読書好きけんの雑記ブログ(ヘルシー志向強め)

日々思いついたことをシェアしたいと思っています。読書で得た知識も備忘録を兼ねて、わかりやすく感想をアップしようと考えています。

「いま、台湾で隠居してます」( 大原扁理著)の感想

台湾移住生活について知りたい

 

台湾は、私も何度か旅行で行ったことがあるので、いつか住んでみたいと思っている場所です。

 

新型コロナで今後は、海外に行くことも自由にできなくなるのかもしれませんが、コロナ以前は気軽に海外に行くことができている状況でしたよね。

 

そのときには、日本にずっといる必要もないのかもしれない、移住できるチャンスがあるのであれば移住してみたいと思っていました。

 

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生活の基盤がしっかりできていれば、どこでも生活はできるわけで、日本に基盤を置きつつ海外で生活というも楽しそうですよね。

 

特に東南アジアは、日本よりも物価が安く(最近は差が詰まってきているように感じますが)、食事もかなり安くできるため楽しい生活ができるのではないかと思っていました。

 

物価が日本の半分だとすると、年収200万円であったとしても、現地では400万円の生活ができるということになります。

 

税金や海外送金など、問題は山盛りですのでそんなに単純計算できるものではありませんが、夢は膨らみますよね。

 

台湾もおいしい料理がたくさんあり、日本よりも安かった印象があります。

 

そんなわけで、台湾での隠居生活についても興味がとてもありました。

 

「隠居」という言葉に惹かれる

 

タイトルがその興味をしっかりと刺激してくれたので、迷いなく読んだという感じです。

 

迷いなく、というのはちょっと違うかもしれませんが。

 

というのも、本のタイトルには隠居、台湾で生活しているという内容が盛り込んであるにも関わらず、内容は台湾のグルメやお勧めスポットを紹介しただけのものが多いからです。

 

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そのような情報も重要なのですが、それはガイドブックを買えばよいだけで、台湾旅行ならいざ知らず、台湾で生活したいという場合にはあまり参考にならないものです。

 

その点で行くと、この「いま、台湾で隠居してます」は全く違いました。

 

台湾に住んでいるけど、わざわざ夜市のためだけに出かけるのもめんどくさいんじゃ。そのへんの屋台で食べればハッピーなんじゃ。

(12ページ)

 

台湾旅行ならば、絶対に訪れたい夜市などの情報については、ここからもわかる通り、本当に少なく、旅行者向けの本ではありません。

 

なにせ、この大原さんは20代で週休5日の隠居生活を東京で過ごした後に、30歳で台湾に移住を決意した方です。

 

そして、17万円を握りしめて台湾移住生活を始めたという、なかなかに強者な経歴の方です。

 

そんな方ですので、台湾での生活についても少々想像がつくというものです。

 

私が台湾生活を整えるまでに心がけたことは、「なるべく観光しない」。

台湾に来た意味がない、という思う向きもありましょうが、そんなもん後回しでいいんです。まずは生活を、衣食住を最速で作り上げ、それに慣れること。これを最優先事項にしてました。

(56ページ)

 

移住生活をするという場合に、旅行の情報についてはあまり必要なく、どのように生活を作り上げていったのか、という情報こそが必要です。

 

ビザはどのようにすればよいのか、現地での仕事はどうすべきか、アパートの相場はどれほどなのか、という情報こそ必要です。

 

さらに、アパートの部屋を借りるためには、大家さんと契約をしなければならないため、異国の地では契約などをどのようにすればよいのか、という情報が本当に少ないです。

 

ですから、そのような情報をいかに手に入れるか、ということが大切なのですが、この本にはどのように契約を結んでいったのか、ということが詳しく書かれています。

 

とはいえ、著者は17万円を握りしめて台湾へ移住していますので、アパートも当然ですが激安アパートを契約しています。

 

激安アパートを借りないということであれば、話は少々違ってくるかもしれませんが、行うことは同じはずなので、参考になると思います。

 

言葉について

 

私が台湾に行ったときに感じたこととしては、英語が話せればほぼ苦労することはないということです。

 

もちろん英語圏ではないため、多少やり取りに苦労することはあるかもしれませんが、さすがにユニバーサルラングエッジの英語です。

 

 しかし、台湾語を喋れた方が便利なことは間違いないわけで、そこについて知りたいですよね。

 

台湾語は中国北京語とは違うため、中国語がしゃべれる人でも、良くわからないことがあるようです。

 

現地で隠居するからには現地の言葉もマスターしておく必要があるのか、台湾語を話せるようになっておく必要があるのか?

 

しかし、語学に関してはあらゆる言語がそうなのですが、話せるようになるためには少なくとも数年かかるものです。

 

日常会話レベルというのは、その人その人によって違うためなんとも言えないですが、私たちの脳は新しい言語に少しずつ慣れていって、最後には流暢に話すことができるようになります。

 

そのため、移住を決めた日からその国の言語を習得するためには、数年かかるために移住する時期がずれてしまいます。

 

そして、日本にいると永遠にマスターできない、という悲しい状況を生み出してしまうかもしれません。

 

英語のスクールは山ほどありますが、台湾語などほかの言語はそれに比べて、教えているところも少ないですから。

 

最近はオンラインで語学が学べるため、マスターできないということはないかもしれませんが、それでも時間はかかってしまいます。

 

著者の大原さんは言語に関しては、真剣に学ぼうという意識は低いようで、今でも完璧にはマスターされていないようです。

 

言葉は現地で生活しながら慣れていく、というスタンスが良いように感じますし、今ではグーグル翻訳なども使える時代ですから、昔ほど言葉には神経質にはなる必要なないかもしれませんね。

 

片言でもよいので英語を少し離せるようにしておいて、現地の言葉はおいおい学ぶというスローペースで十分でしょう。

 

余談ですが個人的には、台湾語が話せるようになると、稼ぐチャンスが増えるのではないかと思っています。

 

食事について

 

一つ注意したいことは、やはり食事になると思います。

 

著者は激安アパートと借りているためか、キッチンが十分なものではないようです。

 

そのため外食が多くなったり、野菜を買ってきてサラダにして食べるという程度のことしか、自宅でできないと書かれています。

 

台湾だけではなく、東南アジアでは外食の文化が強く、朝食も外で食べるということが多いです。

 

旅行で東南アジアの国々に行ったことがありますが、旅行ですから数日程度は外食でも問題ないですし、もちろんおいしい食事を楽しむことができます。

 

しかし、健康面を考えると、食事は自炊をした方が良いのは言うまでもありません。

 

ですから、海外に移住するにしても、私はキッチンの設備はしっかりとしているところが良いと思います。

 

その分賃料も割り増しにはなると思いますが、その程度の出費は仕方ないかなという感じてはないでしょうか。

 

まとめ

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台湾の生活、特に旅行ではなく普通に住むとどのような感じになるのか、というのは多くの方が気になるところだと思います。

 

そのような方には、この本がとても役に立つのではないでしょうか。

 

ただ、難点を上げるとすれば、この本は総じて台湾最高、日本はいまいち、というテイストで書かれています。

 

日本の生活よりも、台湾の生活の方がいかに優れているか、という話が山のように出てきます。

 

ですから、そういう考え方もあるな、と柔らかく受け止めることができる方が読まれる方が良いでしょう。

 

日本大好きだし、ずっと住みたいけれど、ちょっと海外にも住んでみたいという方で、日本への思い入れが強い方は、ちょっと刺激が強すぎて、著者を嫌いになってしまうかもしれません。

 

私は抵抗なく読めましたが、それは台湾に行ったことがありますし、台湾に住んでみたいという気持ちが強くあるからでしょう。

 

私と同じような気持ちを持っている方なら、抵抗なく読める良い本だと思います。