「東大式スマホ勉強術 いつでもどこでも効率的に学習する新時代の独学法」(西岡 壱誠 著)を読んだ感想
自己管理ができない
勉強する、読書をする、仕事をするなど、なんでもよいのですが自分の思い通りに進んだことがある、という方はいらっしゃるでしょうか?
そして、それを毎日のように継続していく、ということが可能だという方はいらっしゃるのでしょうか?
自分の思い通りにことが進む、ということは仕事や勉強を成功させるためにはとても大切なことだと思いますが、なかなか自分の思い通りには進まないものです。
スケジュールを立てても、そのスケジュール通りにことは進むことは稀で、ほとんどが計画倒れに終わってしまう、ということは誰もが経験していることではないかと思います。
そして、この経験はほとんど誰もが持っているもののようですね。
そもそも私たち人間は、一人で何かを行おうというすると、怠けることができる環境になるわけですが、怠けることができる環境になると、しっかりと怠けることができる、という優れた性質を持っているようです。
これは、もれなく当てはまる性質のようで、それがゆえにプロのスポーツ選手はコーチやトレーナー、栄養士などを雇って自分自身を管理してもらったりしています。
プロのアスリートですら、自分自身をコントロールすることができないのですから、プロではない私たちも、計画を実行できないとしても、何も恥じることはない、ということが言えます。
しかし、私たちも仕事や勉強で成功したい、パフォーマンスを向上させたい、という気持ちを持っています。
そんな私たちは、いったいどうやって自分自身をコントロールしていけばよいのでしょうか?
自分自身に打ち勝つということがとても大切になるわけですが、自分自身はかなり強敵だということは誰もが経験しています。
ですから、自分自身に勝つためには根性や努力だけではどうにもならない、ということも理解されているはずです。
しかし、コーチやトレーナーなどを雇うこともできません。
そこで、自分自身を管理監督するためには、格安で使え、かつ簡単に使えるようなツールが必要になります。
そんな便利なツールがあるのでしょうか?
スマホで自己管理
すでに自分をコントロールするために多くの方が使っているツールがスマートフォンです。
しかし、スマートフォンは役に立つツールだということはわかっていますが、それをどう使えばよいのかわからない、ということで本書を読んでみたのです。
勉強における最大の敵は自分である、というのは、この「元来ナマケモノな自分」のことです。
(25ページ)
先ほどから述べてきたことが、この1行に集約されているような気がしますね。
ナマケモノの自分に打ち勝つためには、自分の根性だけではだめだということも書かれていました。
自分を変えたいと思うのなら、自分の中のナマケモノを退治したいと思うのであれば、自分に頼っていてはいけません。テクノロジーの力を借りるべきです。スマホや機械の力を借りればいいのです。
(26ページ)
朝起きるときには、目覚まし時計を使う方がほとんどだと思いますが、これもやはりテクノロジーの力ということができますよね。
「明日は絶対に遅刻できないから、気合を入れて朝6時に起きるぞ!!」
ということを誰かに話したらどんな反応が返ってくるでしょうか?
真面目に言ってる?
というわかりやすい反応がかえってくるはずです。
しかし、仕事や勉強に関しては、この目覚まし時計のように自分を管理するツールを使わない人がほとんどのように感じます。
逆に言えば、スマホを上手に使うことができれば、他の人と差をつけるチャンスになるのかもしれませんね。
データ化の重要性
そして、スマホを使って自己管理を行う場合には、自分が行ったことをデータ化して分析することが可能です。
自分がどれだけ勉強していて、どういう科目で時間がかかっているのかを記録として残して、グラフなどで管理できるようになったのです。
(28ページ)
勉強でも仕事でも同じなのですが、成績が良い人というのは自分の目標、やらなければならないタスクを数値化してとらえているものです。
抽象的なものは、自分ではわかっているつもりでも、わかっていないことが本当に多いものです。
自分のレベルはいま現状ではどのようなところにあるのか、何をどこまでやれば次のレベルにまでアップするのか、などを具体的な数字として示してくれるアプリなどがスマホにはたくさんありますので、活用しない手はないですよね。
そして、自分に対して厳しい目を向けて、反省して次に活かすためには、自分の行ってきたことを数値化して評価するということが不可欠です。
しかし、元来ナマケモノの私たちは、数値化されていない場合、どこが悪いのかがわからないため、「まっ、いいか。」という気持ちになって自分を評価することができないものです。
しかし、数値で考えることができれば、自分の弱点などが一目でわかるため、自己分析や反省なども行うことが簡単にできます。
そして、良い結果が出た時には、ご褒美を与える、というようなこともできるのも魅力ですよね。
SNSを上手に活用する
スマホ、特にSNSは不定期に着信があるなど、集中力をすり減らすような効果があります。
マルチタスクになってしまうため、一つのことに集中することができない、ということが指摘されています。
しかし、SNSもうまく活用することで、日ごろのパフォーマンスを上げることができたり、目標達成のために使うことが可能です。
本書では、目標を達成するためにはその目標を回りに宣言して、やるしかないというような環境を作ることのメリットが書かれています。
しかし、周りに宣言することはなんとなく恥ずかしかったり、他人から君にはそんなことは無理だからやめておけ、というマイナスのアドバイスを受けてしまうことがあるため、躊躇してしまうことも多いと思います。
やめておきなさい、というアドバイスも多くの場合は善意から出てきてるものなので、少々たちが悪いものですよね。
そこで、お勧めしたいのは身近な人に宣言するのではなくて、SNSで宣言してみるということです。
SNSならば自分であることがわからない状況で、宣言することができるのでそれほど抵抗がないのではないでしょうか?
もちろん本名でやることに抵抗がない、という場合はどんどんやっていくべきだと思いますが、多くの方はそれには抵抗があると思いますので、匿名でやるのも一つの方法だということです。
そして、SNSで目標を宣言するだけにとどめておくのは、本当にもったいないことで、自分と同じ目標と持つ人と、積極的に絡んでいくことで、情報交換するようにしましょう。
大切なことは、自分が持っている有益な情報は積極的にシェアするようにすること。
たとえSNSであっても、もらうことばかり考えていては、有益な情報が逆に入ってこないことが多いです。
何事も、まずは与えることから始めなければいけないのですね。
ライバルに知られたらどうしよう、というような気持ちを持つのではなく、同じ目標を持つ人と一緒に成長していこう、という気持ちを持つことをお勧めしたいと思います。
まとめ
スマホは、目に入るだけで集中力を阻害する可能性があるため、使い方には注意が必要になるツールです。
しかし、仕事や勉強の成果を上げるために使えるアプリなどが、本当にたくさんありますので、それらと上手に付き合うことで、集中力を落とすことなくスマホを使うことができれば、鬼に金棒ということですね。
上手なスマホの使い方を学びたい方には、本書はかなりお勧めですよ。