アンチエイジングと腸の関係
腸内環境を整える
腸というとどんなイメージを抱きますか?アンチエイジングや美容にどのように作用するのか知っていますか?
アンチエイジングに詳しいのであれば、筋肉や脂肪についてはたくさん調べているかもしれませんね。
でも、腸についてはいかがでしょうか?
人は食べ物を食べると、胃や腸から栄養を吸収していますよね。
栄養がアンチエイジングにはとても大切だということは誰も異論がないはず。
ですから、アンチエイジングにとって、とりわけ腸はとても重要な臓器になっています。
また、消化以外にも免疫のシステムがあり腸の粘膜は、人の免疫システムの約70%が集中していると言われています。
そのために、免疫システムが過剰に刺激されると、過度の炎症が起きて、悪くすると自己免疫状態に陥ることがあります。
自己免疫とは、自己の組織細胞自身を外から侵入してきた異物と同じように認識し、生体がそれに対する抗体を産生してしまうことをいいます。
極端な話ですが、こうなるともうアンチエイジングどころの話ではなくなりますよね。
免疫システムがしっかりとしていれば、健康的な生活ができ、運動やスポーツにも積極的に取り組むことができます。
逆にすぐに風邪をひくような体質では、運動などを継続的に行うことは難しいです。
腸を活発にするためには
では、消化や免疫などをつかさどっている腸を活発にしてアンチエイジングするにはどうすればよいのでしょうか?
腸を含めて消化管(口から肛門まで)には1.4~2.3キログラムの微生物(バクテリアとわずかな酵母)がいます。
この微生物の集団をマクロバイオームと呼びます。このマクロバイオームが有するDNAは、一人の人間が有するDNAの100倍に相当します。
ちなみに、人間のマイクロバイオームの中でも多くを占め、注目され研究が進んでいるのが腸内細菌です。腸内細菌とマイクロバイオームは同様の意味として使用されることもあるようです。
消化管に存在するマクロバイオームが、エストロゲンやテストステロンなどを含むホルモンに影響を与えることは、数々の研究で証明されています。
マクロバイオームのバランスが崩れてしまうと、具体的にはどんなことが起こってしまうのでしょうか?
ベータ・グルクロニダーゼのような酵素が大量に作り出されてしまい、身体に害を及ぼすエストロゲンが増え、身体を守る作用のあるエストロゲンが減ってしまいます。
つまりホルモンバランスが崩れてしまい、アンチエイジングとは逆の方向に進んでしまうことになります。
マクロバイオームのバランスは、アンチエイジングのためには、常に整えておく必要があるものということですね。
マクロバイオームの改善はどれぐらいかかる?
マクロバイオームを改善するためには、時間がかかるものなのでしょうか?
マクロバイオームなどの細菌の一生は約20分と言われています。ですから、24時間は細菌の時間では1500年に相当します。
ですから、ストレスが溜まったり、不規則な食生活などを行うと、それに伴う細菌の種類が急速に変わっていきます。
ある実験で、二つの子供たちのグループに一つには典型的な糖質の多い西洋現代食、もう一つのグループには野菜中心の食事を与えたそうです。すると、最初の一日目だけで、腸内細菌の種類が互いの食事にあった菌に移り変わっていくのが確認されたそうです。
さらに糖質の多い食事をしたグループでは、肥満やアレルギー、炎症に関連した遺伝子が活発化されたとのことです。
この研究結果からわかることは、健康的な食品でマイクロバイオームをサポートしてやると、腸内環境はすぐに劇的に良くなるということです。
プロバイオティクス、プレバイオティクスとは
腸内細菌を整えるものとして、プロバイオティクス、プレバイオティクスという言葉を、CMなどで聞かれたことがあるかもしれません。
プロバイオティクスは、善玉菌をサポートすることでマイクロバイオームのバランスを整えるのを助ける”生きた”細菌のことです。
ヨーグルトのCMなどでよく聞く言葉ですね。
そしてプレバイオティクスは、マイクロバイオームの善玉菌のえさになる食品と栄養のことです。
野菜やプロバイオティクスを食べることで、マクロバイオームのバランスを保つことが、アンチエイジングや美容に必要なのですね。
ストレスは腸にダメージを与える
そして、腸は過度のストレスを受けてた時にもダメージを受けることがあります。
過剰なストレスは副腎皮質刺激ホルモン放出因子を増大させ、それが腸の穴を刺激して、食物不耐症やさらなるストレス、迷走神経緊張の低下を引き起こします。
迷走神経緊張の低下は、神経系に異常があるというサインになります。
そして、単純に過度なストレスは栄養吸収の能力を低下させることがあり、とりわけビタミンBが吸収されにくくなります。
ビタミンB群とは、ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類を指します。
ビタミンBというからには、ビタミンBという名前がすべてについているのかと思ったら、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンなどもビタミンB群なんですね。
ビタミンB群の主な働きは、エネルギー代謝の補酵素としての働きです。補酵素は代謝を円滑に行わせる潤滑油のような働きをするため、アンチエイジングには絶対に必要な栄養素となります。
エネルギー源や体の構成成分となる、糖質、脂質、タンパク質だけを摂取しても、ビタミンB群が不足しているとどうでしょうか?
ビタミンB群の不足によって、体内の代謝はスムーズに行われないため、パワーを発揮できないというリスクが発生する可能性があり、アンチエイジングを進めるパワーも当然不足します。
このような働きのあるビタミンB群の中でも特に、タンパク質の代謝に関わっているのがビタミンB6です。
最近では、「美しいからだづくり」のためにプロテインを飲んでいる方、多いのではないでしょうか?
このビタミンB6は、アミノ酸の再合成を手助けする補酵素として働きます。アミノ酸は、プロテイン、すなわちタンパク質を構成する最少成分です。
肉や魚などの食材から摂取したタンパク質はそのままでは、体内に取り込まれることはありません。
体の中で3〜4時間かけてアミノ酸の状態に分解されて初めて吸収されます。
美しいからだづくり、アンチエイジングのためには、タンパク質だけでは効率が悪く、ビタミンB6も重要なのです。
しかし、腸でビタミンBが吸収されないため、身体はアンチエイジングをしようとしているにも関わらず、効率的に行えない状態となってしまいます。
一生懸命アンチエイジングをしようと待機しているにも関わらず、ビタミンBが足りないせいで、活躍できないような状態になってしまいます。
体内を活躍を待っている補欠のような状態にしてしまうのは、本当に勿体ないですよね。
ですから、いつも腸の環境を最適にしておき、アンチエイジングの効果を最大にしておこうではありませんか。
まとめ
腸の健康がそのまま身体の健康につながり、アンチエイジングの効果を高める元となります。
しかも、その効果はすぐに表れてくるものですので、モチベーションの維持もしやすいものです。
今日からぜひ腸内環境を整えるための食事などを心がけるようにしていただきたいですね。