心拍数とアンチエイジングの関係について
心拍数と健康の関係
心拍数を毎日計測している方っていらっしゃるのでしょうか?
血圧などを計るときに、心拍するが表示されますので、それで意識している方はいらっ者るかもしれませんが、心拍数って、日ごろの生活ではあまり意識しませんよね。
私自身、小学生のころに踏み台昇降を行って、心拍数を計ったことはありますが、それ以外にはあまり自分の心拍数を計る機会がありません。
アスリートの人たちの中には、トレーニングを効果的に行うために、心拍数を計測しながら行うことがあるようです。
最大心拍数の何パーセントまで、心拍を上げてトレーニングを続ける、ということを行うことで、トレーニングの効果を最大限にまで高めることができるとか。
しかし、アスリートでない私たちは、やはり心拍数にはなじみがないような気がします。
心臓の鼓動を日ごろ意識しない私たちですが、アンチエイジングと心拍数には関係性があるという話があります。
ではその関係性とは、どういうことなのでしょうか?
まずは安静にして、自分の心拍数を計測してみてください。
平均を調べてみると、ものすごく幅があって、1分間に60~100回だそうです。
どうですか?平均よりも多いですか、少ないですか?
実はその心拍数は、アンチエイジングや美容にとても密接に関係していたとしたら、どう感じますか?
普段意識していないあなたの心拍数が、アンチエイジングにとても重要であることを、これからお話させていただきます。
スポーツや運動を続けている方、習慣になっている方は、安静時の心拍数が平均よりも低いということを聞かれたことがある方は多いのではないでしょうか?
スポーツ心臓という言葉を聞いたことがある方も多いでしょうね。
スポーツを習慣にして、日常的に行っている人、特に持久力を向上させるようなスポーツをしている人は、安静時の心拍数が普通の人よりも少ない傾向があります。
マラソン選手などの中には、安静時の心拍数が40回、45回という方もいらっしゃいます。
安静時の心拍数が45回と少ない方と、それに比べて安静時の心拍数が60回という人は、何かデメリットがあるのでしょうか?
安静時の心拍数が少ない人は、多い人に比べて心臓から全身への血液循環が効率よく行われていることになります。
なぜなら、少ない心拍数で十分に血液を体中に送り出すことができている、ということを意味しているからです。
血液循環が良いということは、身体にもアンチエイジングにも良いことです。
心拍数が少ないのは筋肉によるものであることが多いのですが、筋肉が多いということは、老化を抑えるのに効果的であり、それもアンチエイジングに一役買っています。
この安静時の心拍数が低ければ、心臓の動きが効率的なのであり、そうであればあるほど、単純により長く時を刻むことができるのです。
よく、人の一生の合計心拍数は決まっていると言われますが、それから考えても安静時の心拍数が少なければ少ないほど、長寿であるということは納得できると思います。
ちなみに人の一生の心拍数は約22億回といわれています。
研究者であるハーバート・J・レヴァン博士は、すべての動物の心拍数と寿命に直接的な関係があることを発見しています。
安静時の心拍数が速い動物ほど寿命が短く、遅い動物ほど長生きするということを発見しました。
安静時の心拍数を抑えるために効果的なのは持久力系の運動です。
俗にいう有酸素運動ですね。
そして、有酸素運動を習慣にしている方は、そうでない人に比べて、神経系のバランスも整い、副交感神経系の働きが良いです。
そして、必要なときに一気にエンジンを回転させて、活動的になることができます。
心拍変動(HRV)
ところで、有酸素運動を習慣にしている方がすぐれているのは、何も心拍数だけではありません。
心拍変動(HRV)と言われる心拍の揺らぎも大きくなります。
HRVとは心拍の周期的な変化のことです。
例えば、安静時の心拍数を60回としましょう。そうなると1秒に1回ずつ心臓が拍動すると思われがちです。
この場合はHRVがない状態です。
HRVがない状態というのは、あまり健康的ではなく、健康であれば各心拍の間に揺らぎがあると言われています。
具体的に言うと、一つ目の心拍と二つ目の心拍の間隔が1秒だとしたら、二つ目と三つ目の心拍の間隔は1.01秒、次の間隔は1.04秒というように揺らいでいるのが正常なのです。
もちろん揺らぎが大きすぎるのは良くないですが、ある程度のHRVは健康的で好ましいものと考えられています。
HRVを神経系の柔軟性と考えている方もいらっしゃるようです。神経系の柔軟性というのはいったい何なのでしょうか?
心拍変動は人の身体を傷つけないためのものとされており、心拍一拍ごとの変動を測定することにより得られる数値は、心臓の自律神経緊張の指標となると考えられているからです。
専門的でよくわからないかもしれませんが、要はHRVが少なければ少ないほど、自律神経が緊張しており、神経系のバランスが崩れていると考えられます。
この心拍変動は、外的要因である生活習慣や行動、環境などと、内的要因である神経反射、中枢神経、ホルモンやその他の体液による影響を受けて変動します。
心拍変動の低下はこれらの要因によって、私たちの交感神経緊張の増加と副交感神経緊張の減少によって引き起こされていると考えられています。
そしてそれは、心不全、冠動脈疾患、急性心筋梗塞による死亡につながる可能性が指摘されています。
心拍変動の減少の原因には加齢もあり、上記のような原因が複合的に合わさってしまうと、心拍変動はますます減少していくことになります。
これらのことから、安静時の心拍数が少なく、HRVが多いと、長生きの傾向があるのです。
心臓の動きを効率的にし、心拍変動を適度に多くするためには、やはり日ごろの生活を意識して変え、良い遺伝子のスイッチを入れる必要があります。
スポーツを習慣にしている方は、心拍数が少なく心拍変動が大きいという傾向があることから、やはりスポーツや運動は、アンチエイジングに欠かせない要素ということになりますね。
とはいえ、特別なことを行う必要はありません。
一念発起してジムに通うということも、とても素晴らしいことですが、継続できなければ意味がありません。
継続するために重要なことは、日ごろの生活にできる限り運動を取り入れていくということにあります。
日ごろの生活や動作に運動を取り入れることで、運動を習慣化することが可能です。
習慣化するために重要なことは、こんな簡単なことでよいのか、というほどのことから始めることにあります。
そして、日ごろの生活に運動を取り入れることを意識するだけで、アンチエイジングの効果は十分にあると言われています。
歩くスピードを、いつもよりも早くするということを意識するだけで、効果的な運動を行うことができます。
よく言われる、一駅前で電車を降りて、オフィスまで歩いていくというのはとても良いのですが、さらに少しだけ早く歩くということも、意識して行うとさらに効果が期待できます。
そして、日常生活ではできる限り座らないということも意識するとよいですね。
座る時間が長いほど、寿命が短いという研究があります。
ですから、1時間以上は座らないようにしましょう。
簡単なことですが、仕事や勉強に集中していると、ついつい2~3時間座りっぱなしということがあります。
そうならないために、携帯のアラーム機能などを上手に使って、座る時間を短くするように心がけましょう。
まとめ
心拍は普段意識していないですが、実は健康やアンチエイジングには密接に関連しています。
普段の小さな心がけで、心拍を健康に良いものにしていく努力をしていきましょう。