学習効果を上げたい場合、オーバーラーニングが有効です。
学習方法がわからない
学習方法にはいろんなものがあるのですが、どれが一番自分にあっているのか、ということがよくわからない方が多いかもしれません。
学習方法、勉強法というのは、個人個人で効果があるものが違いますので、自分に合ったものを選ぶということが本当に大切なのですが、それが面倒で効果の高い方法を選んでやっていきたい、というある意味ずぼらな方も多いわけです。
もちろん、効果が高いという方法を試して、それで効果を感じることができれば、それが一番手っ取り早い方法ということですね。
オーバーラーニング
一流の人ほど行っていると言われている方法がオーバーラーニングというものです。
オーバーラーニングというのは、習得したと思えるスキルをさらに練習するということです。
こう聞くと単なる復習のように感じるかもしれません。
確かに復習することは、学習を定着させるためには必要なものなのですが、オーバーラーニングと復習は似ているようで、少しだけ違います。
2017年にブラウン大学での研究で、オーバーラーニングの効果が検証されています。
その方法は2つのグループに分けて、それぞれ違った方法で学習してもらうというものです。
一つのグループは、「十分にうまくできるようになった」と思ったら学習をやめ、30分の休憩をはさんでから別のスキルのトレーニングを行ってもらいました。
もう一方のグループは、「十分にうまくできるようになった」と思っても、20~30分だけ同じ訓練を継続。その後、30分の休憩をはさんでから別のスキルのトレーニングを行いました。
違いは、十分にうまくできるようになった、と思った後の訓練があるかないかということだけですね。
結果は、オーバーラーニングをしたグループは、1番目に学習した内容をとてもよく記憶して、2番目に学んだ内容も覚えていました。
オーバーラーニングをしなかったグループは、2番目に学んだ内容だけを記憶していて、1番目に学んだことは覚えていなかったということです。
これが意味することは、十分に記憶できた、習得できたと思っても、30分ほどさらに学びなおすということがとても重要ということですね。
どうでしょうか、十分に記憶できたと考えたら、そこで終わりにしていないでしょうか?
そこで、もう一度確認の意味で、学習しなおすということが一流への道ということになりそうですね。
なぜオーバーラーニングが有効なのか?
オーバーラーニングがなぜ重要なのか、ということも研究されているようで、その理由も明らかになりつつあるようです。
私たちの脳は、学習モードになると当然たくさんの情報を記憶しようとします。
たくさんの情報を積極的に取り入れていく、というモードですので当然学習過程では必要なモードということになりますね。
そして、その状態がずっと続いてしまうと、脳はどんどん情報を取り入れていこうとするわけですが、そこでちょっと不都合が起きてしまいます。
それは何かというと、たくさんの情報が入ってきてしまうために、最初に入ってきた情報が漏れ出てしまうのです。
バケツをイメージするとわかりやすいと思うのですが、水を入れていくとある程度までは水が溜まりますが、それ以降は漏れ出てしまいますよね。
それと同じような状況が脳でも作られてしまうわけです。
ですから、先ほどの研究でオーバーラーニングを行わなかったグループは、最初に学習したことは覚えていないで、後から学習したことだけを覚えていたということです。
この情報が漏れてしまうことを防ぐのがオーバーラーニングです。
これで完全に覚えた、というところでさらにオーバーラーニングで同じことを学習すると、脳は定着モードとも呼べるような状態になります。
取り込んだ情報を定着させようとするわけです。
学んだことをさらに学習することで、脳は積極的に情報を残そうとするのです。
その結果、最初に学んだ情報が漏れ出てしまうことなく、脳に定着させる効果が高くなるということですね。
それが研究の結果にもろに出ていたということです。
まとめ
学習においてはオーバーラーニングがとても重要です。
学習というのは勉強だけではありません。
スポーツもそうですし、仕事においてもこのオーバーラーニングというテクニックがきっと役に立つと思います。