アンチエイジングのための野菜 玉ねぎ
玉ねぎについて
玉ねぎはいろんな料理に使われる野菜です。
カレーやシチューには、玉ねぎは絶対に入っていないといけない、というような存在ではないでしょうか。
そして、牛丼やハンバーグなどにも入っているため、ファーストフードにも絶対に必要な野菜かもしれません。
ハンバーガーなどは、当然ハンバーグが使われていますが、玉ねぎを使っていないハンバーグは想像できないですよね。
そんないろんなレシピに不可欠な玉ねぎは、健康にとても良い効果があり、アンチエイジングや美容に不可欠な野菜なんですよ。
今回はその玉ねぎについてみてみたいと思います。
玉ねぎの種類
玉ねぎには、新玉ねぎと普通の玉ねぎがありますが、何が違うのでしょうか?
この2つは実は同じ玉ねぎです。
普通の玉ねぎは、収穫してから1か月程度乾燥させて出荷しているものです。
乾燥させると皮が茶色になり、いつもスーパーなどで見る玉ねぎになります。
なぜ乾燥させるのかというと、そうすることで玉ねぎが日持ちするようになるからです。
新玉ねぎは、収穫後に乾燥させることなく出荷したものです。
ですから、新玉ねぎはみずみずしく感じるますし、色も白くていつもの玉ねぎとは違う種類に見えてしまいます。
このことから、新玉ねぎは4~5月に出荷されますが、普通の玉ねぎは一年中出荷されます。
玉ねぎの成分
玉ねぎには、タンパク質、脂質、糖質などの栄養はそれほど含まれていません。
しかし、玉ねぎには身体によい成分が本当にたくさん含まれています。
硫化アリル
硫化アリルは玉ねぎを刻んだときに、涙を出させる成分です。
この成分は、ただ涙を流させるだけの嫌な存在ではありません。
硫化アリルは体内ではアリシンという物質に変わるのですが、これが血液をサラサラにする効果を持っています。
そのため、高血圧や動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞の予防にとても効果があると言われています。
また、血糖値も下げる効果があると言われていますので、血糖値の急上昇を抑えて老化を防いでくれる効果もあります。
当然糖尿病などの予防にも効果が期待できます。
また、アリシンには強力な殺菌作用があると言われています。
その殺菌作用によって、サルモネラ菌や病原性のカビ、チフス菌、コレラ菌、寄生虫の駆除などに効果があります。
そして、身体の免疫力を高めてくれる作用もあるので、風邪をひいたときや身体が付かれたときには、積極的に玉ねぎを食べるとよい効果が期待できます。
また、アリシンは体内でビタミンB1と結合してアリチアミンという物質をつくります。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに効果的に変換するために重要なビタミンで、疲労回復にとても重要になります。
アリチアミンは血液中で長時間維持されるため、ビタミンB1の働きが効果的に持続し、疲労回復に有効です。
ケルセチン
玉ねぎにはケルセチンという玉ねぎの色素や渋み成分であるポリフェノールの一種が含まれています。
ケルセチンは、ポリフェノールの一種ですから、活性酸素を取り除く抗酸化作用があります。
抗酸化作用によって、身体の酸化を防いでくれるため、酸化による老化を防いでくれるものです。
血中の脂質が酸化してしまうと酸化脂質になり、血管壁に付着するようになります。
こうなると動脈硬化が進行してしまうのですが、こういった酸化による身体の老化をケルセチンのようなポリフェノールが防いでくれるのです。
また、ケルセチンには、脂肪の吸収を抑えてくれる作用もありますので、ダイエットにはとてもうれしい効果があります。
アントシアニン
また、紫玉ねぎにはアントシアニンが含まれています。
このアントシアニンもポリフェノールの一種で、抗酸化作用があります。
そして、アントシアニンは眼精疲労や目の老化に効果があると言われています。
アントシアニンは、ブルーベリーにも含まれている成分ですので、目にとても良い効果があるということは、イメージしやすいのではないでしょうか。
ブルーベリーについてはこちらを参考にしてみてください。
グルタチオン
玉ねぎに含まれるグルタチオンは、人体の肝臓や眼球にたくさん含まれているもので、玉ねぎを食べることで、肝臓や目に良い効果があると言われています。
また、グルタチオンは抗酸化作用があるため、ケルセチンやアントシアニンと同じく、身体の酸化を防いでくれます。
そして、グルタチオンはサビ取りをして疲れたビタミンC(酸化型ビタミンC)をもとの元気なかたち(還元型ビタミンC)に戻してくれます。
ビタミンCが、また活躍できるように応援してくれているのがグルタチオンです。
美白効果もグルタチオンにはあると言われています。
その理由は、グルタチオンは日焼けでできる黒色色素メラニンを抑える働きがあるといわれているからです。
スキンケア、そして美白をしたい場合は、玉ねぎを食べることは必須ですね。
メラノイジン
玉ねぎは加熱すると、メラノイジンという抗酸化物質が出てきます。
これまた、抗酸化作用があるため、アンチエイジングや美容にはとても効果的な成分ということになります。
食物繊維
玉ねぎには、食物繊維が豊富に含まれています。
食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があり、玉ねぎには両方が含まれています。
水溶性食物繊維は、糖質が身体に吸収される速度をゆるやかにすると言われており、血糖値の急上昇を抑えてくれる作用があります。
不溶性食物繊維は、大腸にまで届き便の量を増やし、便通を整えてくれるため、腸内環境が整います。
また食物繊維は、腸内細菌の餌となり、腸内環境を整える作用もあります。
腸内を整えることは、アンチエイジングや美容の基本中の基本。
玉ねぎで腸内環境を整えましょう。
玉ねぎのデメリット
玉ねぎにはたくさんの良い成分が入っているため、毎日食べるべき野菜ですが、デメリットも存在します。
それは、食べ過ぎると下痢になってしまう可能性があることです。
玉ねぎに含まれる硫化アリルが、腸の働きを活発にして、刺激を与えてしまうため、食べ過ぎると腸への刺激が強すぎて、下痢になってしまうことがあります。
そのため、玉ねぎの適量は、目安として一日四分の一程度だと言われています。
どうも玉ねぎを食べると下痢をするという場合は、自分の体質に合わせて、どれほどの量が自分に合っているかを探す必要があるかもしれません。
たくさん食べても問題ない、という場合は多めに食べても大丈夫でしょう。
しかし、硫化アリルの血液サラサラ効果などは、ずっと持続するものではなく、7時間程度と言われていますので、たくさんの玉ねぎを一気に食べるということではなく、毎日少しずつ食べ続けるということが、健康には重要になってきます。
まとめ
玉ねぎには健康に大切な成分がたくさん含まれています。
それらの成分を効果的に食べて、アンチエイジングや美容に役立てていきましょう。
一番手っ取り早い方法は、スライスしてサラダにして食べることでしょう。
ここで重要なポイントがあります。
玉ねぎの硫化アリルは、水に溶けだしてしまう性質があります。
そのため、スライスした後に水にさらすと、水に硫化アリルが流れてしまうため、せっかくの効果が半減してしまいます。
そこで、スライスした玉ねぎは、水にさらすのではなく、30分ほど水にさらさずに放置しておくことをお勧めします。
放置することで、辛みなどがなくなりマイルドになり、硫化アリルの効果も十分に体内に取り入れることができます。
生で食べても、熱を通しても、健康にとても良い成分を含んでいる玉ねぎは、アンチエイジングや美容のためには、もう切っても切れない野菜ということになります。
今日からは、毎日玉ねぎを使った献立で食事を作っていきましょう。