頭を良くしたい、記憶力を上げたい!そのためには歯周病には要注意!
頭をよくするためには?
頭をよくしたい、記憶力をよくしたいということは、誰もが望むことですよね。
頭が良いとか、記憶力が良いというのは、明確な基準がありませんが、ここでは普通に考えて頭が良い、記憶力が良いということについて考えたいと思います。
記憶力が良いというと、その意味は誰にとっても一定の意味を持っているような気がしますが、頭が良いというのは人それぞれ違ってくるかもしれません。
その人それぞれが考える頭が良い人をイメージすればそれで十分です。
仕事ができる人であったり、新しいことをすぐにマスターしてしまう人など、いろんな人が思い浮かぶと思うのですが、その人達のことです。
そのような人のようになりたい、記憶力を高くして英語だけでなく、他の言語もぜひとも習得したい、という場合にはどのようなことに注意すべきなのでしょうか?
頭が良くなるためには、当然脳の健康をしっかりと維持していくことが重要なのですが、それは同時にアンチエイジングや美容にも効果をもたらすものですので、自分にはあまり関係ないと思うことなく取り組んでいただけたらと思います。
今回は、その前提条件とも言えることについて考えていきたいと思っています。
運動で記憶力アップ
脳を健康に、そして記憶力もアップしたいという場合は、やはり運動がかなり効果が高いです。
この記事の中でもお話ししていますが、記憶力の世界チャンピオンだった方のトレーニングの半分は有酸素運動ということですので、運動が記憶に与える影響はやはり本物ということになるでしょう。
歯と歯茎の健康
そして、見落とされがちなのが歯と歯茎の健康についてです。
脳とはあまり関係がないと思われがちですが、実は歯と歯茎の健康は脳の働きに密接な関係があることが研究で報告されています。
この研究では、アミロイドβの蓄積と歯周病菌に関係があることが発表されています。
アミロイドβとは、頭を使って活動したとき、それはつまりどんな活動をしたときにでも発生する老廃物です。
いわば燃えカスのようなものですから、それは脳の中に長い時間いてもらっては困るもので、できるだけ早く脳の外に排出してしまいたいものです。
便秘というと、腸内に便が長時間とどまることですが、それが身体に良くない影響を与えることはもはや常識ですね。
しかし、脳の老廃物であるアミロイドβについては、誰もあまり意識しないものですが、これまた私たちに悪影響を与えるものですので、便と同じく早く脳から排出してしまうことが理想です。
しかし、認知症を患っている人達の脳の中には、このアミロイドβがうまく排出されずにたまってしまっており、その量は認知症を患っていない人の25倍以上と言われています。
25倍以上というのは、とんでもない量ですが、当然昨日今日で一気にたまったものではなく、アミロイドβの蓄積は、なんと20代から始まっていたと考えられているのです。
ですから、アミロイドβの排出に関しては、取り組みを始める時期が早いということはありえないどころか、できるだけ早く始めることが最も重要になるということです。
しかし、アミロイドβをためないようにするためにはいったい何をすればよいのでしょうか?
アミロイドβがたまってしまう原因はいくつかあるのですが、九州大学と中国北京理工大学との共同研究によって歯周病菌とアミロイドβとの関係が報告されています。
歯周病菌の代表的な菌として、Porphyromonas gingivalisがあります。
これはジンジバリス菌、または先ほどの頭文字をとってPg菌などと呼ばれることがある菌です。
この実験では、マウスにPg菌を投与することで、どのような反応があるかということが調べられています。
マウスにPg菌を3週間連続で投与したところ、脳血管内にアミロイドβの脳内輸送を担う終末糖化産物受容体RAGEが発生し、脳血管周囲の脳実質内ではアミロイドβが局在的に増加して、記憶障害が誘発されることを突き止めた、というのです。
研究者は、歯周病菌が血液に乗って脳に届き、何らかの影響を与えていると考えているようです。
認知症によって記憶力が下がるということは誰もが知っていることだと思いますが、認知症になっていないからといって、歯周病になっている場合は全く影響がないということはあり得ません。
重度歯周病の患者の方の認知能力が低下しているという臨床報告はたくさんあります。
ですから、ただの歯周病だと軽く考えることなく、どんな歯周病であってもすぐに治療することがとても重要です。
歯を失う可能性
歯周病は歯茎の病気ですが、それはひどくなると当然歯を失ってしまう結果になってしまう可能性があります。
そして、自分の歯を失ってしまった場合、それも認知症になってしまう可能性があると考えられているのです。
アルツハイマー型認知症の発症には脳の中の神経伝達物質の減少が関わっていると考えられています。
そして、この神経伝達物質は、噛むことによる刺激が脳に伝わることで増えるものなのです。
また、これは多くの方が知っていることだと思いますが、噛むことが脳を活性化することもわかっています。
噛むことで歯の中にある神経が刺激されて、それが脳に伝わります。
自分の歯がたくさん残っているのであれば、その刺激は当然ですが強くなるために、脳も活発に働くわけです。
ここから言えることは、歯周病によって歯を失うことも、アルツハイマー型認知症の引き金になる可能性があるということになります。
実際に、70代後半でアルツハイマーを患っている方は、自分の歯が平均3本ほどなのに対し、健康な方は平均で9本自分の歯が残っていたという研究報告もあります。
脳を活性化するためには歯と歯茎をどうケアすべきか
歯と歯茎の健康と、脳の働きとの関係を見てきましたが、その関係の深さに驚きを感じませんか?
食べるという行為は、私たちの生命を維持するための基本となるものですが、それだけに脳との関係も密接なものがあるのでしょうね。
その重要な歯と歯茎の健康のためには、何を行うべきなのかというと、丁寧に歯磨きを行うことです。
1回3分ということが言われていましたが、それではとても足りないと私のかかりつけの歯医者さんに教えていただいたことがあります。
特に寝る前の歯磨きは重要で、正しい磨き方で20分ほど行うべきとのことです。
寝る前の歯磨きが重要なのは、寝ている間は唾液の分泌が少なくなるため、細菌が繁殖しやすい状態になってしまうからだそうです。
その前に歯をしっかりと磨いて、細菌を落としてしまえば安心して寝られるのですが、いい加減な磨き方では落ちないため、時間をかけて磨く必要があるのだとか。
そして朝起きた時は、唾液の分泌が増えていくので、数分程度の磨き方で大丈夫だとのことです。
さらに付け加えて、夜の歯磨きで行わなければならないことは、デンタルフロスを使って歯間をしっかりときれいにすることです。
歯間というのは、汚れが落としにくいうえに細菌がたまりやすいという、歯周病菌にとってはパラダイスのような場所です。
そこは唾液の分泌などでも、汚れが落ちないことが多いので、フロスを使ってしっかりときれいにすることを毎日行う必要があります。
まとめ
歯と歯茎の健康の重要性が分かったと思います。
記憶力や仕事ができる人になりたい、という場合も歯と歯茎が虫歯と歯周病でボロボロになっているような場合は、まずはそれを治療することで、初めてスタートラインに立てると考えて間違いないと思います。
そして、歯と歯茎の健康のためには、歯医者さんに定期健診に行くことをお勧めします。