気合を入れるためにステーキを食べる?タイミングを間違っているかもしれません。
ここ一番にステーキを?
飽和脂肪酸をたくさん含んだ食べ物はおいしいですよね。
飽和脂肪酸というのは、牛肉や豚肉などの動物性のものにたくさん含まれている脂肪酸で、常温では固体になっている脂肪のことを言います。
スーパーのお肉のコーナーで、白い四角のラードが無料でもらえるところがありますが、それがまさに飽和脂肪酸ということになりますね。
逆に不飽和脂肪酸は、「不」という言葉からもわかると思いますが、常温で飽和脂肪酸とは逆の状態、つまり液体の脂肪酸です。
魚介類に含まれているDHAやEPA、また植物から作られた油は常温でも液体ですよね。
ですから、植物や魚介類には不飽和脂肪酸がたくさん含まれています。
飽和脂肪酸は健康に悪くて、不飽和脂肪酸が身体によい、というイメージがあるかもしれませんが、重要なことはやはりバランスです。
飽和脂肪酸も健康やアンチエイジングには必要不可欠な脂肪酸ですので、全く避けるということではなく、適量をとるように心がけることが重要になります。
飽和脂肪酸をたくさん食べてはいけないタイミング
飽和脂肪酸は、私たちには必須のものですが、たくさん食べるべきではないタイミングがあるようです。
それは飽和脂肪酸をたくさん摂ることで、集中力や注意力が低下してしまうという研究報告があるからです。
研究の内容
オハイオ州立大学の研究によって、その事実が確認されています。
被験者たちは実験当日の朝に研究室を訪れ、10分間にわたってコンピューターを使った注意力・集中力・反応をチェックするテストを完了し、研究チームが用意した食事を摂ったそうです。
研究チームが提供した食事は2種類。
両方とも卵、ビスケット、七面鳥のソーセージ、60gの脂肪を含むグレイビーソースなどが含まれていたのですが、一方のメニューには飽和脂肪酸の一種であるパルミチン酸が豊富な油が、もう一方のメニューには不飽和脂肪酸の一種であるオレイン酸を豊富に含んだひまわり油が使用されました。
いずれの食事も全体のエネルギーは930kcalであり、含まれる食品や栄養素はファストフード店の食事内容を模倣するものだったそうです。
食事を摂ってから5時間後、被験者らは再び注意力・集中力・反応をチェックするテストを受けました。
また、一連の実験を行ってから1~4週間後にも被験者らは再び研究室を訪れました。
2回目の訪問では、被験者は最初に実験を行った時とは逆のタイプの食事を摂り、食事を挟んで初回と同様にテストを受けました。
これは、二重盲検ランダム化クロスオーバー試験と呼ばれるもので、実験をより正確なものにするための方法です。
この実験の結果、飽和脂肪酸を豊富に含んだ食事を食べた後のグループは、平均して11%もテストのスコアが下がったということです。
つまり、飽和脂肪酸をたくさん含んだ食事をすると、集中力や注意力が下がるということになります。
集中力や注意力を維持する必要がある場合は、飽和脂肪酸をたくさん含んだものを食べることを控えたほうがよさそうですね。
特に、午後にプレゼンがある、大事な商談がある、というような場合はどんな昼食をとるのかということが重要になります。
ここ一番の大勝負だから、気合を入れるためにカツ丼を食べよう、というようなことをしてしまうと、全く逆効果になってしまいますね。
まあ、ゲン担ぎで一口カツを一つだけ食べるというようなことは影響がないかもしれませんが、カツ丼やステーキをお腹いっぱい食べてしまうと、その後は集中力や注意力が下がってしまうため、自分の持っている力をすべて出すことはできないでしょう。
さらに、高脂肪食になるカツ丼やステーキなどの食事を摂った後は、78%も昼間に眠くなる確率が高くなるという研究も報告されています。
気合を入れようとして摂った食事に、あらゆる面で邪魔をされてしまうことになり、踏んだり蹴ったりの状態になりそうですね。
ですから、最高のパフォーマンスで、最高の結果を出したいという場合は、集中力が下がらないような食事をする必要があります。
では、動物性の食材を食べなければよいのか、というと他にも避けなければならない食材はたくさんあります。
ポテチ、インスタントラーメン、ドーナッツなども、飽和脂肪酸がたくさん含まれている可能性がありますし、さらにトランス脂肪酸が含まれている可能性がありますので要注意です。
ファーストフード、ジャンクフードなどはできれば日ごろから控えたほうが良いものですが、特に集中力が必要であったり、注意力が必要な作業が残っている場合は避けた方が良いものです。
何を食べるべきか
午後に重要な会議、プレゼン、商談があったり、午後に試験を受けなければならない、長時間の運転をしなければならない、という場合はできるだけ飽和脂肪酸を含まない食材を選んで昼食を決める必要があります。
もちろん飽和脂肪酸を全く含まない食材を選ぶ、ということは不可能ですが、カツ丼やステーキを食べるよりは、海鮮丼などの魚介類の方がパフォーマンスが上がると考えられます。
できる外資系のビジネスパーソンを見てみると、お昼はサンドウィッチと野菜ジュース、また果物とコーヒーや紅茶など、それで足りますか?というぐらいの量しか食べない人が多いです。
おそらく自分の集中力や注意力を高める方法を知っていて、自己管理が徹底できているからだと思います。
そして、夜何もない時に自分の好きなものを食べるようですね。
集中力を高めて、また注意力を最大にして、会議やプレゼンに望まなければならない場合には、理想的な身体の状況になっている必要があるわけですが、それは胃には食べ物が何もないけれど、脳にはブドウ糖の供給が十分になされているという状況です。
つまり、お昼は満腹食べるべきではなく、やはり腹八分目で抑えることが重要です。
腹八分目とは?
ここでいう腹八分目というのは、どの程度のことを言うのでしょうか?
腹八分目というのは、重要だとはわかっているけれど、明確な客観的な基準というものがないために、個人個人の判断で行われているのが現状ですよね。
そのため、腹八分目というと、もう少し食べられるけれど、ここでやめておこう、という状況のことを言うのだと思っている方が多いようです。
しかし、この状況は腹八分目を超えていて、おそらく満腹まで食べています。
血糖値が上がっていくのは、食後30分程度と言われています。
もう少し食べられる、というところではまだ血糖値が十分に上がりきっていないことが多いので、少し時間がたつとお腹がいっぱいになってくるのを感じると思います。
それはまさに満腹の状態です。
腹八分目というのは、ここで食事をやめると、今食べたものと同じ量がまだ食べられるな、という状況が腹八分目なのです。
感覚的には腹五分目の状態ということになりますね。
そこから時間がたつと、腹八分目の感覚になっていくということです。
まとめ
飽和脂肪酸を含んだ食べ物は、食べるタイミングを知らなければ、自分のパフォーマンス低下させてしまう可能性がありますね。
ステーキやカツ丼などを楽しみたいのであれば、その後に重要なイベントが控えていないタイミングで食べる必要があります。
重要なイベントがあるような場合は、野菜や果物、また魚介類などを中心にして腹八分目を心がけていきたいですね。
腹八分目の基準を間違えないようにすることも、同じく重要なことですね。