脳の良しあしは大きさではない?良しあしを決めているのは一つだけ!
脳を健康に保つために
脳のアンチエイジングは、誰にとってもとても重要なことですよね。
脳がいつまでも健康であることが、人生を豊かに楽しく過ごすための基本中の基本ですから。
身体のアンチエイジング、健康促進、美容の追求などはとても重要なことですが、やはり脳の健康も同時に行わないと不十分と言わざる負えません。
脳が健康であれば、脳の機能は最大限発揮されて、日ごろの仕事や勉強もうまくいくようになるため、誰もが脳のアンチエイジングには取り組むべきことだと私は思います。
ところで、頭が良い人というのは、どのような脳の持ち主なのかご存知でしょうか?
単純に頭が良い人というのは、脳が大きい人だと考えている方が意外と多いようです。
そういう私もそう考えていた時期がありました。
それは、高校生の頃に先生から、アインシュタインがなくなった後に、彼の脳を取り出して調べた人がいたという話をしてくれたことがあったからです。
するとやはりアインシュタインの脳は、他の人よりも大きかったというのです。
私はその言葉を信じて、脳は大きいほうが頭が良いのだと長く考えていました。
ところが真実は違っていたのです。
なんと、アインシュタインの脳は、平均の脳よりも小さかったというのです。
その重さは1230グラムだったということで、平均的な男性の脳の重さの1350グラムよりもはるかに小さかったのです。
高校生の頃に聞かされた話はいったい何だったのでしょうか?
どこから得られた情報を私に伝えたのか、今となっては謎です。
では、頭の良しあしはいったい何で決まっているのでしょうか?
脳の細胞
脳の細胞はおおよそ1000億個だといわれています。
細胞は一つだけで存在しているのではなく、それぞれの細胞が、他の何万個もの細胞とつながっているのです。
そうなると、つながりの総数は100兆以上は少なくともあることになり、とてつもない数のつながりが、私たちの脳の中にはあることになります。
その数は、私たちが住んでいる地球がある銀河系の星の総数よりも、はるかに多い数字なのだそうです。
脳は宇宙だ、という胡散臭く感じる主張も、この事実だけを見れば当てはまっているかもしれません。
このたくさんの細胞は、常に新しい細胞が死に、新しい細胞が生まれているのだそうです。
細胞と細胞のつながりも、その回路が使われなくなると消滅してしまいます。
そして、新しいことを経験すれば新しいつながりが生まれてくるのです。
つまり脳は絶え間なく変わり続けるものであるということです。
脳は生まれてから死ぬまで、永遠に変わり続けるいわば未完成の装置のようなものですね。
頭の良しあし
常に変わり続ける脳の良しあしは、いったいどこにあるのでしょうか?
先ほど、脳の良しあしはその大きさ、細胞の多さではないということがわかりました。
それでは、この細胞のつながりの多さが脳の良しあしなのでしょうか?
実はそれも違うのです。
脳のつながりは、大人のつながりの数よりも、2歳児の脳の中のつながりの方がはるかに多いからです。
そこから成長するにつれて、脳のつながりは減っていくのです。
これを学問的には「刈り込み」というそうです。
2歳児から青年になるまでに、1日で200億ちかくのつながりが消えてしまうことにより、新しいつながりを作るためのスペースを作るのです。
領域のつながり
では一体何が脳の働きの良しあしを決定しているのでしょうか?
それは、「機能ネットワーク」と呼ばれるプログラムが決定しているのです。
例えば、自転車に乗るということを例に出してみましょう。
自転車に乗るという行為については、脳は一か所で処理をしているわけではありません。
ハンドルを握る、サドルに座る、ペダルをこぐ、ブレーキをかける、バランスをとる・・・
自転車に乗るためには、これ以外にも膨大なことを処理する必要がありますよね。
それらを処理するためには、脳はいろんな場所で指令を出したり、状況判断したりしているわけです。
つまり、脳の中ではいろんな場所が活動していることになります。
そして、脳の良しあしは、このいろんな場所で活動しているプログラムをスムーズに実行処理されるということであり、つまりいかに脳の各領域がしっかりと、スムーズに連携しているか、ということなのです。
脳を車だと考えると、いくらエンジンや電気系統、タイヤ、フレームなどが一流の者であったとしても、つながっていなければただの鉄の塊になってしまいます。
脳を鍛え、アンチエイジングしていくためには、このつながりをいかにスムーズにするか、ということがとても大切に来るわけです。
連携の良しあしの効果
この脳の連携については、様々な研究が進んでいるそうです。
その結果、記憶力が良かったり、集中力が持続できる、教育水準が高い、さらには、飲酒や喫煙の抑制ができる、営業成績がよい、という人は脳の各領域の連携がしっかりとしていたというのです。
しかも、この脳の各領域の連携というのは、生まれ持った才能ではなく、伸ばすことができるものだということもわかっています。
MRIやCTなどの医療機器が発達していないころは、脳の中を見ることができなかったため、脳は死ぬまで変わらないというようなことが言われていました。
しかし、今は違います。
脳は常に変わり続ける臓器と言ってもよいほどに、常に変わり続けるものであり、それによって脳の働きを改善していくことができることがわかっているのです。
まとめ
脳の機能は改善できるということが、様々な研究で報告されています。
学校の成績が良かったり、営業成績がいつもトップ、仕事のスピードがものすごく早い、というような人は脳の各領域の連携がとてもスムーズに行われている可能性があるわけですね。
私にはこれは、とても夢のある研究だと思うのですがいかがでしょうか?