脳の働きを改善させることができる!ある研究結果を見ればそれがわかる。
脳は変わり続ける
脳は常に変化し続けているということはお話しさせていただきました。
直接見ることができないために、脳の変化については実感が難しいところがありますよね。
感覚的なことでしか判断ができないような気がしてしまいます。
しかしながら、脳は常に変わり続けているということは、「もう年だから」という言葉は単なる言い訳でしかないのかもしれません。
- 年だから記憶力が落ちてきた
- 年だから言いたいことが思い出せない
- 人の名前を覚えられない
こういったことが年齢ではなく、脳が変化していないだけという可能性はないでしょうか?
脳を変化させるものは運動
脳を変化させるものというのは、やはり新しい刺激が必要ですよね。
以前から通常の生活に、少しコスパを考えた生活に変えることで、節約しながら新しい刺激を与えることをお話ししていました。
新しい刺激を経験することで、脳は新しいネットワークを作るために変化を起こします。
それがとても重要です。
そして新しい刺激とともに、もっと重要かもしれませんが、脳を変化させるために必要なのが、実は運動なのです。
運動をすることで脳の各領域の連携がよりスムーズにいくようになると、様々な研究で報告されています。
ある研究では、60歳の被験者を二つのグループに分けました。
- 週に数回ウォーキングを1年間続けるグループ
- 頻度は同じで心拍数が上がらない程度の軽い運動を行うグループ
この2つに分けてMRIで脳の検査を、研究前と1年後で受けたそうです。
この研究で分かったことは、ウォーキングを行ったグループは健康になったのはもちろんですが、脳の働きも改善されたのです。
MRIの画像では、脳葉の連携、例えば側頭葉と前頭葉、側頭葉と後頭葉の連携が強化されていたことが分かったのです。
これはつまり、脳の各領域がそれぞれ協調しながら、しっかりと連携しているということを意味しています。
この研究に加えて、さらに若い人たちが被験者となって行われた研究でも全く同じ結果が報告されています。
身体をよく動かしたグループの方が、脳の各領域の連携がスムーズになり、明らかに若返っていたという結果です。
実験は1年間ですが、その1年間全く加齢が進んでいないどころか、各領域の連携が強化されているのです。
一般的に頭が良いと言われる方は、脳の各領域の連携がとてもスムーズであるということが研究によって明らかになっています。
さらなる効果
身体を動かすことの効果はさらにあったといいます。
それは心理テストを行った結果、「実行制御」と呼ばれる認知機能が、より良く身体を動かしたグループにおいて向上していることが分かったというのです。
実行制御というのは、自発的に行動する、計画を立てる、注意力を制御するなど、実生活において重要な機能です。
これらの実験によって、身体を動かすことによって、脳の機能は強化されることが分かったと思います
身体を活発に動かした人の脳は機能が向上するのはもちろんですが、脳の各領域の連携が強化されるという意味で、加齢による悪影響は抑制され、脳が若返るということが期待できるのです。
身体を動かすことで、例えばランニングをすることで体力が向上する、筋トレをすることで筋肉が大きくなる、ということはすぐにわかると思います。
しかし、同時に脳も強化されているということが研究で報告されているのです。
これはもう今日から運動するしかないですよね。
だって、メリットしかないじゃないですか、運動することって。
最近物忘れが激しい
最近物忘れが激しい、覚えようとしてもすぐに忘れてしまう、ということを感じていますか?
では、少し日常生活を振り返ってみるとどうでしょうか?
運動はしっかりと足りていますか?
おそらく座ってばかりの生活を送っていることが多いと思います。
そして、ファーストフードやスナック菓子をずっと食べているとしたら、それはもう、どうぞ脳の老化よ進んでください、と言っているようなものですね。
そんな場合はすぐに座るのをやめて、運動をしましょう。
ウォーキングでもランニングでジョギングでもなんでもよいので、運動を行うことで脳の各領域の連携を改善してスムーズにすることで、脳を蘇らせることができるかもしれません。
アメリカのドラマのエリート
最近は日本のドラマでもたまに見るかもしれませんが、よく見るのはアメリカのドラマに出てくるエリートが行うことです。
それは出社の前にジムに行って汗をかいてから会社に向かうというシーン。
どうですか、見たことがないですか?
これは、見た目の美しさをキープするため、ということはもちろん意図されていると思いますが、さらに脳をしっかりと働かせるために行われているということでもあります。
仕事の前に脳のチューンアップをして、日中は最高のパフォーマンスを発揮するということですね。
さて、自分を顧みてどうでしょうか?
ギリギリまで寝て、朝食を流し込むように食べて、駅に向かって満員電車に乗る。
かなり違いますね。
もちろん遺伝的に夜型の人がいるということが、研究によってわかっていますので、無理やり朝に運動をする必要はないかもしれません。
しかし、できれば日中のどこかのタイミングで運動は入れていきたいものです。
まとめ
頭が良くて、いつも営業成績が良い人、学校の成績がいつもトップ、というような人はあまり努力していないように見えることがありますよね。
彼ら彼女らは、おそらく脳の各領域の連携がとてつもなくスムーズなのだろうと思います。
しかし、それが今では誰でも実現可能かもしれないということが、いろんな研究で明らかになっています。
まずは、今日から運動を取り入れて、営業成績や学習効率などを上げていきましょう。
少しの運動でも効果はあるのですが、最大の効果を期待したいのであれば、運動は継続して行うことです。
実験では1年後の結果を報告していましたよね。
ですから、運動は継続できる運動から始めることがとても重要ですよ。
しかし、今まで全く運動をする習慣がないという場合は、運動を始めるのが面倒でなかなか始められない、ということがあるかもしれません。
同時に、脳を鍛えるためには、やはり運動を行う必要がありますので、何とかして運動をする必要があるのですが、そのような場合は、日ごろの生活の中でできるだけ動くということを意識することから始めてはいかがでしょうか?
駅まで歩いているのであれば、その歩き方はいつもよりも早歩きにしてみるとか、エスカレーターやエレベータを使わないで、できるだけ階段を使うようにするなどの工夫です。
実は日常生活の中でも、運動できる瞬間というのはかなりたくさんあると思います。
その意識をもって生活をして、少し身体が動かせるようになってきたな、と感じてきたときには、きっと少しぐらい運動してみよう、という気持ちになっていると思います。
そうなったときに、運動の習慣をつけるようにしていくというのが、運動習慣のない方には無理のない方法かもしれませんね。
無理ないことから始めることが習慣化の基本ですから。