体温を高く保つためには自律神経を整えること
体温と免疫
温活に力を入れている方は多いのではないでしょうか?
体温が低いと、免疫力が低くなると言われていますし、実際病気の人は健康な人よりも体温が低い傾向にあるということがわかっています。
ですから、自分の体温を測ることで、免疫力が高いのか低いのかということがわかるので、常に体温を把握しておくということは、健康を維持するためにとても大切なことですね。
1日の体温の動きを測定するために、朝起きた時、昼の活動している時、寝る前の3回体温を測ると良いと言われています。
しかし、そんな時間はないという方がほとんどだと思いますので、1日1回どこかで体温を測定すれば十分なのではないかと思います。
理想的な体温とは
温活の重要性は理解できたとして、どの程度の体温があれば健康を維持できるのでしょうか?
健康的な身体を維持するために理想的な体温は、36.5度前後と言われています。
体温は計測する場所によって温度が変わってきますので、わきの下を基本として考えられているようです。
例えばわきの下で36.3度前後という方が多いと思いますが、その場合は舌下や直腸では36.5度前後であり、脳や内臓は37.2度程度と言わています。
そして、この深部体温が37.2度以上あるということがとても大切です。
なぜなら、体内に住んでいるたくさんの菌が作り出す、生命維持活動に欠かすことができない酵素が最も活発に動ける温度だと言われています。
これ以下の場合は、菌による酵素が活発に活動できない状況になりますので、代謝などもスムーズに行われなくなり、健康を害する可能性が高くなるわけです。
ですから、わきの下の体温は36度以上なければ、免疫力が低くなっている可能性が高いです。
低体温の場合
一般的にわきの下の体温が36度以下の場合、制体温と言われています。
低体温かどうかは、朝起きるときにもわかります。
低体温の人は、朝起きるときに体温が35度ぐらいしかないと言われていて、そのためなかなか布団から出られないということが多いそうです。
本当に布団離れが悪いという人は、体温が35度以下ということもあるそうです。
朝起きられないというのは、低血圧だから起きられないということではなく、低体温だから起きられないということの方が多いようですよ。
通常であれば、朝起きる1時間ぐらい前から体内でステロイドホルモンが分泌されて、体温が徐々に上がり始めるため、布団から出るときには十分に体温が上がってスムーズに布団から出られるようになります。
しかし、低体温の場合はそれができないということになりますので、朝起きるのが異常につらいという場合は、低体温を疑ってみる必要があるかもしれません。
低体温の弊害
私たちが生活していく、また生命を維持していくためには、心臓の鼓動、呼吸、そして歩くやしゃべる動作などを行います。
それらの生命維持活動というのは、すべて熱エネルギーで行われると言われていますので、低体温になるとそれらの活動は当然鈍くなります。
当然血液の流れなども悪くなってしまうので、エネルギーや栄養を身体の隅々に届けることができなくなってきます。
そうなると、血液は免疫システムを担っている白血球が運ばれるものですから、当然免疫力も低くなっていきます。
免疫力の低下はかなり激しくて、体温が1度下がると、白血球の働きは30%も低下すると言われています。
低体温が起こるのは
低体温になるのは何が原因なのでしょうか?
体温を常にコントロールしているのは自律神経です。
自律神経とは、様々な生命維持活動を無意識で行ってくれているもので、体温の維持も私たちが意識することなく行われています。
私たちの体温はほぼ一定ですが、体温が環境によって変わる変温動物に対して、恒温動物と言われる生き物に分類されます。
この自律神経によって、私たちの身体は深部体温が37度以上になるようにコントロールされているのですね。
例えば、冬の寒い季節には、皮膚の近くにある血管を収縮させて体温が逃げないようにします。
逆に夏の暑い季節には、血管を膨張させて熱を逃がすようにすることで、体温をコントロールしてくれています。
その体温をコントロールするための自律神経が乱れると、当然体温のコントロールができなくなるわけですが、自律神経を乱す要因というのは本当にたくさんあります。
まず、大きな要因となるのはやはり慢性的なストレスになります。
ストレスは対処することができずに慢性化してしまうと、健康に様々な弊害の原因となりますが、自律神経を乱す大きな原因となってしまいます。
その結果低体温となると、さらに健康への被害が大きくなるという悪い循環になってしまうことも多々あります。
ストレスが強くなると、緊張することはわかると思いますが、その状況では自律神経の交感神経が働くことになります。
それだけなら問題ありませんが、ストレスが長く続いてしまうと、当然自律神経の交感神経が長く働くことになります。
常に身体が緊張状態にあるため、交感神経は休む暇もなくなってしまって自律神経が乱れてしまうという結果になるのですね。
では、リラックスしていれば良いのかというと、そういうわけでもありません。
常にリラックスしていると、今度は自律神経の副交感神経が興奮することになります。
身体をリラックスさせる副交感神経は、働けば働くほど良いようなイメージがあるかもしれませんが、やはり副交感神経が過度に活動し続けると、自律神経は乱れてしまいます。
ですから、ストレスを解消して交感神経と副交感神経がバランスよく働くように、環境を整える必要があるということですね。
そして、自律神経を乱すものとして、意外なものは寝過ぎがあります。
睡眠はとても重要なので、十分な睡眠時間の確保は必須ですが、あまり寝過ぎるのも良くないということがわかってきていますので、そこは少し注意が必要ですね。
体温を高く維持するために
では、体温を高く維持する、温活を効果的に行うためには何をすればよいのでしょうか?
基本として行うべきことは、自律神経を乱さないようにすることです。
靴下の重ね履き、ズボン下を常に着用するなど、温活を行うことはとても重要ですので、継続して行っていく必要があります。
しかし、体温をコントロールする自律神経が乱れてしまうと、どうしても手足の冷えなどの原因となってしまったり、さらには温活を行っているにもかかわらず低体温のままということもあり得ます。
ですから、自律神経を整えることが大前提になります。
そして、自律神経を乱してしまうのは、やはり現代社会ではストレスが最も大きな要因となります。
まずは、ストレスをため込まない生活というものを確立するように努力することが重要ということです。
ストレスに関しては、何度かお話しさせていただいておりますので、そちらを参考にしていただければと思います。
まとめ
温活は、自律神経の乱れがない状態で行うことが理想です。
ですから、日ごろの生活を見直して、ストレスを感じていないか、生活のリズムが乱れていないか、などのチェックを行う必要がありますね。
そのうえで、半身浴や靴下の重ね履きなどを行うことで、温活はさらに効果を発揮しそうです。