カビの悪影響を知ろう アンチエイジング、美容のために
カビは避けよう
有毒なものに身体がさらされると、人は当然不健康になります。
エクスポソームという概念があります。
米スタンフォード大学の遺伝学者マイケル・スナイダー氏によれば、我々の体はいつも目に見えない「雲」に包み込まれていると主張しています。
ですが、この雲を構成しているのは霊的なエネルギーなどの、不思議な存在などではありません。
多種多様な微生物やウイルス、化学物質、小さな虫などといった微粒子のことです。
このような見えない雲は人間が一般的な環境において化学物質などと取り込んでしまう暴露「エクスポソーム(Exposome)」と呼ばれ、最近ようやく科学のメスが入り始めた注目分野の一つです
この研究では、化学物質などと合わせて、カビも人体に影響を与えるものとして考えられています。
「カビ」は、俗名で真菌の仲間のことです。
糸状構造を有することから「糸状菌」とも呼ばれたりします。
1mm以下の肉眼では見ることのできない生物、つまり微生物になります。
分類上の仲間は菌類の『カビ、酵母、キノコ』があります。
カビは人間と同じ真核生物で、細菌に対して「真菌」と呼ばれます。
菌類が人間に感染すると真菌症と呼ばれ、カビ(菌類)の細胞だけにダメージを与え、人間には害の少ない薬物が限られるために治療が難しいことになります。
目に見えず、においもなくても、家の中のどこかにカビが生えていて、それが体調不良の原因になることが報告されています。
カビというのは、家のどこかに必ず生えているような存在です。
家の中で水漏れがあれば、まずまちがいなくカビが生えます。
あまり悪影響を感じないかもしれませんが、カビに対して弱い遺伝子を持っている人がいます。
そして、その遺伝子を持たない人でも、カビの悪影響は及んでいるのです。
最近の研究で指摘されているのは、カビに弱い遺伝子は、他の問題をコントロールする遺伝子と同じであり、他の問題をコントロールすることがうまくできなくなってしまうと言われています。
その遺伝子というのは、皮膚内のコラーゲン分解(肌のはりと弾力を保つための基本的な機能)、アレルギー、イースト菌感染症、アルル分解能力(分解できない毒素であるアセトアルデヒドが生成される)などへの感受性をコントロールする遺伝子のことです。
普通はカビ毒素からの悪影響を診断するのはむずかしいものです。
なぜなら、ほかの病気と症状が酷似しているからで、比較的一般的な症状が多いのです。
- 記憶障害、頭がすっきりしない、集中力の低下、実行機能の障害
- 疲労、虚弱、運動後の不快感と疲労感・筋肉のつりや痛み、炎症性関節炎以外の関節痛、長く続く神経の痛み、鋭い痛み・痺れ、ひりひりする痛み
- 光に対する過敏、目の充血、目のかすみ
- 頭痛
- 鼻の不調、咳、息切れ、空気飢餓感、喘息のような症状
- 声の震え
- めまい
- 腹痛、吐き気、下痢、食欲の変化
- 金属味
- 体重が減らない
- 寝汗、体温調節の不調
- 異常な喉の渇き
- 頻尿
- 静電気ショック
このような症状は、風邪や疲労などと同じのため、カビの悪影響であるとはあまり考えられません。
したがって、カビの影響は見過ごされやすいのです。
やはりカビが生えやすいのは、浴室やシャワーヘッド、浴室周辺の隅の部分です。
特に換気の悪い場所が危ないのは常識ですね。
浴室は常に湿気があり、冬場以外はカビにとってはかなり快適なため、繁殖しやすいです。
浴室の隅や、溝になっている場所には、本当に一生懸命掃除しますが、カビは生えてしまいます。
一つの原因は、浴室の天井にあります。
天井には、目に見えないですが、カビがはていることがあります。
なぜなら、あまり掃除されないからです。
天井にカビがあると、そこから胞子が降ってきて、床や壁などにカビを繁殖させてしまうのです。
ですから、お風呂の掃除の際には、ぜひとも天井の掃除をするようにお願いいたします。
そして、水道管に漏れがある場合は、洗面台の下にカビが生えてしまいます。
洗面台の水道管は経年劣化すると、気が付かないうちに、水滴が漏れるようになってしまうことがあります。
そうなると、気が付かないうちに、洗面台の下にカビが生えてしまいます。
時々チェックして、こまめに掃除するようにしてください。
そして、靴、ペット、衣類、絨毯、家具、本、紙にもカビは生えてしまいます。
できる限り太陽の下で、天日干しをできるものはしてください。
エアコン内部は、本当に要注意です。
エアコンは、あまり掃除しないという方が多いでしょう。
フィルターはたまに掃除するけれど、内部や上や横の部分を掃除することは少ないのではないでしょうか?
しかし、フィルターだけでは本当にエアコンの掃除は不十分です。
埃を吸い込んだエアコンは、結露することによってその埃にカビが生え、それがエアコン全体に広がってしまうことがあります。
そうなると、エアコンから出てくる風は、カビだらけという可能性があります。
フィルターはこまめに掃除するのはもちろんですが、内部の掃除はプロにお願いするしかありません。
1~2年に一度はプロにエアコンの内部の掃除をお願いしたいですね。
水害の被害を受けたり、大規模な水漏れがあったりした建物は、空気や埃の中に無数の汚染物質が混在して、毒素の温床となってしまうことがあります。
浸水で傷んだ建物に生えたカビによって引き起こされる病気は、深刻な健康問題になることがあります。
研究では、75%の人はカビの影響を受けにくい遺伝子を持っていて、水漏れによってカビが生えた家の中でカビの胞子と毒素を吸いこんでも、免疫システムが抗体を作り、毒素を易々と撃退するそうです。
しかし、カビによって好影響を受ける人はいませんので、カビの悪影響は誰も無視できない問題です。
カビが引き起こす病気はDNAの中に組み込まれていて、1度引き金が引かれると、炎症反応が起こり、その結果として生じる症状が何年も続き、治療しなければ病気になる。
体調が悪いのはカビのせいかもしれないと思ったら、専門の医師に遺伝子検査を頼むのも一つの手段です。
さらに、家の中など長時間過ごす場所にカビが生えていないか、専門家に調べてもらう必要があるかもしれません。
アブラナ科の野菜、果物、ナッツ、緑茶が秘密武器
カビなどは、すべて取り除いて、全くなくしてしまうのが理想ですが、そうもいかないのが現実です。
そこで、身体の浄化システムを効率よく働かせる必要があります。
その方法の一つが、解毒作用のある食品を食べることです。
- アブラナ科の野菜
もっとも有効なのは、ブロッコリー、芽キャベツ、キャベツ、カリフラワー、ケール、チンゲンサイ、クレソンなど、アブラナ科の野菜をたっぷり食べることです。
暴露は主に皮膚と腸管の粘膜から体内に入る。
人の免疫システムの1%がティッシュペーパーより薄い、その粘膜のすぐ下に集まっていて、野菜は免疫システムを浄化してくれるのです。
そして体に悪影響をおよぼす環境毒素が結合する細胞上のレセプターに、アブラナ科の野菜の成分も結合します。
ゆえに、アブラナ科の野菜を食べれば、悪い環境毒素を締めだすことができるのです。
また、それはがんの予防にもなるのです。
なぜなら、肝臓の浄化能力を高めてくれるからです。
肝臓での浄化作業は、2段階で行われ、第一段階では血液から毒素をに来とり、代謝産物と言われる分子に変える。
第二段階で、有害な代謝物質を尿や便に送り込み、体外に排出するのです。
アブラナ科の野菜に多く含まれるスルフォラファンを摂取すると、肝機能の第1段階が制され、第2段階が活性化される。
さらに、野菜に多く含まれる食物繊維は肝臓を浄化し、ビタミンCはフリーラジカルを中和する。
ケールを食べるだけでも、抗体生産量は5倍になる。
- 果物とナッツ
ナッツが栄養豊富なのは有名ですが、酸化ストレスを軽減してくれることはあまり知られていません。
ナッツを食べることで、体が錆びつくのを防いでくれるのです。
クルミの酸化ストレス軽減効果は研究で立証されています。
そして例えば毎日、ブラジルナッツを1粒食べれば、セレンとグルタチオンの生成が増えます。
グルタチオンは体内で作られるもっとも強力な抗酸化物質で、それによって甲状腺の機能が向上し、化学物質の解毒がスムーズにおこなわれる。
それでは、果物はどうでしょうか?
タフツ大学人間栄養学加齢研究センターによれば、そういった果物(ベリー類(ブルーベリー、ブラックベリー、イチゴ、ラズベリー)、プラム、柑橘類(オレンジ、レモン、ライム)は酸素ラジカル吸収能(食品の活性酸素消去能を数値化した抗酸化能力の指標)が非常に高いとされています。
たとえば、ブルーベリーはその他の3種の果物より抗酸化物質が豊富に含まれている。
カップ1杯の天然のブルーベリーを食べれば、1万3000の抗酸化物質が得られて、それは米国農務省が推奨する1日の摂取量の約10倍にあたる量です。
- 緑茶
朝に緑茶を1杯飲めば、大量のカフェインによる刺激を受けることなく、すっきりと目を覚ますことができます。
さらに、ポリフェノール(老化と病気につながる酸化的ストレスを抑える抗酸化物質)をたっぷり摂れて、肝臓の解毒機能の第1段階が抑制され、第2段階が活性化されます。
緑茶も肝臓の浄化作用を強化してくれるのですね。
また、重要な転写因子であるNRF2も活性化して、酸化的損傷を抑えることができます。
そして、緑茶のすばらしい成分はなんといっても、没食子酸エピガロカテキン(EGCG)です。
緑茶の葉、茎、芽に含まれるカテキンという6種の抗酸化物質(そのひとつがEGCG)は、体内のフリーラジカルを除去し、風邪のウイルスを退治してくれるのです。
ゆえに、風邪のウイルスにさらされても、風邪をひきにくくなります。
さらに、緑茶は肝臓病、感染症、消化器疾患、心臓病、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病)、ホルモンが関係するがん(乳がん、子宮体がん、卵巣がん、前立腺がん)、あらゆる原因の死を招く病気、さらには、性器疣贅も防ぎ、好転させると考えられています。
摂取方法としては、緑茶を飲むという方法のほかにサプリメントもありますが、私としてはおいしい緑茶を淹れるほうをお勧めしたいです。
まとめ
カビが好きな人というのはあまりいないと思いますが、その影響をそれほど深刻に考えていない方のほうが多いようです。
しかし、カビの悪影響は馬鹿にできません。
家はできる限りきれいにしておき、カビが生えないようにしておくことが重要です。
カビの生えそうな場所は日ごろから念入りに掃除すること。
そして、身体の浄化作用を高める食品をたくさん摂ることによって、カビの悪影響を排除してしまいましょう。