読書好きけんの雑記ブログ(ヘルシー志向強め)

日々思いついたことをシェアしたいと思っています。読書で得た知識も備忘録を兼ねて、わかりやすく感想をアップしようと考えています。

「ULTRA LEARNING 超・自習法 どんなスキルでも最速で習得できる」(スコット・H・ヤング 著・小林啓倫訳)の感想

学習を効率的に進めたい

 

どんなことでも一瞬で学ぶことができて、それを生活に応用できたり、試験に合格できたりする力があれば、どれほど素晴らしいでしょうか?

 

私は昔からそのようなことにあこがれていて、特に記憶力を高くする方法がないか、ということを考えていました。

 

やはり何事も高い記憶力があれば、かなり良い成績やパフォーマンスができると思います。

 

勉強や仕事はもちろんですが、スポーツであってもコツのようなものを素早くつかんでしまって、自分で再現できるようになれば、どれだけすごい成績が残せるのか、想像してみると楽しかったりします。

 

しかし、記憶力というのはそう簡単に向上させることはできないため、地道な努力をしなければなりません。

 

努力が必要だということはわかっているのですが、無駄な努力をしてしまってはせっかくの努力も水の泡という可能性があります。

 

やはり努力は目的地に向かって一直線に行うことで、最小かつ最速で結果を出すことができるものですよね。

 

しかし、その努力をいかに最小でかつ効果的にできるか、ということは全く教えられないのが現実です。

 

そこで、この「超・自習法」を読んでみることにしました。

 

著者であるスコット・H・ヤング氏は、TEDで話をされているのでかなり有名な方で、私も彼の動画をYouTubeで見たことがあります。

 

それは2人で出ている動画で、4か国語をそれぞれ4か月でマスターするという内容のものでした。

 

4か月で話せる内容というのは、やはり限られた内容だけになるのだろうと思いますが、かなり流暢に話されているので、頭が良い人なのでだろうな、という印象でした。

 

youtu.be

 

こちらがその動画です。

 

この動画でも外国語の学習法が語られているのですが、本書でも解説されています。

 

初日から話始めること。見知らぬ人と話すことを恐れないこと。話を始めるために、旅行者向けのような会話表現集を活用すること。そして正式な学習は後回しにすること。ボキャブラリーを増やすために視覚的な記憶術を使うこと。

(17ページ)

 

重要なことは、初日から話始めること、になるでしょうか。

 

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当然何も話せないわけですが、いきなりその言葉を使うようにすることが、やはり外国語を話すためには必要になることです。

 

実際に使うことの重要性

 

学習を進めるときには、教室に座っていろんなことを習ったり、教科書、参考書などで勉強するというスタイルが一般的ですね。

 

それはとても大切なことであり、自分の能力を高めるためには欠かすことができないものです。

 

しかし、ここで大きな問題があり、それをいかに解決するかということが、効率的に学習を進めるためには必要になります。

 

その問題とは、「転移」が起こらないということにあります。

 

転移とは次のように説明されています。

 

転移とは、何かをある状況で学んだときに(授業を受けるなど)それを別の状況(普段の生活など)でも使えるようになることを指す。
(143ページ)

 

外国語などはこの転移が起こらないという説明とピッタリ合致すると感じる方も多いでしょう。

 

またコンピューターのプログラミングにも同じことが言えます。

 

授業などでプログラミングを学んでも、実際に必要な状況になるとその知識が活かせないということが多々あるようです。

 

自分でコンピューターゲームを開発してみて、プログラミングを学ぶことは、プロジェクトに基づく学習の完璧な例だ。

(154ページ)

 

学びたいと思うことを、実際に使えるような状況を求めて、そこで実際に使いながら学ぶことが最も効率的に学習を進めることができるのは、おそらく誰も異論がないでしょう。

 

学習の様々な方法を評価する際、直接的な学習をシュミレートする方法の方が、転移を実現する上でははるかに効果的だ。

(156ページ)

 

転移という言葉も知らず、そのことを意識したことが今までなかったとしても、それを知った今となっては、如何に転移をスムーズに起こせるかということが、学習をスムーズに進めるうえでは重要になる、ということがわかると思います。

 

学習を効果的に進める戦略について

 

本書には、どんなスキルでも最速で習得できる9つのメソッドが紹介されています。

 

全てがとても重要になるのですが、学習を効果的に進めるにあたって最も重要であると私が考える、一番最初のメソッド「メタ学習」というものについて見てみたいと思います。

 

メタ学習とは「学習について学習すること」を意味する。

(84ページ)

 

何のことだかわからない、という感じですよね。

 

大部分の人々が、学習の目標や手法、資源に関して徹底的に調べるということを行っていない。

代わりに彼らは、自分の周囲にたまたま存在した学習手法を選ぶ傾向がある。

(103ページ)

 

これでメタ学習の意味が分かったのではないでしょうか?

 

学習を始めるにあたっては、学習手法について徹底的に調べてから取り組む必要があるということです。

 

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この時に私がお勧めしたいことは、あなたが学習したいと考えていることを、すでにマスターしている人に、どのようにして学習したのかということを聞くということです。

 

できれば数人に聞いてみると、どのように学習を進めていくべきか、方向性が見えてくるものです。

 

そして自分に合った学習方法を見つけるようにすれば、効果的に学習を進める方法を見つけることができる可能性が高いはずです。

 

できる事なら、すでにマスターしてしまっている人に会いに行くのが一番良いのですが、それができない場合でも、体験談や学習法について解説されている本などを読むことで、より効率的な学習方法を見つけることができるようになります。

 

著者自身は、MITに行かずにMITの学生よりも短期間で学ぶ、MITチャレンジというものを行っているのですが、それを行う際にどのように取り組んだかが記載されています。

 

たとえば私は、MITチャレンジを始める前に、およそ6か月間かけて(フルタイムではなくパートタイム)すべての教材をくまなく調べた。学習を開始する前に、一般的な学習方法や資源、および各種ツールの長所と短所を把握しておくことをお勧めする。

(105ページ)

 

MITチャレンジは、壮大なチャレンジですので、準備期間も相当に念入りに調べる必要があったはずです。

 

私たちはMITチャレンジほどの取り組みはしないので、半年という長い期間を準備に費やす必要はないかもしれません。

 

経験則としては、学習を始める前に、予想される全学習期間のおよそ10パーセントを準備作業に投じるべきだ。

(104ページ)

 

準備作業というのは、当然個人差もありますし、何に取り組むかということもあるため、必ず10パーセントということは言えないものですが、どのような場合でもある程度は準備に時間を割く必要があるでしょう。

 

そうでなければ、無駄な教材で勉強してしまった、全く学習が進まない、というような状況を生み出してしまい、やる気をなくしてしまう可能性もあります。

 

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準備をしても、何度も軌道修正をする必要があるのは当然ですが、できるだけ努力を無駄にしないようにするためにも、メタ学習はしっかりと行う必要がありそうですね。

 

まとめ

 

学習を効率的に進めるためのメソッドが、数多く紹介されているため、かなり読みごたえがある本です。

 

しかし、著者自身がいかに学習を効率的に進めるかを研究しているため、経験から話されている内容になっています。

 

そのため、臨場感を感じながら読み進めることができるのではないでしょうか。