩せやすい体質にしてくれる菌が存在します。
つまり、腸内環境を整えることは、痩せやすい身体になるということであり、内臓脂肪を減らすうえで最適な体質になるということです。
その結果、アディポネクチンを分泌しやすい身体になって、痩せやすい身体を獲得することができるわけですね。
まとめ
ダイエットを効果的にするためには、アディポネクチンの力を借りるのがとても重要なことが分かったのではないでしょうか?
重要なことは内臓脂肪を減らすことであり、それには運動がとても大切であり、また食べるものにも注意することが重要です。
とはいっても、運動は日ごろの動作をできるだけ機敏にしたり、階段を意識的に使うようにするだけでも効果があります。
もちろん運動習慣がある場合は、その方が効果が高いのは言うまでもありませんが。
さらに、食生活は野菜や果物などを中心とした生活を送るという、アンチエイジングや美容、健康促進を心がけている場合は、当然に行わなければならないことを行うだけですね。