企業が持つ不動産を評価しなければ投資判断を誤る?
企業の評価は経営能力を見れば十分?
株式投資を行う際には、その企業の経営によってどれだけの利益を得ているのかということを検証する必要があります。
そのためには、企業が発表している有価証券報告書や四半期報告書、決算短信などを読んで、どれだけ経営が上手くなされているのかということを見るはずです。
企業が達成している売上高を見ることはもちろんですが、営業利益や経常利益なども見る必要がありますし、健全な経営がなされているかどうかを見るためには、過去10年程度さかのぼってみる必要があります。
過去を見ることで、経営が本当に健全になされているかがわかるのであり、その年の決算はすごくても、過去はめちゃめちゃな経営をしている場合は、投資対象にはならないということが分かるからです。
しかし、経営が上手くなされているか、ということだけを見ればよいというわけではなく、その企業がどのような資産を保有しているか、ということもとても重要なことです。
多くの方があまり注目しないものとして、企業が保有している不動産があります。
不動産にはいろんな種類のものがあり、例えば投資用に不動産を購入している場合もありますし、賃貸経営をするためにビルを所有している場合、店舗を持つために不動産を購入している場合など、たくさんの理由で不動産を保有していることが多いです。
ですから、不動産も当然その企業の資産として計算しなければ、実は投資対象であったけれど、見落としてしまうという結果になるかもしれません。
不動産はどこで調べる?
では企業が保有している不動産については、どこで調べればよいのでしょうか?
やはり、その企業が公開している有価証券報告書や決算短信を見て判断することになります。
企業が持っている不動産について、決算期末に保有している金額が記載されているため、ある程度の判断が可能です。
不動産をたくさん保有している会社
不動産をたくさん所有している会社は、やはり大手不動産会社です。
不動産を使った経営をしているわけですから、たくさんの不動産を保有しているのも当然ですよね。
中でもダントツで1位なのが、三菱地所です。
三菱地所は、東京・丸の内エリアの開発などで知っている方も多いのではないかと思いますが、そのような場所は説明する必要もなく地価が高いということが分かると思います。
その金額は、2兆5千億円を超えているようです。
驚くほどの金額ですが、この金額を一社が保有しているわけです。
そして、意外と知られていないのが鉄道会社です。
鉄道会社は、駅や線路を保有しているということに気が付かない方が多いですが、言うまでもなくこれらは鉄道会社が保有しています。
線路はかなり長いですから、その土地となるとかなり大きくなることが分かると思います。
そして、駅に隣接している駅ビルなども鉄道会社が保有していることが多いのですが、駅近の物件って価格が高いですよね。
それらを保有している鉄道会社は、かなりの不動産を保有していることになります。
これらの資産を無視してしまうと、投資判断は間違ってしまうことになりますね。
会社を丸ごと評価する
株式投資をするためには、企業の価値を評価する必要があるわけですが、その場合は企業がどれだけ利益を上げるのか、ということと合わせて資産をどれだけ保有しているか、ということも合わせて評価しなければなりません。
ですから、会社を丸ごと評価する、持っている能力や資産をすべて含めて評価する必要があります。
それによって、今の株価が割安なのか割高なのかということが判断できるわけです。
その意味では、決算短信や有価証券報告書は宝が記載されている書類ということが言えますね。
まとめ
企業を評価する場合は、その経営能力とともに資産をいかに計算するということも重要です。
金融機関は企業にお金を融資する場合は、その企業が持っている不動産などを担保に取るものです。
投資をする場合も、それだけ重要な不動産を無視しては正当な評価ができませんね。
土地をたくさん持っているという理由だけで投資の判断はできない、と同時に経営能力だけでも投資の判断はできません。
全てを総合的に見る目が、投資家には必要になります。