はちみつが風邪薬よりも風邪に効く。その研究を調べてみました。
抗生剤、抗生物質は風邪には無意味?
風邪をひいてしまった場合は、どのような対処をされるでしょうか?
基本的には、風邪には特効薬がないので、家でじっと寝ているのが効果的であるとか言われますね。
また、病院に行って診察してもらって、薬をもらって家で安静にしているという方も多いでしょう。
その風邪に出される薬が最近問題になっているのはご存知でしょうか?
病院で出される薬って、咳止めとか痰を出しやすくする薬、解熱剤とか総合感冒薬などだと思います。
そして、中には抗生剤を処方する病院があるということで、この抗生剤、抗生物質が風邪に意味がないために問題になっているようです。
安易に抗生剤を処方する医者がいるということに合わせて、抗生剤の処方をお願いする患者の側にも問題があるとのこと。
風邪に関しては、ほとんどの場合は、ウイルスが原因で風邪にかかっています。
新型コロナウイルスは、ウイルスという名前がついているためにわかりやすいですが、一般的な風邪も新型ではない、普通のコロナウイルスによってかかっていることがほとんどのようです。
そして、抗生物質はウイルスには効果がないもので、抗生物質が効果があるのは細菌に対してです。
風邪などのウイルスに対して効果を発揮するのは、抗ウイルス剤であり抗生剤ではありません。
お医者さんの立場では、多くの方が抗生剤は風邪には効果がないということを理解されています。
そのため、最近では安易に抗生剤を処方されるということは減っているようですが、患者さんから強く抗生剤の処方を求められると、仕方なく処方されることが多いようです。
患者さんの中には、抗生剤で風邪が治ったという経験があるということで、強く抗生剤を求める方がいらっしゃるようなのですが、医学的に言うと、抗生剤がきいたから風邪が治ったのではなく、単純に自然に風邪が治っただけであり、おそらく抗生剤は効果を発揮していないそうです。
ですから、風邪をひいてしまった場合には、抗生剤はほぼ意味がないということを理解して、お医者さんと相談することが重要ですね。
ただ、中には細菌がもとで風邪になっている場合も、少ないながらあるようなのでそこはプロの医療従事者の意見を聞いてみるしかないです。
具体的には、マイコプラズマとかクラミジアと呼ばれる細菌などがもとで風邪になることがあり、それは全体の10~20%程度と言われています。
このような知識を私たちも持っていることで、効果的に風邪に対処できるというわけです。
風邪薬や抗生物質よりも効果が高い可能性があるもの
抗生物質、抗生剤の濫用が問題になっているために、それに代わるものがないかという研究がたくさんおこなわれているようです。
代わりになるものが見つかれば、抗生物質もここぞというときに使うだけでよくなるために、抗生剤に耐性をつけた耐性菌の発生が防げるということで、研究もかなり進んでいるようですよ。
その研究の中から、私たちが本当に手軽に利用することができるものが、報告されています。
それは、「はちみつ」です。
はちみつが風邪に効果があるというのは、英オックスフォード大学医学部の研究によって報告されています。
「BMJ Evidence-Based Medicine」に発表されているのですが、CNNなどでもこの研究の内容が取り上げられているようです。
この研究によると、市販の咳止めシロップや感冒薬および抗アレルギー薬、鎮痛薬などによる、いわゆる通常の治療を受けた成人や小児と、はちみつを摂取したグループとの比較を行っています。
その結果、蜂蜜を摂取した成人や小児の方が、咳の重症度や頻度が低かったという報告がなされているのです。
この研究を行った研究者はこのように結論を述べています。
今回の研究で対象とした試験のほとんどが、咳症状に対する蜂蜜の効果について検討したものだった。そのため、得られたエビデンスは、咳症状に対する蜂蜜の有効性を、強力に裏付けるものだといえる。
そして、さらに次のように述べています。
風邪をひいた人が細菌に二次感染した場合などには、抗菌薬が必要になることもあるが、基本的に、風邪の症状に抗菌薬を処方しても無意味だ。
風邪に関しては、いろんな薬が販売されていますし、病院でもいろんな薬が処方されますが、それらの効果よりもはちみつの方が効果が高いというこの研究には注目ですよね。
この研究では、咳に対しての効果が中心に調べられてるようですが、検証したデータの中には、のどの炎症にも効果を示しているものもあり、風邪全般に効果がある可能性があると報告しているようです。
はちみつの効果について
はちみつは、アンチエイジングや美容にもとても重要な効果がたくさんあるということで、多くの方が生活に取り入れているのではないでしょうか?
そして、風邪にも効果があるかもしれない、ということになれば、ますますはちみつへの注目が高まるというものですよね。
なぜ、はちみつが風邪に効果があるのか、という質問に対しては、まだ明確な答えが出ていないようなのですが、いくつかの仮説は立てられています。
まず、はちみつには抗酸化物質が含まれていることから、抗菌作用や抗炎症作用があることなどが、他の研究などで報告されています。
抗菌作用や抗炎症作用によって、風邪の諸症状を緩和するということは十分に考えられることなのだそうです。
また、はちみつには、ビタミンB群やビタミンCなども含まれていることから、風邪からの回復のために、身体の免疫機能に有効に働いている可能性もあるようです。
このような理由から、はちみつは比較的安く手に入りますし、副作用もないために、風邪の効果についてかなり注目されているようです。
どのように摂取するべきか?
そのはちみつを、どのように摂取すれば風邪に対する効果が高くなるのでしょうか?
摂取の方法については、この方法が良いという明確なものは明らかになっていないようです。
はちみつをスプーン1杯分をそのまま食べるべきか、あるいは紅茶に混ぜて飲むべきなのかなど、いろんな食べ方や飲み方がありますが、先ほどの研究では、はちみつは今のところ、自分の好きな食べ方や飲み方で摂取するのが良いかもしれない、という結論のようです。
私個人の考えでは、はちみつに含まれている栄養は熱に弱い物がありますので、すべてを効果的に摂取したいのであれば、スプーン一杯をそのまま食べるのが良いのではないかと思います。
また、レモンのはちみつ漬けは、さっぱりとしていて、風邪をひいていても食べやすいと思いますし、レモンの成分も摂ることができますから、良い方法なのではないでしょうか?
しかし、研究では紅茶などに入れてもよいということですので、そこは自分の好みでよいと思います。
まとめ
はちみつは、アンチエイジングや健康にとても効果が高いと言われていますが、風邪にも効果が高いというのは注目ですよね。
しかし、どのはちみつでもよいというわけではなく、効果が高いのは熱処理をされていない、いわゆる天然のはちみつです。
スーパーなどで売られているはちみつは、熱処理されていたり、何らかの加工がされている可能性がありますので、天然のはちみつかどうかを、成分などを確認する必要はありますね。
また、風邪をできるだけ早く治したいからといって、たくさんはちみつを食べるというのもよくありません。
やはり適量の摂取というのが大切です。
はちみつの適量は、一般的にはスプーン1杯を一日3回程度と言われています。
風邪をひいたときにも、これを守るのが良い方法だと思います。