日経平均の裁定買い、裁定解消売りについて
投資に日経平均は重要?
私は投資は企業への投資、株式投資を基本に考えていますが、そのため企業の業績や将来性などを考えて投資するようにしています。
結果としてその投資方法は、バリュー投資になるのですが、それは同時に長期投資になるのが普通ですので、私にはそれがあっていると感じます。
デイトレーダーやスイングトレーダーなどのように、一日に何度も取引を行う方法は、私にはあまりあっていないようです。
少しでも株価が下落しようものなら、気になって気になって仕方がなく、すぐに損切りしてしまい、その後に株価が急上昇すると、それを何もしないで見ているしかない・・・
そんな経験が何度もあり、やはり短期売買は私には向いていないな、ということを実感しました。
長期保有ならば、少し下がっても企業の価値が分かっていれば慌てることなく保有していればよいので、判断も比較的容易です。
そして、投資というと日経平均の知識は欠かせないと思われるかもしれませんが、私は個々の企業を調査するだけでよいと考えていて、日経平均についてはあまり注目していません。
しかも、日経平均の動きは実体経済をもとにして動いていない傾向があるため、それを参考にするのはちょっと良くない面があると感じています。
日経平均について
とはいえ日経平均の変動が、日本の景気の状況を示す一つの指標となっています。
メインの指標になっている感もありますね。
ところでメインの指標になっていることは知っていても、日経平均の意味することを知らない方も多いようです。
日経平均とは、日経という言葉が表している通り、日本経済新聞社が出している指数です。
東証1部に上場している企業の中から、業種などのバランスを考えて選ばれた、日本を代表すると言える225社の株価を平均したものです。
単純に価格を足して225で割っている単純平均ではなくて、指数平均になっていますので、計算方法はやや複雑です。
ニュースなどでは日経平均株価、日経225などと呼ばれることもあります。
日経平均を見れば、その日の相場の動きが大まかでもつかむことができるため、テレビ番組などでよく取り上げられますね。
この選ばれる225社については、定期的に見直されて入れ替わりがあるのですが、入れ替わりについてはニュースなどにはあまりなりません。
日経平均自体は誰もが知っていますが、それを構成する企業が変わっても知らされることはなく、ひっそりと変わるのはいかがなものでしょうか。
一貫性を欠いてしまうような気がするため、それも知らせるべきではないかと思いますが、今の現状では自分で調べるしかなさそうです。
日経平均先物
日経平均は、日本経済新聞社が出す指数ですが、その指数を使って先物取引が行われています。
民間企業の出す指数で先物取引が行われる、というのも不思議な気がしますが、この先物取引は相場にかなりのインパクトを与えるものです。
先物取引とは、すごく簡単に言えば、ある商品を一定の条件で将来売買することを約束する取引のことです。
これだけではよくわからないかもしれませんが、例えば大豆を買うとして、大豆の価格は常に変動していますので、将来はいくらで購入できるか分かりません。
そこで、半年後に例えば100円で大豆を買いますという約束をして、半年後に大豆を100円で購入する取引です。
将来大豆の価格が変動して、120円になっていても、100円で購入できるのがこの取引のメリットです。
しかし、半年後に80円に下がっていれば損をしてしまいます。
先物取引が存在するのは、大きな価格変動を抑えるような役割をしているのであって、そこでお金を稼ぐことを目的として作られたものではない、ということですね。
とはいえ、うまく先物取引を使うことができれば、利益を出すことができるのは当然で、そこに目をつけた人は先物取引で利益を出そうとするわけです。
日経平均先物を将来25000円で買いますと約束して、30000万円になっていれば利益が出るということになります。
そして、最近の日経平均の動きは、先物が主導になっていることが多いのです。
先物主導とは、日経平均に買いが入ることで、日経平均先物の価格が上昇します。
それに遅れて現物、つまり個別銘柄に買いが入って先物と現物の価格が一致するのです。
裁定買い、裁定解消売り
そして、この価格差を利用して利益を得ようとする投資家もたくさんいます。
日経平均先物が買われて価格が上がり、現物が安いままになっている場合、その価格差が大きくなることがあります。
そこで、その価格差を利用して、まず日経平均先物を売り、現物を買います。
実際には、日経平均という現物はないため、買えないので日経平均株価を構造する225銘柄を購入します。
こうすれば、価格差があるため利益が確定することになります。
あとは、先物取引を精算する日であるSQと呼ばれる日に、それぞれを反対売買すれば利益が確定します。
SQ日とは先物取引が精算される3月、6月、9月、12月の第二金曜日の寄り付きです。
SQ日以前に反対売買で利益確定することもできますので、どちらを選ぶかはその人、その企業次第というところですね。
そして、逆に日経平均先物が現物よりも安い場合もありますが、その場合は逆の取引を行います。
これを裁定解消売りと呼びます。
日経平均の動きは、先物によってかなり左右されるということが分かるのではないでしょうか?
先物によって動きが左右されるということは、利益を得たいという人たちが価格を動かしている可能性があり、必ずしも実体経済と一致しているわけではないということになります。
まとめ
日経平均については、あまり注目していないのは、指数のようなものは予測することは不可能だと考えているからです。
企業の銘柄を買うのであれば、企業の本質的な価値を計算してそれよりも割安になっていれば買えばよいだけです。
しかし、日経平均を計算しようとすると、いろんな企業がごちゃ混ぜになっているため、かなり難しいのがわかるのではないでしょうか?
もちろん日経平均を読むのが得意、というのであれば全く問題ないと思いますが、私は読むことができません。
やはり投資も勘やセンスなどではなく、科学的なアプローチを取るべきでしょう。