コーヒーは肝臓にも良い!酒飲みの方必見かも。
コーヒーの肝臓への好影響
コーヒーというと、最近は健康に良い飲み物というイメージが定着してきていますね。
コーヒーには、かなりたくさんの健康への良い効果が、研究で確認され続けているような印象が私にはあります。
以前は健康に良くないと言われていることもあったコーヒーですが、今ではむしろ積極的に飲むことを進める人も多いですよね。
そんな状況は、コーヒー好きの私としてはとてもうれしいものです。
基本的には、コーヒーの効果を積極的に取り入れたいという場合は、予防医学的な考えで飲むことがお勧めのようです。
簡単に言うと、いろんな不健康な状態や病気を予防するためにコーヒーを飲むという感じになります。
今回は、コーヒーが肝臓に与える効果について見てみたいと思います。
肝硬変を予防
肝硬変は、アルコールなどによって引き起こされることが多いのですが、それが進むと肝臓がんになることもあるため、予防することがとても重要です。
その肝硬変の予防にコーヒーが効果的であるという報告があります。
1992年、アメリカの研究者であるアーサー・クラッキー氏らによって、『コーヒーを飲む量が多いほど、アルコール摂取による肝硬変の危険性が下がる』というコホート研究が発表されました。
コホート研究とは、ある特定の疾患の起こる可能性がある要因・特性を考え、対象集団(コホート)を決め,その要因・特性を持った群(曝露群)と持たない群(非曝露群)に分け、疾患の罹患や改善・悪化の有無などを一定期間観察し、その要因・特性と疾患との関連性を明らかにする研究になります。
すごく簡単に言うと、コーヒーと飲む人と飲まない人を長い間観察して、どんな結果が出るかを見るという研究方法です。
そのため、対象とする群から直接結果が得られるため、信頼できるデータが集まる研究ですが、介入することなく観察することになりますので、結果を得るためにはかなり時間がかかると言われています。
先ほどの研究結果を報告したクラッキー氏らは、その後も12万5000人を対象に22年間追跡する研究を実践し、2006年には、「毎日4杯以上コーヒーを飲む人は、全く飲まない人に対して、アルコール性肝硬変の発症率が5分の1になる」という報告をしています。
この研究によって、おそらくコーヒーはアルコール性の肝硬変の予防に効果があるということが言えそうですね。
また、1980年代以降、コーヒーは肝機能検査の数値に良い効果があるということが、ノルウェーやイタリア、フィンランド、米国などからも多数発表されているのが現状です。
おそらくコーヒーは、肝機能に良い効果があるということは確定的ということですね。
確定的というのは、コーヒーが肝臓に良い効果を示すのですが、その原因が何なのかははっきりとはわかっていないからです。
しかし、コーヒーには健康に良い成分がたくさん含まれているために、それらが複合的に働くことで、肝臓に良い影響があるのだと考えられています。
抗酸化物質クロロゲン酸
コーヒーには、コーヒーポリフェノールとも呼ばれるクロロゲン酸が含まれています。
クロロゲン酸は抗酸化作用があるために、身体を酸化から守ってくれるとても強い味方です。
肝臓も酸化から守られることになりますので、肝臓の機能を正常に保つためにはとても重要な成分ということになりますね。
さらに、クロロゲン酸には血糖値を急上昇させない効果もあると言われています。
クロロゲン酸が血糖値の急上昇を抑制するのは、糖質分解酵素であるα-グルコシダーゼ、α-アミラーゼなどの働きを阻害するからだと言われています。
糖質は、そのままでは身体に吸収されずに、α-グルコシダーゼ、α-アミラーゼなどの酵素によって、細かく分解されて吸収されます。
たくさん身体に糖質が一気に入ってくると、糖質分解酵素がせっせと糖質を分解して体内に吸収させ、それが原因で血糖値スパイクなどが起こってしまいます。
しかし、クロロゲン酸はそれら糖質分解酵素の働きを阻害することで、糖質の吸収を緩やかにしてくれるため、血糖値の急激な上昇を抑えることができるわけです。
糖化を予防
血糖値を急上昇させることは、身体に様々な悪影響を与えてしまいます。
中でも、最近悪影響について話題になっている糖化があります。
体内にある余分な糖質がタンパク質と結合することによって、糖化が起こるのですが、これは身体が焦げると表現されることもあるもので、健康に悪影響を与えてしまうものです。
糖化は体中で起こるものですので、当然肝臓でも起こる可能性があり、肝臓が糖化の影響を受けると、当然肝臓は正常な機能ができなくなってしまいます。
クロロゲン酸によって、糖質が急激に吸収されることを防ぐことができれば、当然体内にある余分な糖質は減ることになりますので、糖化のリスクも低くなると言われています。
抗酸化作用を上げるために
これまで見てきた通り、コーヒーの効果はかなりすごいことがわかりましたね。
今回は肝臓に関する好影響について考えていますが、血糖値を急上昇させないという観点で考えると、糖尿病にも効果がありそうですよね。
実際に2型糖尿病にコーヒーが効果的に働くという研究報告もたくさんあります。
そして、クロロゲン酸の抗酸化作用をできれば、さらに効果的にしたいと思うのではないでしょうか?
クロロゲン酸などの抗酸化作用がある成分、ポリフェノールやビタミンC,Eなどの抗酸化作用があるものは、一つだけでも抗酸化作用があるのですが、いろんな種類がたくさん体内にあるほうが、より効果的に働くということが言われています。
ですから、コーヒーと一緒に抗酸化物質を含むものを食べると、さらに効果が高くなりそうですね。
とはいえ、コーヒーだけで飲むという方もいらっしゃると思いますが、コーヒーの効果をより高くしたい、という場合は日ごろから野菜や果物を中心にした生活にしていれば大丈夫です。
野菜や果物には、たくさんのポリフェノールやビタミン類が含まれていますし、食物繊維も豊富に含まれています。
ですから、日ごろから野菜や果物中心の生活にしていれば、自然と体内に抗酸化作用がある物質がたくさんある状態になります。
その状態でクロロゲン酸をコーヒーから摂取することができれば、体内ではクロロゲン酸が大活躍してくれるはずですよね。
まとめ
コーヒーが肝臓に好影響を与えてくれることを見てきました。
その効果の高さには驚いた方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか?
アルコール性の肝硬変にも予防効果があるということで、特にアルコール好き、酒飲みにはありがたい飲み物ですよね。
しかし、コーヒーを飲んでいるから、いくらでもアルコールを飲んでよいということには、もちろんなりませんのでそこはご注意を。
コーヒーの飲み方に関しては、やはりブラックが一番良いようです。
どうしても飲みにくいという場合は、ミルクを入れることがお好みで大丈夫なようですが、砂糖はできるだけ避けた方が良いでしょう。
せっかく血糖値を下げる効果があるのですから、それを最大限に活かすためには砂糖なしの方が良いのは想像できますよね。
そして、1日3~5杯程度を目安に飲むことが進められています。
しかし、1杯でも効果がないわけではないので、少なすぎるからと無理に飲む必要もないようです。
また、コーヒーにはカフェインが含まれていますので、飲む時間によっては睡眠に悪影響を与える可能性があります。
夕方以降は飲まないなどの基準を設けるなど、飲む時間にもご注意ください。