ヴィーガン、ベジタリアンは美容に良い?アンチエイジングには?
菜食、ベジタリアンは健康に良いのか?
野菜のほうが肉よりも、健康に良いというイメージがを持っている方が多いように感じます。
そのため、野菜や果物だけを食べるという方も多いですね。
そんなベジタリアンには、ソフトな食事制限を行う人たちから厳しい食事制限と張をする人たちまで、かなりの幅があります。
ベジタリアンのおおよその分類は、次のようになります。
鳥獣の肉、卵、乳製品、魚介類、およびそれらの副生產物(ラード、ゼラチン、肉 エキスなど)を含むものを一切口にしない。なかでも厳格なヴィーガンは、ハチミツなどを含む動物性食品を一切摂らない。
- フルータリアン
建物、ナッツ類、野菜以外一切食べない。
肉、魚は食べないが、乳製品や卵は摂る。
- ベスコ・ベジタリアン
肉、卵、乳製品は食べないが、魚介類は摂る。
- ボゥヨゥ・ベジタリアン
肉の中でも鳥類は食べる。
肉をなるべく食べないようにする。
ヴィーガンになる方が、最近はかなり多くなっているように感じます。
ヴィーガンやベジタリアンになる方は、牛や豚や鶏が食用に加工される時が、あまりに残酷で肉食ができなくなったという場合もあります。
肉自体は好きだけれど、どうしても食べられない、という人はやはり無理に食べると健康を害する可能性もありますので、ベジタリアンやヴィーガンになるというのはやむを得ないのではないかと思います。
しかし、ヴィーガンなどの場合、栄養学的な観点からは、少しマイナスの面が指摘されています。
ヴィーガンのような厳格な菜食を行うと、栄養学的に人体が必要とする要素が足りなくなるおそれがあるのです。
脂質について
代表的なものとしては、やはり脂質の不足を指摘されています。
しばしば悪くいわれがちな脂質ですが、脂質は重要な栄養成分の1つで、私たちの体の中でさまざまな働きをしています。
脂質の重要な働きをあげると、以下のようなうのがあります。
脂質の重要な4つの働き
- 細胞膜の主要な構成成分となる。
- エネルギー源となる。
- 脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)やカロテノイド(主に野菜や果実に含まれる色素の総称で、強い抗酸化力を持つ)の吸収を助ける。
- ホルモンやビタミンの前駆体(化学反応によってある物質が生成される前の段階にある物質)となる。
このように脂質はとても重要なものですが、極端な菜食を続けて脂質が不足すれば、体の働きに確実に悪影響を及ぼすことになるでしょう。
脂質は菜食からでも撮ることは可能なのですが、やはり量に問題があります。
ナッツなどを食べるなどが効果的ですが、その場合でも量の面で問題が残ります。
脂肪は、モノグリセリドと脂肪酸から出来ています。
両方ともに重要なのですが、人体に必要な脂肪酸を今回は解説します。
脂肪酸には、体内で合成できる脂肪酸と合成できない脂肪酸があり、後者を必須脂肪
酸と呼んでいます。
体内で合成できない脂肪酸は、食事から摂取しなければなりません。α―リノレン酸、リノール酸などがその代表になります。
極端な菜食によって、この必須脂肪酸も足りなくなるおそれがあります。
そして極めて重要なのが、青魚の油などに含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)です。
動脈硬化が進んでしまうと、アンチエイジングや美容にとってもマイナスの影響があります。
血流はアンチエイジングなどには、とても重要な要素ですが、血管が固くなる動脈硬化が起こっては、アンチエイジングは難しいですから。
魚も食べないベジタリアンの方は、エゴマ油などを摂ればこれらの必須脂肪酸を、体内で合成することが可能といいます。
しかし、それでは必要量を満たすことが、かなり難しいという指摘があるのも事実です。
タンパク質について
そして、問題は脂質だけではないのです。
牛、豚、鶏などの食肉は人間にとって重要なたんぱく源になっています。
人間の体にとって最も大切な栄養素であるたんぱく質は、約20種類のアミノ酸からできています。
そのうち9種類は体内では作れず、食べ物から摂る必要があります。
この人間が作ることができない9種類が「必須アミノ酸」と呼ばれるものです。
必須アミノ酸をしっかり摂らなければ、私たちの体を構成するたんぱく質を作ることができません。
人体に必要とされるアミノ酸量を基準として算定されたものが、各食品のプロテインスコアです。
卵のプロテインスコアは100点、豚肉が90点、鶏肉が87点、牛肉が80点となります。
これに対して、大豆から作る豆腐はたんぱく質を含むとはいえ51点しかありません。
ベジタリアンであることを選択し、食肉を一切食べなければ、たんぱく質不足に陥るおそれがあるのです。
ちなみに細胞を構成するのはアミノ酸ですので、細胞を持っているものはすべてタンパク質を含んでいます。
植物も当然たんぱく質を含んでいるので、栄養学などに詳しければ、ベジタリアンであってもタンパク質不足を防ぐことができるかもしれません。
しかし、一般的な人の場合は、難しいのではないでしょうか?
なぜなら栄養学についての知識があまりない、という方が一般的だと思うからです。
どんな栄養が必要か、ということは理解しているけれど、どれだけの量が必要であり、何にたくさん含まれているか、というようなことまで理解している人がどれだけいるか、ということです。
ビーガンについては、ビタミンB12や鉄分の欠乏症のおそれも指摘されています。
「肉か、野菜か?」の前に大切なこととは
健康のために食品を選ぶ際に重視すべきことは、「量ではなく質」ではないでしょうか?
たとえば、ダイエットは摂取エネルギーの量にこだわるだけでは、なかなか効果を期待することができません。
加工肉などをたくさん食べて、摂取エネルギーを抑えても、結果は芳しくないでしょう。
どれだけよい質の食品を食べるかということも、ダイエットの成功を左右する重要な条件なのです。
肉や野菜を食べる際にも、同じことが言えるのです。
つまり、そもそも「肉か野菜か」という二者択一の設問の立て方自体が、実は間違っているのではないかということです。
ベジタリアンが良い、悪いということではなく、食については食べ物全体を考える必要があるのです。
ですから、私たちが問うべきなのは、健康で長生きするために、アンチエイジングや美容のために摂るべき「よい肉とは何か、よい野菜とは何か」ということです。
野菜は総じて健康にいいイメージを持たれている食品ですが、場合によっては健康に悪影響を与えることもあることを認識する必要があります。
サラダが身体によいからと、サラダばかりを食べているとすると、身体が冷えてしまいます。
冷えは美容によくないだけではなく、免疫にも影響を与えしまいます。
また、大量の農薬がついている野菜を多く摂って、体に良いわけがないですよね。
そして、「加工肉がよくない」ということは以前お話ししました。
それでは、逆によい肉とはどんなものなのでしょうか?
飽和脂肪酸は人体に必要なものですが、やはり摂り過ぎはいけません。
肉の脂身部分は、なるべく食べないほうがよいという考え方をする方もいます。
脂の部分を取り除いて食べる、という方も多いと思いますが、私は食べ過ぎなければそれほど、神経質になる必要はないと思っています。
気になる場合は、例えばステーキを食べる際は、ロースよりもフィレを選ぶようにするなどで十分ではないでしょうか。
飽和脂肪酸を食べ過ぎないという観点から考えると、霜降りの牛肉より、赤身の肉(脂肪の少ない肉)が勧められます。
肉の種類としては、飽和脂肪酸の少ない順で、鶏肉(皮を除く)、豚肉、牛肉になるでしょう。
鶏肉の中でもささみ、むね肉がお勧めです。
むね肉には、疲労回復に効果が高い成分が含まれています。
イミダペプチドには抗酸化作用があり、脳の自律神経中枢に働きかけ、細胞がさびるのを防ぐ効果があると言われています。
また、ハムやソーセージ、サラミなどの加工肉は、極力食べないように心がけましょう。
肉は健康にとって、絶対的な悪者ではないということを理解しておく必要があります。
肉を食べる際、いくつかのことに気をつければ、むしろあなたの健康を向上させてくれるものなのです。
まとめ
ヴィーガンになりたい、ベジタリアンになりたい、またヴィーガンであることが好き、体調が良いという場合は、それを止める理由は全くありません。
しかし、無理やりにヴィーガンになっても、アンチエイジングや美容に利益があるとは思えません。
なぜなら、そこには我慢が必要になってくるため、どうしてもストレスがかかってしまうのではないかと思うからです。
ストレスは必要なものであり、適度なものであれば問題はないのですが、食に関してはのストレスは、どうしても継続してしまうものです。
ストレスは小さなものでも、継続するとやはり健康にはどうしても悪影響を与えてしまいます。
ヴィーガンを試してみて、心地よい、快適だと感じないような場合は、もしかするとヴィーガンが体質にあっていないのかもしれません。
何事も自分の身体を不健康にしてまで続ける必要はないでしょう。
それはもちろん肉食に関しても、同じことが言えるのですが。