アンチエイジングと体内の資源
体内の資源
私たちの身体は、体内の資源を使って、日々のダメージを修復しています。
この資源をあまり意識したことがありませんが、体内にあるものはやはり限りがあるのです。
それをどう使うかを、無意識のうちに私たちの身体は判断しているわけです。
こんなことは全く意識していませんが、日々生活を行う中で、私たちの身体は、変異したDNAの除去、停滞した酵素生成の改善、損傷タンパク質の一掃、フリーラジカルという高度の反応分子の中和など、たくさんのことを行ってくれています。
このような体中のメンテナンスをいつも行ってくれているのですが、これらの身体のメンテナンスは、限りある体内の資源を使って行われています。
そして、何もしなければそのスピードは加齢とともに遅くなっていきます。
ですから、早く老化するか、老化のスピードを遅くするかは、どう資源を振り分けて素早くメンテナンスするかにかかっています。
私たちの身体は、日々その選択に迫られているわけですね。
そしてその選択が、効率的に行われないという場合、老化が加速してしまうことがあります。
ですから、老化が加速しないために、そして私たちの体が上手に資源を配分できるようになるために、私たち自身が意識して、資源の配分がスムーズにできるような行動をする必要があります。
資源の配分がうまくできないときの悪影響
逆に体内の資源を上手に配分できないとどうなるのでしょうか?
例えば飢餓遺伝子を考えてみましょう。
飢餓遺伝子は、食料が乏しい時にも人が、できるだけ長く生きることができるように進化してきたものです。
飢餓遺伝子をオンにできた場合、過去に人類が経験した飢饉などを生き延びることができるわけです。
しかし現在は、食料を得ることに苦労することはほぼありません。
その場合、この遺伝子は活躍の場を失って、スイッチを切ることが望ましいのですが、食糧難がなくなったからと言って、この遺伝子のスイッチを切ることはできません。
この飢餓遺伝子は、飢餓の状況に備えてせっせと脂肪を蓄え、その結果お腹周りや太もも、内臓に脂肪をたっぷりと蓄えるようになります。
今の時代に重要なのは、環境の変化に合わせて、飢餓遺伝子のスイッチをオフにすることがとても重要になります。
そうでなければ、資源を無駄に配分してしまうことになります。
脂肪をためる必要がない時に、脂肪をためるように働くというのは、どう考えても体内の資源の無駄使いですよね。
飢餓遺伝子を飢餓の時のみにスイッチを入れるというように、適切なときに適切な手順で適切な遺伝子のスイッチを入れることが、アンチエイジングを行うには必要なのです。
体内の資源の上手な配分には?
体内の資源を上手に使ってアンチエイジングするためには、どのようなことをすればよいのでしょうか?
アンチエイジングの前提としては、次の3つは絶対に守らなければならないと考えらています。
①毎日6時間以上眠るようにする。
ショートスリーパーと呼ばれる人がいますが、それはごく少数の人たちです。ショートスリーパーは遺伝によるものだそうなので、訓練でショートスリーパーになることはできません。
ですから、多くの方は最低6時間は眠るようにする必要があります。
睡眠は体内の不要なものを一掃してくれるものです。身体の中をきれいにしてくれるのですが、脳も睡眠によって老廃物を排出するそうです。
睡眠時間を延ばすことを考えるなら、布団に入る時間を早くするのが一番です。
いつもより30分早く布団に入れば、同じ時間に起きても30分長く寝ることができます。
②加工食品はできるだけ食べない
できるだけ自然のものをそのまま食べるのが理想です。
さらなる理想は生まれた土地の物を食べるということです。
しかし、今の時代は自分が生まれた土地の食物だけを食べる、ということはかなり難しいですから、まずできることは加工食品を避けるということでしょう。
加工されて植物が肉なのか、魚なのかわからないものは口にしないというぐらい、極端な考えでいるのが良いのではないかと思います。
また、原材料を見てみて、知らない名前の物質がたくさん入っているものは、口にしないというのも重要なことです。
化学物質の処理を体内で行う必要があるものを、たくさん取り入れると、体内の資源を余計に使う必要があるからです。
食品の後ろを見て、カタカナで難しい言葉がたくさん書かれているものは、できる限り避けるという気持ちでいましょう。
完璧に避けるということはできませんが、意識しているだけで、そういったものを体内に取り込む量を減らすことができます。
加工食品のリスクに関しては、こちらが参考になると思います。
③週に4~5日、20~30分間の運動をする。
これはとても重要なことなのですが、特別にジムに行ったりする必要はないと思います。
もちろんジムに通っている方は、それを続けるのが良いと思いますが、まだジムに行っていない方は、日常生活に運動を取り入れる意識を持ちましょう。
階段をできるだけ使うようにする、歩くのを早歩きにするなど。
買い物も、週に一回買いだめするのではなく、毎日必要なものを必要なだけ歩いて買いに行く、というようなことを始めるだけでも十分です。
これで運動が習慣になり、さらに何かを行いたい、と思うようになったときに、ジムなどに通うことを考えるのが良いのではないでしょうか?
運動を習慣にしてないという方は、運動を継続するということがとても難しいものです。
ですから、まずは簡単なことから始めることが重要です。
そうでなければ長続きしませんから。
よし、今日からジムに行ってしっかりと運動するぞ、と意気込んでも、運動が習慣化されてないため、すぐに行かなくなる方が多いです。
ですから、日常生活の中で、できるだけ運動するように、まずは心がけましょう。
1か月も続けると、身体を動かさないほうが不快になります。その時が運動が習慣化された時です。
まずはそこを目指していきましょう。
そして、デスクワークが多い、机で勉強することが多いという方は、座っている時間を短くするよう努力する必要があります。
長時間座ていることは、健康に悪いという研究結果は多くの方はご存知かもしれませんが、実際に行動に移している方はあまりいらっしゃらない印象を受けます。
45分以上座り続けないのが理想ですが、面倒なので1時間以上座り続けない、という基準で行動するのが良いと思います。
1時間座って作業を行ったら、休憩に歩くということを行うとよいでしょう。
歩くといっても、外を歩くのが理想ですが、それができない場合には、トイレに行くとか、休憩室に行くなど、少しだけ歩くというだけでも十分です。
環境が許すのならば、立ったまま仕事や勉強ができるというのも理想です。
立ったまま作業を行うことは、眠気防止という観点からもとても効果的ですよ。
アンチエイジングを行うときには、この3つの前提条件が習慣になっていないと、あまり効果がないことが多いといわれています。
この3つが、良い遺伝子のスイッチを入れ、悪い遺伝子のスイッチを切るために必要だからなんですね。
3つの前提条件は、誰にとっても難しい知識を必要とするものではありません。
しかし、現代社会に生きていると、この3つを守るということが、本当に難しいですよね。
重要なことは、習慣になるまで、厳格に行わなくてもよいという意識を持つことです。
普通に生活をしていると、どうしても3つが守れないという日があるはずです。
自分に厳しい方の場合、そこで「ああ、自分はダメだ」と考えて、この前提条件をやめてしまうことが多いです。
自分に厳しいことも、すごく大切ですが、もっと柔軟に考えて、今日守れなかったけれど、明日からは絶対に守るぞ、という調整する能力も大切です。
何よりも重要なのは継続することですから。
まとめ
体内の資源を効率的に使うためには、特別なことを行う必要があるわけではなく、アンチエイジングや美容に良いと言われることを実践すればよいようですね。
睡眠、食事、運動というのは基本中の基本と考えるべきものですが、それに縛られる必要もなく、できる範囲から始めていくということがとても重要になってきそうです。
そうでなければ、続けることができませんし、続けることができなければ、アンチエイジングにはほぼ効果がないです。
アンチエイジングに必要なことは、少しのことを続けることができるかどうか、というところに集約するのかもしれません。