本を読んでも覚えられない。改善する方法は?
読んだ本が覚えられない
読書をするときには、小説などは違いますが、実用書やビジネス書、テキストなどはできるだけ内容を記憶しておきたいものですよね。
私の場合は、せっかく読んだのですから、読んだ本のことは隅から隅まで記憶しておきたい、というのが正直なところです。
しかし、その意図に反して、読んだ内容がすっぽりと頭から抜け落ちてしまう、というのが実情です。
どうして、記憶したいと考えていることが記憶できないのでしょうか?
それを少し考えてみました。
本の内容を理解しているか?
まず、覚えたい本の内容を理解しているかどうかが重要です。
私たちの脳は、理解できないことを覚えることはとても苦手なようです。
11235813213455
この数字を1秒で記憶することができますか?
きっと誰もこれを1秒で記憶することができないと思います。
しかし、あるところで区切ると、この数字が理解できると思います。
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55
1
1+1=2
1+2=3
2+3=5
3+5=8
5+8=13
8+13=21
13+21=34
21+34=55
フィボナッチ数列ですが、数列の名前を知らなくても、なぜこの数字がこのように並んでいるのかを理解することができれば、一瞬で記憶できてしまうはずです。
記憶しようと意識する必要もないですよね。
このように記憶したいのであれば、まずは徹底的に本の内容を理解することから始めることが重要ということがわかると思います。
本の内容が理解できない、という場合はその本が難しすぎる可能性がありますので、それよりも簡単な入門書のような本をまず読んで、それからその本を読むというプロセスが役に立つと思います。
俗に頭が良いと言われる人たちは、このプロセスを必ず経ているものです。
何冊も理解できるまで簡単な本を読んだり、同じジャンルの本を何冊も読んで理解をより深めようとしていくわけです。
どんな方法を使っても良いのですが、とにかく本の内容をしっかりと理解することなくして記憶することは不可能と言ってよいと思います。
丸暗記で理解することなく記憶したとしても、おそらく理解が伴わなければ実生活などで活用していくことは難しいでしょう。
それは雑学レベルの知識でしかありません。
せっかく読む本ですから、雑学のレベルでとどめるのではなくて、理解しながら記憶してぜひ自分の物にしたいものです。
イメージでとらえる
理解できた本は、それだけで記憶しやすいものですが、その情報をさらにイメージでとらえるようにすると、より効果的に記憶することができると言われています。
イメージを思い浮かべることができるものは、記憶てきているものですよね。
それもそのはずで、人間は文字を記憶するよりも、絵などのイメージを記憶する方が得意だと言われています。
その理由は、私たちは文字を持つ前はイメージで情報をやり取りしていたからだそうです。
人類が誕生してからいきなり文字を持っていたということはもちろんなくて、文字がない状態で生活していた時間の方が長いそうです。
そんな生活の中で、絵は比較的早く使われていたようです。
世界史の歴史などで学ぶラスコーの壁画などは、動物などをとてもうまく表現していますが、文字は持っていませんでした。
私たちの祖先は、絵を使ってコミュニケーションや記録を残していた証拠ともいえるものです。
絵を使って記録していた長い歴史を持つ私たちは、やはり文字を使って記憶するよりも映像やイメージを使って記憶する方が得意な生き物なのですね。
ですから、本を読むときにもその内容を文字で追いかけるだけではなくて、イメージしながら読むことで、より効率的に記憶に残すことができるはずですね。
イメージすれば記憶しやすいということであり、イメージすれば一発で記憶できるというわけではありませんが、スピードは上がるというのは私の感想です。
忘れることを恐れない
本の内容を記憶したいと思っても、やはりどうしても忘れてしまうことはあります。
それは誰も避けることができない事実ですので、自分は記憶力が悪いと落ち込む必要は全くありません。
私たちは忘れることが、記憶することよりもはるかに得意なのですが、それは脳の働きに理由があります。
私たちの脳は、大きさはそれほど大きくはない、ということはよく知られています。
実際に重さは、体重の2%程度と言われていますので、かなり小さいですよね。
しかし、その消費するエネルギーはすさまじく、全エネルギーの約25%を脳が消費しているそうです。
少々効率が悪い気がしますが、そのぐらいエネルギーを消費しないと活動を維持できないというのが現実のようです。
内臓を動かしたり、体温を維持したり、呼吸を常にしたりと、脳は本当に働き者ですから、エネルギーの消費もしょうがないですよね。
そして、記憶するということは、これまたたくさんのエネルギーを消費する行動ですので、脳としてはできるだけエネルギーを温存する必要があります。
ですから、脳はできるだけ記憶しないようにするのです。
脳が記憶することは、生命の維持に関係する情報だけだと言われています。
ですから、それ以外の情報は容赦なく捨ててしまいますから、記憶できないことの方がむしろ普通なのです。
脳が生命の維持に関係する重要な情報だと感じるのは、感情が動くような経験です。
暑いストーブにうっかり触ってしまうと、手に火傷を負ってしまいます。
ずっと触り続けると、当然命の危機になってしまいますから、ストーブのような熱いものは触ってはいけない、ということを一瞬で記憶します。
ストーブを触ってしまうと、当然びっくりするような感情の動きがありますので、そのような感情の動きが記憶を助けてくれているのですね。
感情を動かすために
脳が記憶するためには、感情が動いで生命に必要な情報だと考えるようにしないといけないということがわかりました。
では実際にはどうすればよいのでしょうか?
ここでもイメージすることがとても役に立ちます。
イメージをすれば、特に自分が体験しているようにイメージできれば、それはかなり感情が動きますので、記憶にも残りやすいということになりますね。
本を読むときにその内容をイメージすべきということは、感情を動かすという意味でも重要ということです。
そして、何度も復習することも感情を動かすことができます。
私たちは、何度も触れたこと、何度も出会った人などに自然に親しみを感じるものです。
親しみを感じるということが、感情を動かしているという証拠ですので、何度も復習することは、記憶するためにはとても重要なことなのですね。
まとめ
読んだ本を記憶に残したいという場合、何をすべきかということを見てきました。
いろんな本を読んで脳を刺激するということは、アンチエイジングや健康のためにとても大切なことです。
脳には常に新しい刺激を与えて、若々しい脳を保っていたいものですが、読書はそれをかなえてくれるとても手軽で素晴らしい方法ですね。
一般的に本はそれほど高価なものではありませんし、図書館に行けば無料で本が読めるわけですから、経済的な健康法と言えますよね。
そして、その内容をしっかりと記憶に残して、生活の中で活用することができれば、さらに生活にも新しい刺激をもたらしてくれることがたくさんあるはずです。
生活の中の新鮮な刺激というのは、私たちの脳にとても素晴らしい健康効果をもたらしてくれるものです。
ぜひたくさんの本を読んで、必要な情報を記憶に残して生活に取り入れていくことで、人生の質を向上させるとともに、健康も向上させるという理想的な状況を作り出していただきたいと思います。