失敗から学べと言われるけれど、どうすればよい?
失敗から学べない?
誰でも失敗はしたくないものですよね。
全く失敗しないで、すべてを成功させる人はいないのですが、失敗をしてもそれを着にすることなく、いろんなことにどんどん挑戦していく人と、失敗したことに必要以上に落ち込んだり、自己否定してしまって挑戦できなくなってしまう人、大きく分けるとこの2つのタイプになるのかなと思います。
どんどん挑戦できるという場合は、何のアドバイスも必要ないですし、失敗が糧となってさらなる成長につながるタイプの方ですから良いのですが、問題は後者のグループに入っている場合です。
失敗は失敗として、しっかりと反省する必要があるわけですが、反省をしてそれにとらわれてしまうと、あまりよくない結果になってしまうことがあります。
それは、失敗を気にしすぎると、脳はその失敗を学習して失敗する回路を作ってしまうことがあるそうです。
失敗して反省して、一晩寝てすっかり元気になる、という場合、脳は失敗を学習して同じ失敗を繰り返さないように学習します。
しかし、失敗にいつまでもくよくよしたり、落ち込んだりしていると、脳はその失敗を重要なものだと考えて、その失敗する回路を強化してしまうのだそうです。
ですから、失敗をいかに上手に利用できるか、ということがとても重要になるのですが、そんなことは誰も教えてくれないですよね。
これはすべての分野に共通することだと思っていて、健康促進やアンチエイジングなどの場合も、この良くないスパイラルに陥ってしまっている方が多いです。
例えば、健康促進のために運動の習慣をつけたいという場合を考えてみるとわかりやすいですね。
運動を始めて数日はモチベーションが高いために、運動を続けることができるのですが、すぐにモチベーションが下がってしまって、全く運動をしなくなってしまう。
運動をする習慣をつけることに失敗してしまって、その失敗から学んで違う方法で習慣化しようとする人、自分はやはりだめだと考えてそこで終わってしまう人。
失敗から学べる人は、失敗しても違う方法を模索する可能性がありますし、どんどんチャレンジしていくことができますが、逆にいつまでも失敗に固執する人は、やはり失敗から学ぶことができず、同じことを繰り返して失敗もまた繰り返すという、悪循環に陥っているものです。
ですから、アンチエイジングについて失敗したことを公開し続ける場合、効果があまりないということもあり得るということになります。
如何に失敗から早く立ち直って、そこから学び、同じ失敗を繰り返さないようにするか、ということがどんな分野であっても重要になります。
失敗から学ぶために
失敗から学ぶことで、さらなる挑戦につながり、自分の成長につなげることもできるわけですが、失敗に固執すると失敗を繰り返してしまう。
そのジレンマのようなものから、どうやって逃れればよいのでしょうか?
失敗から学べない、固執してしまって頭から離れない、というタイプの方は往々にして真面目過ぎる方が多いようです。
真面目過ぎるために、自分自身を必要以上に攻めてしまうことが失敗に固執する一つの理由になっているわけです。
失敗しても全く気にすることなく、次に活かすことができないような不真面目な人の方が、失敗の取り扱い方については、真面目過ぎり方よりも良いのかもしれません。
もちろん失敗を全く気にしない、という場合も失敗から何も学ばないので、自分の成長につながらない、新しいことに挑戦しようとしないで、同じ失敗を繰り返す、という意味では真面目過ぎる人と同じ結果になりますが、落ち込まない分ましかもしれない、ということです。
では、真面目過ぎる場合、どのように失敗と向き合えばよいのでしょうか?
まずは、失敗した自分に厳しい言葉をかけているということを自覚する必要があります。
「なんでこんな失敗をしたのか」
「恥ずかしい」
など、自分を責めるような言葉を自分自身に浴びせていると思います。
ここで、自分自身に優しい言葉をかけることができるかどうか、ということがとても重要になってきます。
これをイメージするために、一番良いものは、あなたの周りに失敗した人がいた場合、どのような対応をするかということを考えてみることです。
失敗した人に、さらに追い打ちをかけるように、ひどい罵りや誹謗中傷したりするでしょうか?
中にはそんな人もいるかもしれませんが、大半の方の場合は、その人を慰めるような言葉をかけるはずです。
「そんな失敗誰でもするから心配ない」
「誰も気にしてないよ」
そんな感じで、優しくその人に接するはずです。
しかし、自分自身になるとそのような接し方ができる方は、ほとんどいないのではないでしょうか。
自分自身というのは、自分自身が一番大切なはずであり、かけがえのない存在なわけですが、どういうわけか他者への思いやりというものを、自分自身にかけることができないですよね。
自分自身を励まして、次の道に進めるように、思いやりを持って接していくということが、失敗から学んで、成長につなげるために必要な考え方です。
自分に思いやりを持つとは?
自分が失敗したときに、自分に優しく接するためには、どのようにするのが効果的なのでしょうか?
失敗した自分に、優しい言葉を心の中でかけてあげる、ということが一番簡単な方法です。
失敗して気が動転している時でも、一息置いて自分に優しく接することができるまで、気持ちを落ち着かせ、自分に思いやりを持って接することを学ぶ必要があります。
自分自身に優しい言葉をかけることが難しい、という場合は自分自身に、別の自分が優しく接しているところをイメージしてみることも効果的です。
別の自分はどのようなことを話しかけていますか?
思いやりの言葉をかけているはずです。
その別の自分が自分にかけている言葉を、髪に書き出すことも効果的です。
これを心理学では、セルフコンパッションと呼ばれる方法です。
このセルフコンパッションを使うことで、失敗に必要以上に落ち込んでいる自分をポジティブシンキングなどで強引に失敗から立ち直ろうとするよりも、はるかに効果的に失敗から立ち直って学ぶことができます。
セルフコンパッションによって、失敗した自分に思いやりを持って接することができれば、失敗してもその失敗をポジティブなものと考えることができ、自分のさらなる挑戦や成長につなげることができるわけです。
失敗についてはしっかりと反省することは、真面目過ぎる方は当然できると思います。
今まで足りなかったことは、その失敗をネガティブなものととらえることなく、ポジティブなものととらえるための方法です。
失敗をポジティブなものに変えるためには、強引に独り言のように失敗から学べる、というような言葉を自分にかけるよりも、自分に思いやりを持った行動をとるだけでよいということですね。
まとめ
失敗から学べということがよく言われますが、どう学べばよいかということは全く教えられませんよね。
ですから、失敗から学ぶために必要以上に失敗に固執して、自分自身を責めてしまうようになっている方が多いです。
しかし、失敗に固執して学ぼうとすればするほど、同じ間違いを犯してしまう可能性が増えてしまう、という現実をしっかりと理解する必要があります。
それを理解して、自分に対して思いやりを持って接することができれば、失敗からしっかりと学ぶことができると思います。