嫌なこと、ストレスを感じる場合は瞑想を!
嫌なことがあったときにどう対処するか?
日頃嫌なことがあったときには、何をしてそれを解消していますか?
多くの方は、運動をする、ジムに行って筋トレをしたり、有酸素運動をすることで日ごろの嫌なことを忘れたり、ストレスを解消したりします。
それはとても良い方法であり、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンやエンドルフィンなどが分泌されますので、気分も晴れやかになって、小さな悩みぐらいなら吹き飛んでしまうぐらいの威力があります。
そして、運動と合わせて注目されているのが「瞑想」です。
瞑想と言わないでマインドフルネスと呼ばれることもありますが、どちらもストレスなどにとても効果があると言われています。
瞑想が注目される理由
瞑想の効果については、瞑想はただの自己催眠だ、いや一過性の流行でしかない、というような感じで、あまり真面目に取り上げられなかったような印象が私にはあります。
それは、瞑想の時の脳の働きを調べる方法がなかったことが原因の一つとして考えられていますが、今は脳の状態を知ることができる医療機器がたくさんありますので、瞑想の効果が科学的に実証され始めています。
瞑想をすると、気分転換できるような気がするし、記憶力も高くなり、集中力も増していくため、良いことづくめのようなものだったのですが、科学的根拠が乏しいということで実践されなかった状況が、最近では大きく変わってきているのはこのためでしょう。
アメリカの大企業、GoogleやFacebookなどの他にも様々な企業で瞑想が取り入れられています。
瞑想の研究報告
瞑想の研究報告は本当にたくさんあるため、すべてを網羅することはできませんが、私が見る限りでは、瞑想には私たちに悪影響を与えるという報告はないように思います。
せいぜい効果なしという報告を見つけることができる程度です。
それに対して、瞑想に取り組むべきという報告の方がたくさんあるため、取り組まない方が損という印象が強いです。
著名な神経科学者で、ウィスコンシン大学マディソン校心理学精神医学教授のリチャード・デイビッドソン博士は瞑想の研究を行い、次のような報告をしています。
これは、瞑想歴の長い6人の修行僧を対象に行った研究を行い、脳内で何が起こるのかを脳波を測定した結果についての報告です。
その報告では、ニュートラルな状態から瞑想状態に移行するとき、脳内の(知覚や認知機能をつかさどる)ガンマ帯域で、同期化された高振幅の振動が長時間にわたって持続することが判明しています。
知覚や認知機能を司る場所が活性化しているということから、瞑想が直接的に精神的な活動に影響を与えているということが確認されたということです。
その後にマサチューセッツ総合病院精神医学部門およびハーバードメディカルスクールに所属するサラ・ラザー博士の率いる研究チームが研究を行っています。
その研究は、脳のどの部分が瞑想で活性化しているのか、ということを調べるものだったのですが、結果は脳の複数の部分が活性化していることが確認されました。
脳に変化を与える、多くの場所に影響を与えるということが分かったのですが、さらにそれがどのような効果をもたらすのか、ということが研究されています。
テロメアの長さを伸ばす
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究によると、瞑想はテロメアに優位に作用すると報告しています。
テロメアとは、私たちの染色体の先にあるもので、細胞分裂のたびに短くなると言われていて、なくなってしまうと細胞分裂が止まってしまうとされています。
しかし、瞑想はテロメアの短縮に関係するテロメラーゼの活性化に関係していることが、この研究で明らかになっているのです。
テロメラーゼはテロメアの短縮に関係し、テロメラーゼ活性が落ちればテロメアも短くなってしまうとされています。
ストレスなどでテロメラーゼ活性が落ちることがあるのですが、瞑想はそれも防止してくれるということですね。
テロメラーゼが活性化されることで、テロメアの長さに良い影響を与えることが研究で報告されているわけです。
テロメアは心臓疾患、糖尿病、肥満、変性疾患、そして寿命の短期化といった重篤な疾患や症状のリスク上昇と関連していると言われていますが、テロメアを健康に保つ瞑想はそのような病気の予防にも効果がありそうですね。
テロメアが長いということは、健康を維持できるということになり、それは当然脳にも良い影響を与えるものです。
健康な脳がどのような影響を私たちに与えるか、ということは説明するまでもないですよね。
ストレス軽減
瞑想にはストレス軽減の効果も感じることができるのですが、それを報告した研究もいくつかあります。
全インド医科大学で1か月にわたって行われた研究によると、以下のような報告がされています。
参加者34人にストレスを誘発するような経験をさせました。
そして、電気皮膚反応と心拍数、唾液コルチゾール(ストレスにさらされた人が放出するホルモン)の値を測定したのです。
その結果、瞑想により、参加者のIQと認知機能のスコアが有意に上昇する一方で、ストレスレベルは低下したという報告がなされています。
瞑想によって頭が良くなるということが示されているとともに、ストレスレベルが下がるという2つの効果がここでは確認されています。
ストレスレベルが低下しているということは、当然ストレスが解消されていることになりますので、瞑想はストレスにとても良い効果があるということができます。
この研究以外にも瞑想によって、血中のコルチゾールの値が優位に低いという研究報告は、とてもたくさんあります。
コルチゾールはストレスホルモンですので、ストレスを感じると分泌されるのですが、それが低いということは、ストレスに適切に対応できているという証拠です。
ストレスを感じることは人間ならば当然ですが、それが長時間続いてしまうと健康への被害が大きくなります。
瞑想を日ごろから行っていると、ストレスへの対処も上手になっていくということが、いくつかの研究で報告されていますので、日々瞑想を取り入れることが、ストレス社会で生きていくためには必須なのかもしれません。
瞑想の方法
瞑想の方法というのは、それほど細かいことにとらわれる必要はないようです。
時間も数時間行う人もいますが、数分でも十分に効果を引き出すことができるそうです。
姿勢も座ってやるのが一般的ですが、寝て行うこともできますし、壁にもたれて目を瞑って行うこともできます。
目を瞑って深呼吸をしながら自分の呼吸に意識を集中させる、ということができればどこでも、どんな姿勢でもできるというのですから、本当に簡単です。
それで先ほどのような効果が得られるのであれば、それは素晴らしいことですよね。
まとめ
瞑想を行うことで、様々な効果を手に入れることができる、ということが分かったのではないでしょうか?
筋トレや有酸素運動などのエクササイズはとても有効なのですが、それと合わせて瞑想を取り入れることもぜひ考えていくべきだと思います。
ストレスを強く感じるようなことが多い場合は、瞑想の有効性を感じることが比較的すぐにできるのではないでしょうか。
毎日人間関係がつらいという場合でも、瞑想を日々行うことでそのストレスが軽減されていくことで、ストレスへの対処が上手になっていくということが実感されていくはずです。