睡眠が浅いとアンチエイジングが不十分になる?
睡眠が浅いかどうかの確認
アンチエイジングを心がけている方は、食事や運動にはとても気を使っている方が多いですが、睡眠に関しては時間だけを気にしている方が多いように感じます。
睡眠は、私たちが考えている以上に重要であることは、数々の研究で明らかになってきています。
睡眠について考えるときには、睡眠時間はもちろん重要ですが、合わせて睡眠の質もとても重要なものです。
つまり量と質両方が睡眠には必要になってきます。
睡眠の質が悪いというのは、睡眠が浅いということです。
浅い睡眠である、ということはどのようにすればわかるのでしょうか?
それは朝起きた時に目覚めがすっきりしているか、で計ることができます。
睡眠が深く、十分な時間眠ると、目覚めはとてもすっきりしたものになります。
逆に睡眠が浅いと、いくら十分な時間眠ったとしても、目覚めがすっきりしません。
もっと眠っていたい、という気持ちの方が強くて、なかなか布団から出ることができない、そんな状態が続いている場合は、睡眠が浅く、質が悪くなっているかもしれません。
十分な時間眠っているにもかかわらず、十分な睡眠がとれたと感じない場合は、睡眠の質の改善を考える必要があります。
浅い眠りの弊害について
睡眠が浅いと、どんな弊害が起こるのでしょうか?
まず、睡眠が浅いと、十分な時間寝たとしても、睡眠が足りていない状態になってしまいます。
そのため、当然日中のパフォーマンスを低下させてしまいます。
私は目覚めがすっきりしていないけれど、日中の仕事や勉強に影響があると、感じたことはない、という方もいらっしゃるでしょう。
そんな場合は、睡眠の質が深くなると、昼のパフォーマンスがさらに上がるということです。
かなりもったいない状態なのかもしれませんよ。
- 成長ホルモンの不足
睡眠が浅いと、成長ホルモンの分泌が不十分になってしまいます。
成長ホルモンは、寝入りばなの90分に、その日の70~80%が分泌されると言われています。
ですから、その90分はぜひとも深い眠りに入っていたいのですが、睡眠が浅いと成長ホルモンの分泌が十分ではなくなってしまいます。
成長ホルモンは、成長期には骨や筋肉を伸ばす、成長するために使われるのですが、大人になると、身体の修復に使われる重要なホルモンです。
修復に使われるのですから、当然日々の活動でダメージを受けた肌や体内の修復に使われます。
この修復が十分に行われていれば、若々しく張りのある肌を維持することができるのですが、成長ホルモンが十分でなければ、修復は不十分ですから、アンチエイジングは望めません。
スキンケアは、アンチエイジングを心がけている場合は、特に力を入れているはずです。
保湿剤やクリームなどを使って、しっかりとケアをしているけれどあまり効果がないという場合は、実は睡眠に原因があるのかもしれません。
外から、オイルやクリームで、いくらスキンケアを行っても、お肌が改善されないという場合には、睡眠が浅くなっていないか、確認することが必要なのかもしれませんね。
睡眠が浅いために、肌を修復する成長ホルモンが足りない状態なのかもしれないからです。
- 浅い睡眠は記憶力の低下につながる
睡眠時には、記憶を整理して記憶の強化が図られるということは、常識になりつつあります。
特にレム睡眠という睡眠サイクルのときに、記憶は整理されていると言われています。
しかし、記憶の定着はいろいろな段階があると言われ、どの睡眠サイクルも記憶の定着には重要であるとも言われているのです。
しかし、睡眠が浅ければ記憶の定着は不十分になってしまいます。
運動も記憶力を高めるためには必要なのですが、やはり運動だけでは不十分と言わざる負えず、睡眠と運動が相まって記憶力が高まっていくと考えるべきですね。
- 免疫力の低下
睡眠を十分に深く取るということは、免疫力を高めることになります。
これは研究で明らかになっており、睡眠が浅く、また時間が短いと、感染症にかかりやすいという報告があり、インフルエンザにもかかりやすくなると言われています。
- 老廃物が脳にたまる
睡眠中に脳から老廃物が排除されて、脳がきれいになっていますが、睡眠が浅いと、やはりその活動も鈍くなってしまいます。
結果として脳に不純物がたまるようになってしまい、最悪の場合はアルツハイマー病などを発症してしまう可能性があります。
睡眠の質を高める
睡眠の質を高めるために、浅い眠りから深い眠りに変えるためには、日中の過ごし方がとても重要になります。
睡眠の質を高める第一のステップは、太陽光を朝しっかりと浴びることから始まります。
人は概日リズム(サーカディアンリズム)で活動しています。
この概日リズムは、約24時間周期になっているのですが、研究により24時間よりも少し長いことがわかっています。
概日リズムに従って活動するとなると、1日は24時間ですから、毎日少しずつずれていることになります。
そうなると睡眠の時間もずれてしまうことになりますが、この概日リズムをリセットするのが、太陽光なのです。
朝起きて、寝ぼけている状態でも、外に出て、または窓を開けて太陽光を取り込むと、目が一気に覚めることを実感できると思います。
その状態が、概日リズムのリセットの状態です。
1日はそこからぜひ始めるようにしていくのが、理想の睡眠への第一歩です。
- 運動
日中はできる限り運動することで、激しい運動はできる限り午前中に行うことが理想です。
しかし、忙しい毎日のなかで運動の時間を特別には取れない、という方も多いでしょうから、できる限り歩くことを意識してください。
そうすることで、夜に程よい疲れを感じて、浅い眠りではなく、深い眠りになるはずです。
ブルーライトは、太陽光にも含まれる光で、人の脳に覚醒作用があります。
覚醒作用があるのですから、日中に重要なクライアントと会わなければならないとか、重要なプレゼンがある、試験があるというような場合には、とても役に立つ光です。
しかし、覚醒作用があるため、睡眠にとっては良くないものです。
ですから、ブルーライトを発する電子機器の仕様は、寝る前の少なくとも1時間前には見るのをやめるのが理想です。
- カフェイン
コーヒーなどのカフェインは、神経を興奮させる効果があります。
日中にはとてもありがたい効果ですが、睡眠にとってはあまりありがたくない効果になってしまいます。
ですから、コーヒーや紅茶、緑茶など、カフェインを含んでいる飲み物は、飲み方に注意が必要になります。
カフェインの影響を睡眠に残したくないと考えるなら、コーヒーなどは少なくとも午後6時以降は飲まないようにするのが理想です。
その後は、ハーブティーなどを飲むようにして、睡眠に備えましょう。
- 夕食
理想は食べ物が胃の中に残っていない状態で寝ることですが、忙しくてそれは無理という方が多いでしょう。
ですから、寝る前3時間は何も食べない、というルールを作るようにしましょう。
これで消化活動を行いながら、寝るということをしなくてよくなり、睡眠が深くなります。
- 入浴
入浴は、できる限り湯船につかるようにしましょう。
シャワーだけでは、どうしても身体が温まらないため、深い眠りにならないことが多いです。
できるだけ湯船につかるようにして、身体の深部体温を上げるようにしてください。
睡眠は深部体温が下がることで、自然に眠りに入ることができるので、お風呂に入って深部体温を上げて、90分程度時間を空けると、深部体温が下がっていくため、睡眠には理想の状態となります。
そこで、眠りにつくことで、寝入りばなの90分を深い眠りに導くことができ、成長ホルモンがしっかりと分泌され、アンチエイジングも効果的に行えるようになります。
まとめ
睡眠が浅いということを自覚していない方が多いのではないでしょうか?
そんな自覚はないという方も、この睡眠を深くする日中の過ごし方は、意識しながら生活してみてください。
睡眠の質は深いほど良いわけですから。
深い睡眠を確保することで、アンチエイジングや美容の効果がかなり違ってくるのはすぐにわかると思いますよ。
身体を修復する成長ホルモンの分泌量が明らかに違うわけですが、その成長ホルモンはアンチエイジングや美容には必須のホルモンですからね。