記憶力を高めるためには「思い出す」?
記憶力が上がらない
記憶力を上げるために、いろんなことを試してみました。
たくさんの本を読んでみたり、YouTubeなどの動画で紹介されていることを試してみたり、それはそれはいろんなことを試してみたものです。
アメリカのドラマのスーツに出てくる、マイク・ロスのように写真のような記憶力にいつもあこがれていた私は、そういった方法がきっとあるのだろうと考えて、いろんな方法を試していたのです。
しかし、全く記憶力が良くなったと実感したことがありませんでした。
それはそれはいろんな方法を試したのですが、全く効果を感じないのです。
記憶しなければならないことは、どんな年齢になっても絶対に存在しますよね。
学生ならばいろんなことを記憶しなければならないのはもちろんですが、社会人になった後も記憶することは本当にたくさんあります。
ですから、いくつになっても優れた記憶力というのは、自分の武器になると考えてよいと思います。
しかし、その武器をいくら鍛えよう、磨いておこうと思っても、切れ味鈍いままなのです。
記憶力ということで苦労すると言えば、英単語ではないでしょうか?
おそらく誰もが一度は記憶することに苦労したことがあるはずです。
英語を話すためには、やはりできる限りたくさんの英単語を暗記しておくことが大前提になります。
英語を話す国に生まれてネイティブラングエッジが英語になっている方は別ですが、英単語を何の苦労のなく、すらすらと記憶できた、という方はあまりいらっしゃらないでしょう。
ネイティブならば、両親が子供にゆっくりと話しかけて、英語を覚えられるようになるわけで、まあ5歳ぐらいになると日常会話は問題ない、という感じになるのでしょうか?
ですから、24時間×365日×5年という時間が英語習得に充てられるわけで、それはそれはうらやましい環境ですよね。
私たちも日本語に関してはそのような環境で習得したわけですが。
英語がネイティブではない私たちは、ネイティブよりも少ない時間でネイティブと同じように話せるようになりたい、という場合は効率的に英単語を記憶していかなければ、とてもではないけれど時間が足りないですよね。
しかし、記憶しようとして英単語に向かい合うけれど、覚えるそばから英単語が抜け落ちていくような感覚で、全く記憶ができないのは私だけではないはず。
まず、書いて書いて記憶しようとして、全く記憶ができない・・・
1単語1秒で素早く何度も見ることで記憶することができる、という方法を聞いて試してみるけれど記憶ができない・・・
イメージを利用して記憶する、語源を理解して記憶、接頭語接尾語の意味を考えて記憶、いろんな方法がありますが、どれも記憶力を高めるきっかけにはならなかったです。
英単語でお話ししましたが、これは歴史の年号や事件の内容、化学の元素記号、数学の公式、ありとあらゆることに共通するもので、記憶を高めることができませんでした。
記憶の方法は人それぞれ
しかし、これまでお話ししてきた記憶法が全く意味がないということを言っているのではありません。
それで記憶できている方がいらっしゃるから、その方法が広く取り入れられているのですから。
しかし、記憶に関しては、個人差があるということが忘れられているようです。
この方法ならば誰もが記憶できる、というような感じでいろんな方法が紹介されていますが、そんな方法は存在しないと考えてよいと思います。
自分に合わないと判断した場合は、別の方法に切り替えて自分に合った記憶法を探していく、ということもまた重要なことです。
継続していくことは重要なのですが、それは学習を継続していくということが重要なのであって、自分にあっていない記憶法を継続していくということではない、ということを理解する必要がありますね。
記憶力を高めるために必要だったこと
そして記憶力を高めるためには、脳の働き方を知る必要があります。
脳の働きと言っても、そんなに難しいことではなく、こちらを参考にしていただければすぐに理解していただけると思います。
そして、脳の仕組みのようなものを理解したときに、私の記憶の方法にかけているな、と感じたものがありました。
それは、「思い出す」という作業がないということです。
思い出す、ということは言葉でいうのは簡単なのですが、実際行えているかどうかは微妙なところが多いものです。
1秒に1つの単語を見て記憶するという場合、また紙に書いて記憶するという場合も同じですが、思い出すという作業が全く含まれていない人がほとんどです。
重要なことは思い出すということをどこかの段階で入れなければ、記憶することができないということです。
1秒に1単語の場合、思い出すという時間が含まれることはほぼないと考えてよいでしょう。
紙に書いている場合も、覚えるべきものを見ながら紙に書いていることが多いはず。
そうなると思い出すという作業が全くないわけです。
私自身も思いだす作業を全く行わないで、英単語を見ては記憶したつもりになって、また忘れてということを繰り返していました。
自分ではできる限りのことをやっているつもりなのに、覚えられないというもどかしい気持ち、悔しい気持ちになっていたのですが、この思い出すという簡単な作業に全く気が付かなかったのです。
どのように思い出すのか?
思い出すということがどのようなことなのか、今一つピンとこない、という方もいらっしゃるかもしれません。
簡単に言えば、自分自身でテストを行えばよいのです。
理想的なのは、自分が覚えたいもののテストを自分で作成したり、誰かに作成してもらってそれを解く、というのが一番効果的かもしれませんが、そんなことをしていられないという方がほとんどですよね。
ですから、テストの方法、形式は全く考える必要はなくて、ただ覚えているかどうかを確認できれば良いのです。
英単語を思い出す場合は、日本語を見て英語を思い出せるかどうか、逆に英単語を見て日本語の意味を思い出せるかどうか、ということを行ってみることです。
答えを紙や手で隠して、覚えているか確認するだけでOKです。
この思い出すという作業を入れるか入れないかで、記憶に定着するかどうかが格段に変わってきます。
思い出せれば、それで良く思い出せないものは覚えなおす、という作業を繰り返すことで、記憶は定着していきます。
もちろん思い出せたものも、時間がたてば忘れてしまうことがありますので、定期的な復習が必要になります。
それはスペースドレペティション、分散学習と呼ばれる方法で復習を行っていくことで、長期記憶に保存することができるようになります。
この方法で、覚えたいことを以前よりも効果的に記憶できるようになったと私は感じています。
そして、この思い出すという方法を、もっと若いうちから知っていればと思うと残念にも感じてしまうのですが、今からでも十分に活用できると考えて自分を納得させるようにしています。
まとめ
脳の健康やアンチエイジングは、とても重要なことですが、記憶しようとすることは脳にとってとても大切な活動になります。
記憶力が悪くなったとあきらめてしまっては、脳の健康やアンチエイジングには良くないですから、何か新しく学習することをお勧めします。
そしてそれを継続していけば、いくつになっても学ぶ力が磨かれていくと思います。