株式投資においてナンピン買いはOK?NG?
短期売買とナンピン買い
ナンピン買いと呼ばれる投資方法があります。
ナンピン買いは、株価が下がっていくときに、追加で株を買っていくことです。
このナンピン買いは、「下手なナンピンすかんぴん」と言われるように、あまりよい方法ではないとされています。
株価が下がっていく中で、さらに株を購入していくということは、損失を大きくしていくだけだと考えられるからです。
最近の投資でトレーダーと言われるような人は、デイトレーダーやスイングトレーダーと呼ばれる人が中心ではないでしょうか。
1日に何度も売買を行ったり、数日で銘柄を売買して入れ替えていくような方法が主流になっているようです。
その場合、頼りになるのは価格変動を見ることができるチャートであり、そこに表示される移動平均線やMACDなどの指標です。
おそらく企業の業績や流動資産などのいわゆるファンダメンタルズについては、全く注目していないという人がほとんどでしょう。
そうなると、チャートのトレンドにしたがって売買を繰り返すことになります。
ナンピン買いは、そのトレンドとは逆の方向に売買を行うことになります。
短期売買の場合は、そのトレンドに逆らうことは絶対に行ってはいけないことです。
ナンピン買いを行っているということは、価格が下がっているわけですが、それはトレンドが転換している可能性があるため、ますます損失を膨らませている可能性が大きいからです。
ですから、短期売買の場合は「下手なナンピンすかんぴん」はとても重要な格言ということです。
しかし、私はナンピン買いはとても有効な方法だと考えているのですが、その理由をお話しさせていただきたいと思います。
企業の価値と株価を比較
私はデイトレードのような短期間の売買は行いません。
私の投資は長期投資の部類に入るものですが、それは会社の本来の価値と株価を比較して、株価が価値よりも割安ならば投資するという方法です。
本来の価値よりも株価が割安ということは、誰にも注目されていない可能性が高く、本来の価値に多くの人が気が付くまでにかなりの時間がかかることがあります。
そのため、保有期間が長くなりがちだということです。
もちろん今日買って、その日のうちに本来の価値に気が付いて一気に株価が上がれば、売ってしまうかもしれませんが、ストップ高の制度もありますし、その日のうちに株価が上がりきることは基本はありません。
具体的にお話しすると、本来の価値が1株1000円の企業の株価が、今現在500円ならばそこで購入して1000円になるのを待つわけですが、逆に300円になった場合は、買い増すこと、つまりナンピン買いをすることが多いです。
1000円になるまで待てばよい中で、300円になっているということは、まさにバーゲンセールですから即購入ですよね。
そして、また待てばよいわけです。
株価下落の原因を検証
しかし、ナンピン買いするためには、株価の下落の原因を確認する作業がとても重要です。
株価が下落するには何かの原因があるわけですが、その原因が経営の問題であったりすると、株価が下がるのは当然ですし、そこからまた株価が上がってくるということは、通常は考えられないものです。
そこで何も調べることなくナンピン買いをしてしまうと、大きな損失だけを抱えている状況を作り出すことになります。
ですから、株価の下落の原因が何なのかということは常に調べることが大切であり、ナンピンすべきかどうかの判断にも重要になります。
例えば、株式相場全体が下落しているような場合は、経営が健全であっても全体に引きずられて下がることが多いです。
そして経営は以前として健全である場合は、相場の下落が理由と考えてナンピンしてもよいと判断し、さらに買い増していくというようなイメージが分かりやすいかもしれませんね。
まとめ
ナンピン買いについては、短期売買の場合は基本的にはすべてNGになるでしょう。
しかし、長期投資で企業の価値をしっかりと捉えることができるのであれば、ナンピン買いは強力な武器となるはずです。